猫年齢と人年齢の比較
猫は最初の数ヶ月で急速に成長し、その後緩やかに歳をとっていきます。
猫の寿命は年々伸びていて、家で飼われる猫の平均寿命は15年程度ですが、人と同じく猫も高齢化が進み、20歳近くまで長生きする猫も珍しく無くなってきました。
獣医師広報板の「犬・猫と人間の年齢換算表」から一部抜粋すると、猫の年齢を人の年齢に置き換えると目安として以下のようになります。
猫:1ヶ月 人:1歳
猫:2ヶ月 人:3歳
猫:3ヶ月 人:5歳
猫:6ヶ月 人:9歳
猫:1歳 人:17歳
猫:2歳 人:23歳
猫:5歳 人:36歳
猫:7歳 人:44歳
猫:10歳 人:56歳
猫:13歳 人:68歳
猫:15歳 人:76歳
猫:17歳 人:84歳
猫:20歳 人:96歳
人と猫は別の生き物なので、単純に「人なら何歳」と変換することはできません。
あくまで大まかな参考程度に考えましょう。
猫の年齢別・特徴や迎える際のポイント
■生まれたて〜2週齢
生まれたて:70g〜100gくらい
2週齢:250g〜300gくらい
この時期で里親を募集していることはあまり無いですが、とても手がかかりデリケートな時期のため、保護してしまった人がケアができずに飼い主を探すこともあります。
生まれたてはまだ目が開いておらず、耳も聞こえませんが匂いは感知します。
まだ体温調整もできません。
10日目前後で目が開き、耳も聞こえるようになってきています。
本来は母猫にくっついて離れない時期です。
2週齢くらいまではミルクを飲む以外はほとんど寝ていますので、保温しながらひたすらミルクをあげて、排泄をさせるケアを24時間行います。
ミルクは欲しがるだけ十分に与えます。
とても大変ですが、過ぎてしまえばあっという間です。
この間本人が自宅にほとんどずっといられ、また乳飲み子の飼育経験が豊富な場合のみ検討しましょう。
■3週齢〜1.5ヶ月齢
3週齢:300g〜400gくらい
1.5ヶ月齢:600g〜750gくらい
離乳期、そして社会化期に入ります。
3週齢くらいで歯が生え始め、子猫同士で遊んだり、グルーミングを開始します。
排泄も自分でできるようになってきて、歯がしっかり見えてきたら離乳食を開始していきます。
食餌回数は1日4回から3回くらいにしていきます。
まだ急速な成長期のため、大変食欲旺盛です。
社会化期に入りますので、この頃に人間に接触していると人間を怖がりません。
他の動物に対しても同様です。
逆に1.5ヶ月齢くらいまでに人間との接触がなければ、人間を怖がるようになります。
この時期は猫にとって短くて重要な社会化期のため、子猫同士で遊べる環境で過ごすのが望ましいです。
1ヶ月齢を超えるとカリカリも食べられるくらいになりますが、まだ離乳しない猫もいます。
1.5ヶ月齢くらいで目の色もキトンブルーから変わり、かなり活発になります。
3週齢から4週齢くらいは子猫のかわいいピークですが、里親として譲り受ける場合には、子猫の飼育経験が豊富な場合を除き、早くても1〜1.5ヶ月齢を超えて完全に離乳してからがいいでしょう。
さらに、兄弟姉妹がいるならば2頭以上で一緒に引き取るのが理想的です。
母猫の移行抗体が切れる頃ですので、感染症に注意が必要な時期になります。
通常は初回ワクチンは2ヶ月齢で行うことが多いですが、1ヶ月齢で1回目のワクチン接種を行うこともあります。
1ヶ月齢を超えてもまだ小さく、体調も崩しやすい時期です。
落下事故なども起こりやすいので留守番は3〜4時間までに、また目を離すときはケージを用意しましょう。
■2ヶ月齢〜3ヶ月齢
2ヶ月齢:800g〜1kgくらい
3ヶ月齢:1kg〜1.5kgくらい
2ヶ月齢までには遅い子も完全に離乳し、離乳食から子猫用フードに変えます。
2ヶ月齢になったらワクチン接種を受け、更に3ヶ月齢を超えた時期に再度接種します。
