愛犬に白髪が生えた!?知っておきたい犬の毛の退色とは?

愛犬に白髪が生えた!?知っておきたい犬の毛の退色とは?

人が年齢を重ねると黒髪が薄くなり、白髪が生えてきます。この現象は人ならではというイメージがありますが、実は愛犬にも白髪が生えてくることがあります。これを退色と言い、どんな犬でも加齢によって、白髪が増えていくのです。今回は、そんな愛犬の白髪(退色)について、くわしくご紹介します。


愛犬にも白髪が生える?

かわいい愛犬に、突然白髪が生えたら驚いてしまいますよね。愛犬の白髪は基本的に加齢によって起こり、早い子だと3歳くらいから毛の中に白髪が混じるようになります。しかし、愛犬の白髪は単純に加齢が原因とは限りません。

その原因は多岐にわたり、実は病気が原因のことも。そのため、単純に年齢で白髪が生えたとは思いこまず、白髪が目立つようになったら体調や周囲の環境を意識してみてあげましょう。

次に、愛犬がまだ幼いのに白髪が増えてきたときに考えられる、原因をご紹介します。

愛犬のひげや体毛に白髪が出てくる原因は?

そもそも愛犬の毛が白くなったり、色が薄くなったりするのはメラニン色素の生成が少なくなっているため。このメラニン色素とは、色素細胞のメラノサイトによって作られる成分で、毛を黒くしたり日焼けやシミ、そばかすの元になっています。

メラニンが生成されることで、肌に受ける紫外線などの外部ダメージからガードする役割を担っています。しかし、このメラノサイトが何らかの原因によって機能低下が起きると、メラニンの生成量が減り毛を黒く保てなくなっていきます。

本来毛は白い状態で生えてきていて、メラニン色素の影響を受けて黒などの色がついていきます。そのため、メラノサイトの働きが弱まってメラニン自体が生成されなければ、白髪のまま伸びて行ったり毛の色が退色して黒から茶色になったり、シルバーのような色合いになっていくのです。

メラノサイトが減少する理由は?

ストレスによるもの

たとえば、愛犬にとって強いストレスを感じるようなことが起きると、自律神経のバランスが乱れてメラニンの生成が抑制されます。自律神経は髪や皮膚を作る成長ホルモンの分泌や血流をコントロールする役割を持っています。

ストレスで自律神経が乱れると、毛に必要な成長ホルモンと栄養が不足するため、白髪が増えやすくなるのです。たとえば、飼い主さんのしつけが厳しく愛犬にとって負担になっている、引っ越しをして環境が変わったなど、愛犬が強いストレスを抱えている可能性があります。

白髪が急激に増えてきた場合は、愛犬がストレスを感じていることがないか考えてみましょう。

栄養、水分不足


毛を作るには、タンパク質やビタミン、アミノ酸などの栄養素が欠かせません。しかし、食事のバランスが崩れていると、髪に必要な栄養素が摂取できず白髪が増えてしまうことがあります。

基本的に今のドッグフードは愛犬に必要な栄養素がバランスよく含まれていますが、まれに安いドッグフードの中には栄養バランスが悪いものや、そもそも栄養が壊れているものがあります。

また、手作りごはんをメインにしている飼い主さんは、栄養バランスが偏っていないかメニューを見直してみましょう。特にミネラルの亜鉛は毛を健康的に保つ上で欠かせない栄養素。野菜をたくさん使っていても、ほかの食材もバランスよく使っていないと、髪に必要な栄養が不足しているかもしれません。

病気によるもの


皮膚病や胃腸など、病気によって白髪が発生することもあります。最近急激に白髪が増えてきた、毛づやがなくパサついている…などの症状が見られたら、愛犬が何らかの病気になっている可能性も考えられるので、早めに動物病院に行って検査を受けさせましょう。

犬種の特性によるもの

また、犬種によっては毛の生え変わり時期に退色が起きて、白髪が増えたように見えることがあります。たとえば、トイプードルは赤ちゃんのころから年齢を重ねるごとに、なんとなく毛が薄くなる子が多いです。

子犬のころはチョコレートのように濃いブラウンだったのに、徐々にシルバーがかった毛色に落ち着いてくることがあります。また、ミニチュア・シュナウザーやテリア系は、トリミングによって一部の毛の色が変わるケースも。バリカンの刃が皮膚に強く触れてしまったり、摩擦が起きたりすることで、刺激を受けた皮膚の部分の毛の色が薄くなったり濃くなったりすることがあります。

愛犬の白髪は無理に抜かないで!


そんな愛犬の白髪が気になって、つい抜いてしまう飼い主さんもいるかと思います。しかし、愛犬の白髪を抜くのは控えましょう。そもそも毛を無理に抜くのは、毛穴や皮膚を傷つけてしまい、抜いた毛穴に雑菌が繁殖して炎症を起こす可能性があります。

また、炎症をそのままにしておくと皮膚炎などの病気に発展することもあるため、白髪があっても無理に抜かずにそのままにしてあげましょう。どうしても白髪が気になるときは、その部分の根本からはさみでカットするのがおすすめ。

人と同じように、愛犬も年を重ねることで白髪が増えるのはごく自然なこと。極端に白髪が増えた、毛づやが悪いなどの症状がなければそこまで飼い主さんが気に病むことはありません。また、ストレスや栄養不足でも白髪が増えることがあるため、まだ愛犬が若いのに白髪が多いときは、まずはストレスの元になるような生活環境になっていないか見直してみましょう。

大きな音や室温、飼い主さんの接し方など、いろいろな形で愛犬がストレスを抱えていることがあります。飼い主さんは愛犬がリラックスして過ごせるよう、適切な食事と日々のケアをがんばりましょう。

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