猫が鳴く時と鳴かない時
■猫はあまり鳴かない
猫は、基本的にはあまり鳴かない生き物です。
猫同士の会話は、鳴き声では無くボディーランゲージを使用します。
鼻と鼻をくっつける、お尻の匂いを嗅ぐ、体勢を低くする、目線をそらせるなど多様な方法でコミュニケーションを取ります。
声に出して鳴き声で会話をすることはほとんどありません。
猫が鳴く時は、母猫と子猫が呼び合う時や、猫同士の喧嘩、発情の時になります。
とはいえ、家の中で飼われている猫や、人間にご飯を貰っている猫などは結構よく鳴きますよね。
それは何故なのでしょう。
■人に向かって鳴く猫
家で飼われている猫が鳴くのは、主に人に向かって要求をする時になります。
子猫が母猫に向かって鳴く状況に近いと考えられます。
本来ならば自立している成猫も、人と暮らす時には人にご飯などをを要求しなければならない為、ボディーランゲージよりも通じる鳴き声を使用して伝えようとしているのかもしれないですね。
保護施設など猫の多い場所に行くと、食餌時間が近い時に人が子猫たちのいる部屋に入ると一斉にご飯だと思って鳴き出します。
しかし、人がそのまま部屋を出て行ってしまい、子猫たちの視界から消えると、一瞬で静かになります。
ただ単に「お腹が空いたー」と鳴いているのでは無く、人に「ご飯くれ」と要求していることがわかります。
■鳴かない猫が急に鳴く様になる謎
猫飼いさんの中では、うちの子全く鳴かない、という方も多いのではないでしょうか。
特に要求がなければ鳴きませんし、鳴かなくても通じる場合は鳴かないことが多いです。
同じ環境で育った兄弟猫であってもよく鳴く猫とそうで無い猫もいますので、環境よりも性格によるところが大きいと思われます。
これまで全く鳴いたことがなかった猫や滅多に鳴かない猫が、突然鳴く様になった時は、何か具合が悪いのではないかと心配になります。
環境や人に慣れてくると、鳴いたことのなかった猫が気持ちを突然鳴き声で表現する様になってくることがあります。
鳴くことで人が反応したら、それからも鳴いてコミュニケーションを取ろうとします。
鳴き方の種類を参考にしてみると、その猫が何を訴えようとしているのかが、少し分かるかもしれません。
鳴き方の種類と猫の気持ち
猫の鳴き方は何種類かに分けられます。
猫によっても鳴き方は違いますし、感覚的なことになるため全てを分類することは難しいとされますが、どの様な時にどの様な鳴き方をするかという分類はある程度出来ます。
※それぞれの鳴き方の動画を紹介していますが、音量が大きいものがありますのでご注意ください。
■ニャーオ、ニャーン、ニャー、ミャッゴーン→催促、要求
人に対しても最もよく使われるのがニャー、ミャーなど、鳴き方は色々ですが、「ご飯ちょうだい」「早くちょうだい」など、要求や催促の鳴き方です。
「ニャーン」の様に最初の方が強めだと、強い要求(例:「ご飯、早くー、腹減ったー」)、「ミャッゴーン」の様に「ゴーン」の部分にアクセントがある様な鳴き方だと、やや諦め気味の要求(例:「待ってんだけどまだー?」です。
プロの猫は、大人でも甲高い子猫の様な声を出すことが出来ます。
その方が人間に対してより効果的であることを知っているのですね。
子猫の様な可愛い声で何かを要求してる鳴き方ですね。
人に通じるまで色々な声色を試している様に思えます。
尻尾の先が軽く揺れているので、要求を無視されて少しイラっとしている様子です。
この様に強くアピールをする鳴き方の他に、猫が口を開けても声を出さない鳴き方をすることがあります。
声なき声で鳴くサイレントミャオ(サイレントミャー)と言われますが、それもこの部類に入ります。
人間には聞こえなくても、もしかしたら猫には聞こえる周波数なのかもしれません。
とても控え目な印象で、まだ環境に慣れきっていない猫がサイレントミャオをしているのを見たことがあります。
サイレントミャオで鳴く猫です。
まだ若い猫の様ですね。とても切なげです。
母猫が次の出産の為に離れて行ってしまい、寂しく、母親を呼んでいるのかもしれないという事でした。
■短くニャッ→友好的な挨拶、「嬉しい!」
人が話しかけた時などに猫が短く「ニャッ」というのは、挨拶や友好的な返事です。
とても可愛らしい声で鳴き、喉も鳴らしているので人が近づいて嬉しく感じている様ですね。
連続してンニャッニャッニャッとしゃべりながら人に向かって歩いてくる場合は、何かしら注意を引きたい時で、これも友好的な接近を意味します。
一人でしゃべりながら歩いている猫もいるので、もしかしたら完全な独り言の時もあるのかもしれません。
催促したご飯が貰える、という時や、人がオモチャを出してこれから遊んでもらえる、など、「嬉しい!」という感じで「にゃっ」と鳴くことがあります。
■マーオン→「何?どうして?」
マーオン、マーオンと鳴き続けるのは、不安や困惑などを表します。ずっと人と一緒にいた猫が急に部屋に一人きりにされて困惑している時や、初めて病院に行くときにキャリーの中で鳴く時があるかもしれません。
また、家に迎えたばかりの猫が環境に慣れるまでの間、夜鳴きの様に鳴き続けることもあります。
動物病院に連れて行かれて不安で鳴き続ける猫です。
猫にしてみれば何が起きているかわからないですから不安ですよね。
■ムォーン→抗議
自分の縄張りに他の猫が入ってこようとすることへの抗議の時などに聞かれます。
繰り返し色々なトーンで鳴くことで、喋っているかの様に聞こえることがあります。
自分の縄張りにやってきた猫に対して抗議しています。