足裏の毛をそのままにすると関節を傷めてしまうかも
犬の毛は、体だけでなく足の裏にも生えています。普段あまり見ることのない部分だからこそ、伸びていても気がつかない飼い主さんは多いのではないでしょうか。
もちろん個体差があり、密集して生えている犬もいれば、まったく生えていない犬もいます。
足裏の毛がたくさん生えている犬は、フローリングですべって関節を傷めたり、その拍子に脱臼したりする可能性があります。それを防ぐためにも、足裏の毛は定期的にカットしてあげることが大切です。
トイプードルやマルチーズなど全身カットが必要な犬種なら、トリミングのときに足の裏もカットしてもらえます。でも、ダックスやチワワなど定期的なカットが必要ない犬種は、気がついた時にはすでに足の裏の毛がボーボーなんてことがよくあります。
でも、足裏のカットだけのためにサロンに連れていくのは大変ですよね。それなら、バリカンを使って自宅カットに挑戦してみましょう。
バリカンはコツさえ分かれば誰でも簡単に使うことができます。
ペット用バリカンを購入するときの選び方
ペット用のバリカンは、ペットショップやネット通販で手に入れることができます。
足の裏をカットするためのバリカンは、基本的には何を使っても構いませんが、チワワなど足の小さい犬には大きすぎることもあります。全身をカットする予定がなければ、部分カット用と書かれたバリカンを購入しましょう。
足裏の毛をカットするときは、いちばん短い1mmの刃を使います。家庭用ペットバリカンでは、本体と1mmの刃がセットになっていて、それにアタッチメントを取り付けることで長さを調節するものが多いです。
ちなみにアタッチメントを使えば、全身の毛をカットすることもできます。
カットする前にバリカンの構造を学びましょう
バリカンは、上下2枚に重ねた刃を左右に動かして毛を刈ります。この構造のおかげで一度にたくさんの毛を刈りとることができ、長さもそろいやすくなります。
しかし、進行方向の毛を巻き込みながら刈っていくので、刃を立てたときに肉球を傷つけてしまうことがあります。そのため、バリカンを使うときは皮ふと平行に動かすことを意識しましょう。
足裏バリカンのかけ方やコツ
■足の裏を綺麗にする
バリカンをかける前に、犬の足の裏についている汚れやほこりを取り除きます。また小石などがはさまっていないかなどもチェックします。作業中、小石に刃が当たって切れ味が落ちたり、きれいに刈れなかったりするからです。
すごく汚れている場合はシャンプーで足の裏を洗っておきましょう。
■寝かせてリラックスさせる
足裏のカットは、犬を寝かせてリラックスさせた状態で作業するとやりやすいでしょう。また、初めて聴くバリカンの音に怖がって警戒する犬もいます。
その場合はしばらくバリカンの音だけ聴かせ、柄の部分を使って様子を見ながらマッサージをしてあげましょう。刃が当たると危ないので注意してください。カバーをしておくと安心です。
これは警戒心を解くためにすることなので、逆に怖がるなら無理にしなくても大丈夫です。どうしても怖がるようなら日を改めて再チャレンジしましょう。
■背中側に座って毛を刈る
まずは寝ている犬の背中側に座りましょう。犬の足をしっかりと持ったら、いよいよ足裏にバリカンをかけていきます。
犬の足の裏には、4つの小さい肉球と、その下の大きい肉球、合わせて5つの肉球があります。バリカンで足の裏を刈るときは、必ず小さい肉球から大きい肉球の方向に向かって刈っていきます。
そして、大きい肉球には衝撃を吸収する役割があり、他の肉球よりもぷっくりとしています。そのため、バリカンを平行に動かすことができません。
大きい肉球にぶつかる部分は、手首を上手く使って力を逃がすように刈りましょう。刃の端を使うと細かい部分も綺麗に刈ることができます。
また、表面の毛がスッキリするだけで滑らなくなるので、足の中まで刈る必要はありません。
バリカンを使うときの注意点
■乾いた毛に使用する
バリカンは濡れた毛に使うと、たちまち刈れなくなってしまいます。足の裏が濡れている場合は、ドライヤーを使って毛を完全に乾かしましょう。
シャンプー後の水分はもちろん、足の裏の汗にも注意してください。
■使用後は毛を払い油をさしておく
使ったあとの刃をそのままにしておくと、錆びて使えなくなります。使用後は付属のブラシで毛を払い、油をさすなど、メンテナンスも忘れずにしておきましょう。
■足の裏がもつれていたら無理に刈らない
たまに足の裏の毛がもつれることがあります。その場合、バリカンをかけようとしてもスムーズに入りません。無理に刈ろうとしてケガをさせてしまうこともあります。手でほどけないほどガッチリと固まっている毛玉はプロに任せておきましょう。
足裏バリカンのポイントまとめ
足裏バリカンのポイントをまとめます。
①バリカンは皮ふと平行に動かす
②肉球にぶつかる部分は手首を使って流す
③怖がりな犬は音や振動に慣らしておく
④濡れた毛に使わない
➄毛玉はプロにまかせる
初めてバリカンを使う飼い主さんは、ウィーンという音にびっくりしてしまうかもしれません。でも、刃を立てなければケガをさせることはないので安心してください。
また、足の裏にできたイボやできものを刈ってしまわないよう事前に状態を確認することも大事です。そして、怖がりな愛犬には時間をかけて慣れさせてあげてくださいね。