その後は1年に1度接種を行うのが望ましいです。
子猫を迎えるならば3ヶ月齢くらいが最もよい時期でしょう。
里親募集も2〜3ヶ月齢くらいで行うことが多いです。
人間でいえばまだ小学生未満です。
遊び盛りに入り、周りのもの何にでも興味を持ち活発に遊ぶので事故の危険も増えます。
体調面でもまだ不安定さが残り、感染症も注意が必要です。
長時間の留守番は控え、日中に誰か家にいる状態で迎えましょう。
留守番の時はケージか、目を離しても事故の危険のない部屋を用意しましょう。
■4ヶ月齢〜6ヶ月齢
4ヶ月齢:1.5kg〜2kgくらい
6ヶ月齢:2.5kg〜3kgくらい
遊び盛りです。
体調が安定してきますし、体つきもしっかりしてきますがまだまだ子猫です。
遊びレベルも体調レベルも小学生といったところです。
まだ環境の変化にも対応しやすいため、子猫を迎えるのが初めてならばこの時期が迎えやすいでしょう。
ある程度の留守番にも耐えられますが、留守番が多い場合は仲のよい2頭で迎えるのが望ましいです。
体は大きくなってくる分遊び方もかなり激しくなり、家の中をしっかり片付けないと危険です。
ただし、長時間ケージで留守番できる大きさではありません。
活発ですが体つきは成長途中のため、落下事故が起きやすい時期でもあります。
家の中を子猫仕様に十分に準備することが大切です。
乳歯から永久歯に生え変わる時期のため、噛み癖が出ます。
■6ヶ月齢〜1歳
1歳:3.5〜5kgくらい
成長速度は緩やかになり、1歳になる頃には概ね体格が出来上がり、成猫の大きさになります。
1歳頃に子猫用から成猫用のフードに切り替えます。
子猫のつもりで食餌を与えすぎると肥満になりますので気をつけましょう。
6ヶ月齢くらいで早いメスは発情をします。
この時期に不妊去勢手術がまだならば受けさせます。
不妊去勢手術をしないと発情期はメスもオスも外に出たがり、外に出るとオスは何日か帰ってこないことが出てきます。
大きさは成猫とほとんど変わらなくてもまだまだ遊び盛りで、特に不妊去勢手術をしたら気持ちは完全に子猫です。
人間だと面倒臭い思春期ですが、猫なのでかわいいだけです。
お留守番時間が長いけれど子猫がよいという場合や、ある程度性格がわかる子猫がよいという場合には、完全な子猫では無く、この時期の猫がお勧めです。
■1歳〜3歳
3.5kg〜6kgくらい
1歳を超えても成長をしていた猫種も完全に体格が出来上がります。
健康面でも安定し、迎えるのには安心の大きさです。
人間でいうと10代後半から20代くらい。
活発な若い猫、という感じの、まだまだおもちゃで釣れる年頃で、猫的には気持ちは子猫のようです。
お留守番時間が長いため成猫がいいけれど、長く一緒にいたいし、子猫心を残した若い猫がいい、という場合にはこのくらいの時期がいいでしょう。
成猫になるにつれ環境の変化の適応に時間がかかるようになるので、時間をかけて家に慣れてもらうつもりで迎えましょう。
■3歳〜6歳
猫盛りです。
毛ツヤもよく、そしてまだよく遊びます。
5歳くらいになると貫禄も出てきて、猫としてとても魅力的に見えます。
一緒に遊びたいけれど子猫は元気すぎるし、かといって年寄りはちょっと・・・という場合はこのくらいの年齢がよいでしょう。
■6歳〜8歳
貫禄世代です。
肥満に注意が必要。
落ち着きが出てきて、自分からはあまり遊ばなくなってきても、遊びに誘えば食いつきます。
積極的に運動をさせましょう。
子猫の遊び相手は難しいので落ち着いた成猫がいいという場合はこのくらいの年齢で迎えるのがいいでしょう。
7歳を超えると猫は高齢の部類に入ります。
シニア用のフードに切り替えていく時期です。
室内飼育の猫だと7歳くらいでも見た目はまだあまり変化が無いことが多いですが、健康管理には若い頃よりも気を使っていきましょう。