猫エイズという病気、知っていますか?

猫エイズという病気、知っていますか?

動物には様々な病気があります。かかってほしくはありませんが、やはり生きて行くうえでは病気はつきものになってきます。猫特有の疾患、猫エイズ。これはどのような病気なのでしょうか?予防できるものなのか?猫エイズについて、調べてみましょう。


猫エイズってどんな病気?

猫エイズという病気をご存知ですか?犬は飼ったことあるけれど、猫の飼育はしたことはない。これから猫の飼育を考えている。
猫エイズについて、少し考えてみましょう!

猫エイズは感染症!

猫エイズの正式名称は、猫後天性免疫不全症候群といいます。ネコ免疫不全ウイルス(FIV)というウイルスが原因で起こる、様々な症状のことです。
発見は1986年ですが、もっと前から存在いしていた病気です。ウイルスは白血球内に潜伏していて、発見するためには動物病院などで血液検査を行う必要があります。

検査から検出までは、1か月くらいかかります。

血液検査といえば、すぐに診断が出るというイメージがあります。しかし猫エイズの場合は、検査からエイズウイルスの検出までは1か月くらい時間がかかります。
猫エイズに感染しているか確認するためには、検査キットを使用します。そのキットを用いることでウイルスに対する抗体が検出されるのですが、抗体が確認できるようになるまでに約1か月かかるのです。子遺体が検出されて確認可能になるまでは、何度検査を行っても誤陰性の結果が出てしまいます。
感染している確率が高いときは、最初の検査から約1か月後に再検査することをお勧めします。

猫エイズの感染経路

猫エイズはどのような感染経路で感染するのでしょうか?感染経路を知ることで、感染予防につなげましょう!
またどのような症状が出たら猫エイズを疑うべきかも押さえておきましょう。

接触感染

猫エイズの感染経路は、主には二つになります。

接触感染とは、けんかや交尾などでどちらかの猫が猫エイズに感染していた場合、血液や体液を通して感染することです。
飼い猫ではない猫とけんかをしてしまった場合、心配な時は検査をしましょう。また交配を考えてえいるという方は、十分に気を付けましょう。

垂直感染

垂直感染とは、母猫が猫エイズに感染していた場合、胎盤を通して子猫も猫エイズに感染してしまうことです。妊娠中の母子感染は、あまり高い確率ではありませんが子猫の発達停止や流産や、最悪の場合は死産に繋がることもあります。
感染経路は人間のエイズとほとんど同じです。知っておきたいのは、猫エイズは人間に感染しないという事と、猫同士でも激しい喧嘩や交配などが行われない限りは感染しないということです。

猫エイズの症状について

猫エイズには、いくつかの段階があります。その段階に応じて症状も異なるので、段階に応じたっ症状を見ていきましょう。

1.急性期

急性期はすべての猫に現れる症状ではないようですが、一般的には体に入って猫エイズのウイルスと体内の免疫機能が戦うので感染から約1か月後に症状が現れます。
症状そのものは風邪とよく似ていて、発熱や下痢、リンパ腺の腫れなどが見られます。
症状そのものはあまり重度ではなく、1か月から1年ほど続きます。

2.無症状キャリア期

猫エイズが白血球の中に入り込んで、今まであった風邪のような症状がいったん収まる状態です。
症状が治まってきたので完治したと思う方もいるかもしれませんが、完治はしていません。症状が出ていないだけで、体内では猫エイズのウイルスが静かに白血球を壊しているためゆっくりと猫自身の免疫力が低下していきます。
一般的には4~5年はこの「無症状キャリア期」という期間になりますが、中には10年以上を無症状キャリア期で過ごす猫もいます。

3.エイズ発症期

無症状キャリア期が終了すると、エイズ発症期に入ります。エイズ発症期に入るとエイズを発症し、リンパ球が激減して劇的に病気にかかりやすくなります。
約半数の確率で口内になんらかのトラブルが発生します。口内炎や歯周病、口臭よだれなどが現れます。普段生活しているだけでは害のない細菌にも感染したり、皮膚炎や長引く風邪、嘔吐下痢や体重減少も見られるようになってきます。
病状が進行すると、肺炎やがんなどを発症していろいろな病気を併発してしまう可能性があります。

猫エイズの治療法

まず最初に心得ておきたいことは、猫エイズは残念ながら完治が極めて困難な病気であるということです。
投薬治療やがんの摘出などの外科的手術を行っても、完治はできない病気です。感染してしまった猫にしてあげられることは何なのでしょうか?

対処療法

猫エイズそのものに効果的な特効薬は、残念ながら現時点では存在しません。
しかし猫エイズによって引き起こされた症状に対するお薬は、たくさんあります。
口内炎などの治療薬や、免疫補助を行うお薬、貧血になれば輸血を行うなどの処置を行ってあげることは可能です。

猫エイズにならないためのワクチンが存在していました

猫エイズのワクチンは、人間で例えるところのインフルエンザのワクチンと同じです。
ということは、弱い菌を体内に入れるという行為なので感染の可能性が0ではありません。実際にワクチンの接種で感染して発症してということもあります。
繊維肉腫の発症や地域での猫ウイルスの方の違いなどの理由で、現在はワクチンの販売は停止されています。

感染しないよう気を付けてあげましょう

猫エイズの感染予防は、飼い主が気を付けてあげる事しかありません。複数で猫を飼育している場合は、感染している猫がけんかなどを起こさないよう配慮してあげる必要があります。
しかし猫エイズのウイルスそのものはとても弱いため、無症状キャリア期でのお皿や水の共有ではめったに発症することはありません。
発症しないためにはお皿なども別にしてしまうということもあると思いますが、猫同士のコミュニケーションもあるので様子を見ながらかかわりを見守りましょう!

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