犬、猫の保護シェルターのボランティアってどんなことするの?

犬、猫の保護シェルターのボランティアってどんなことするの?

アニマルシェルターのボランティアっていうと、どんなものを想像するでしょうか。暗くて悲壮なイメージですか? ボランティアには興味があっても、なんと無く雰囲気が分からなくて不安になることもありますよね。


アニマルシェルターでのボランティアはどんなことをするのか

アニマルシェルターとは

動物保護施設の元職員が、気になる実態と、ボランティアを募集しているシェルターをご案内します。

アニマルシェルターとは、行き場を失った犬や猫などの動物たちを保護する民間の施設のことです。

日本では行政の施設により一年に10万頭を超える犬猫が殺処分されています。

飼い主を失ったペットや、動物愛護センターや保健所で殺処分寸前の動物たちを保護し、新しい里親さんを探す活動をしていることがほとんどです。

また、人と動物の共生のために様々な活動を並行して行っています。

ボランティアは常に歓迎されている

どの団体も人手はいくらあっても不足していてる状況です。

一頭でも多くの動物を救いたい、保護している間に少しでもよい環境で過ごさせてあげたい、とその両立をさせるには、人手が必要になります。

シェルターに収容される動物たちは、人間不信になっている子や病気の子もいますので、どうしてもスタッフはそちらの子達のケアに時間をかけることになってしまいます。

そのため、たとえ短時間であっても、ボランティアに参加する人が多ければ多いほど、動物たちにストレス少なく過ごさせることができます。

犬や猫を飼ったことがなくても出来ることはたくさんあります。

シェルターボランティアの作業内容

各施設によって多少の違いはありますが、シェルターでのボランティアの主な作業は、動物の世話になります。

ただ、その対象が数十頭になると、一頭一頭に思ったよりも十分な時間をかけることができず、ちょっとジレンマになるかもしれません。

■犬舎、猫舎、ケージの清掃

不衛生な環境は病気の蔓延にも繋がりますので、掃除はシェルターのとても重要な仕事の一つになります。

各シェルターの方針にもよりますが、健康状態やワクチンの接種状況、不妊去勢手術がされているかなどにより、広めの部屋に相性が合う子たちが同居している場合や、ケージの中で個別に飼育されている場合があります。

そのため、ご家庭での様に、ペットのトイレ掃除をしたら終了、というわけにはいきません。

ボランティアの参加人数や、施設の収容状況にもよりますが、一人で何個ものケージやトイレを掃除するため、結構体力がいる仕事にはなります。

作業中には排泄物などの観察を通し、異変に気がついてあげることも大切です。

■犬の散歩

犬好きなら、これが一番楽しい仕事かもしれません。

何しろ頭数が多いので、スタッフだけでは十分に散歩させてあげられません。
ボランティアの参加しがいがある仕事です。
たくさん運動はもちろん、里親さんを見つけるためには社会性を身に付け、人とのふれあいうこともとても大切です。

また、ドッグトレーナーの資格があれば、是非申し出ましょう。

■猫の爪切り、トリミング、またはその補助

基本的に猫は被毛のトリミングが不要なのですが、シェルターにやってくる猫たちは、外で放浪していた期間などがあるために、特に長毛の猫は毛玉だらけで収容されることも多いです。

猫のトリミングは性格によっては大変難しいので、動物看護師やトリマーの経験があれば、トリミングやその際の保定の手伝いもする機会があるかもしれないです。

■犬のシャンプーやトリミング、爪切り、またはその補助

トリマーであっても、トリミングの仕事ばかりを任されるわけでは無く、掃除や散歩などその時の作業状況によって仕事内容は変わりますが、トリマーさんの参加は大変喜ばれるでしょう。

■遊び相手

特にお散歩をしない猫のストレス軽減のための遊び相手はボランティアさん頼みになりがちです。

沢山遊んであげたり、ブラッシングをすることは、ほとんどボランティアさんの仕事になるでしょう。

■給餌の補助

給餌自体は動物たちの健康状態を把握しているスタッフがやるところがほとんどだと思いますが、給餌の時間にも、スタッフの補助や食餌後の後片付けなど、仕事が沢山あります。

■洗濯、大工仕事、事務作業など

その他、直接動物の世話をする以外の作業も沢山あります。

収容動物が使用する毛布など、沢山の洗濯物が出るので、洗濯仕事、チラシ作りなどの事務作業の他、犬舎や猫舎の設営や修理などの大工仕事なども、お金をかけられないのでボランティアさんと協力して進められて行くことが多いです。

ボランティアに参加する上での心構えと注意したいこと

長期参加が歓迎される

シェルター側は出来るだけ慣れているボランティアさんに長く続けてもらいたいと考えています。

短期間での参加を希望する場合は、受け付けているかどうかを事前に募集要項で確認しましょう。

もしも短期間の休み中だけの参加予定である時や、すぐに参加が出来なくなる予定がある際などは、参加が可能な期間を申し込みの際に伝えておきましょう。

触れ合い目的はNG

飼うことが出来ないから、ボランティアに参加して犬や猫と触れ合いたい、これから飼うからお世話を体験してみたい、という考えだと続きません。

もしも触れ合いたいだけであれば、保護猫カフェや保護犬カフェなど、会いに行ったりカフェでお茶をすることだけでもボランティアになる場所を利用することをお勧めします。

ボランティアとはいっても、命ある生き物が相手の作業です。
気軽に遊びに行くのとは違いますので、責任感を持って申し込みましょう。

活動内容に共感することが大切

HPなどで活動内容は紹介されています。
その団体の理念などに共感して参加しないと、いくら動物のためとはいっても参加中につらい気持ちになるかもしれません。

情報をしっかり集めて、そこの活動に協力をしたいと思えた所で参加を検討しましょう。

頑張り過ぎない

シェルターにいる動物たちを見ていると、もっと、あれもこれもしてあげたい、という気持ちになってしまいます。

ですが、頑張り過ぎて無理をすると、体力や精神的な負担になってしまって、結局参加が続かなくなってしまうことがあります。

支援や寄付で運営していることを意識する

シェルターにある物資やフードは、支援者の方が送ってくださった物資や、寄付してくださったお金で物で賄われています。

物資を大切に使うことを意識することは重要です。

犬猫のシェルターボランティアを募集する団体

施設内でのボランティアを募集している保護団体です。

シェルターによって、募集している作業内容や応募条件などが異なります。
申し込みの際は、各シェルターのHPの募集要項をよくお読みください。

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