はじめに
犬は草花を食べることがあります。犬や猫は体を舐めて体をきれいにする習慣があり、本能的に草を食べて胃を刺激し、飲み込んだ毛や毒素を吐き出し胃を守ろうとします。
本能で食べると危険な植物を嗅ぎ分ける力があるといわれていますが、毒性のある植物は思っている以上にたくさんあります。知っておくことに越したことはありません。
ここでは犬にとって有害な植物を紹介したいと思います。
犬にとって危険な有毒な植物
■ディフェンバキア
サトイモ科に属する熱帯植物の一種。葉が美しく人気のある観葉植物ですが、細胞にシュウ酸カルシウムが含まれており、ディフェンバキアの葉を噛むことでよだれや火傷したような口の炎症などを起こすことがあります。ひどいときには腎臓障害を発症することもあります。
■オックスアイ・デイジー(フランス菊)
通称ドッグデイジーとも呼ばれている野草です。道路の脇や空き地などあちこちに自生しています。花はマーガレットによく似ていますが、葉の形状が違います。口にすると嘔吐や下痢、皮膚炎、また肝臓障害を起こすことがあります。
■ニンニク
私たちにとって健康に良いとされているニンニクですが、犬にとっては有毒です。ニンニクにも犬にとって危険な食べ物として知られている玉ねぎに含まれるアリルプロピルジスルファイドが少量含まれるため大量に与えると、血液中の赤血球が壊れ、浴血症貧血を起こし、重症になると死に至ることもあります。
■アロエ
アロエに含まれるサポニンが犬にとって有毒で、口にすると嘔吐や下痢の症状が見られ、胃炎を起こすこともあります。重症になると腎炎などの症状がでて血色素尿が出ることもあります。
■アジサイ
色とりどりの花で私たちの目を楽しませ、和菓子などの題材にもなる美しいアジサイですが、葉や蕾に含まれる青酸配糖体が犬に害を与えます。摂取すると呼吸困難、興奮、ふらつき歩行、痙攣、麻痺などの症状が見られ、死に至ることもあります。
■ジェードプラント(カゲツ)
通称「金の成る木」と呼ばれている南アフリカ原産の多肉植物。園芸で人気があります。ジェードプラントを口にすると、嘔吐などの症状が見られます。
■スパティフィラム、カラー
白い花と緑色の葉のコントラストが美しい観葉植物のスパティフィラムやカラーも犬にとっては危険な植物です。摂取するとよだれ、嘔吐、口内炎、舌炎、皮膚炎などの症状が見られます。
ユリ科の植物は球根に毒分があり、犬、特に猫にとっては猛毒となることもあり注意が必要です。
■アザレア
ツツジ科ツツジ属に分類されているツツジです。園芸用植物として人気ですが、すべての部位、特に葉が有害だと言われています。嘔吐、下痢、視力障害、筋力低下、痙攣などの症状が見られ、重症になると死に至ることもあります。
■ミント
ミントは犬にも口臭予防や胃腸の調子を整えるのによいと言われていますが、濃度の濃いミントオイルなどを多量に摂取すると嘔吐や下痢、肝臓障害を起こすことがあるので注意が必要です。