【お手入れ】犬の耳そうじのやり方をトリマーが分かりやすく解説します

【お手入れ】犬の耳そうじのやり方をトリマーが分かりやすく解説します

犬の耳のトラブルはどんな犬にも起こりうる身近な病気です。普段から耳の中をチェックし、必要なら耳そうじをして耳の中を清潔に保ちましょう。今回は、飼い主さんが自宅でする耳そうじのやり方を分かりやすく解説します。


犬の耳のトラブルは自宅ケアで予防できます

犬の耳の中が臭う、犬が耳をかゆがる。それは病気のサインです。でも、そうなる前の自宅ケアで、耳のトラブルを防ぐことができるんですよ。愛犬を耳の病気にさせないために、飼い主さんが自宅でする耳そうじのやり方をご紹介します。

まずは犬の耳の中を観察してみましょう

犬の耳そうじをする前に、犬の耳の状態をチェックします。

全く汚れていない耳

犬の耳をめくって中を見た時に、全く汚れがない場合は耳そうじをする必要がありません。逆に耳そうじが原因でトラブルがおこることもあります。さわらずにそっとしておきましょう。

茶褐色で湿った耳あか

マラセチアが繁殖している可能性があります。マラセチアとは、もともと犬の皮ふに存在しているカビの一種のことで、皮脂や湿度などで条件が整ったときに増殖し、外耳炎をおこすことがあります。

犬の耳の中はとくに皮脂の分泌が多い部分ですし、たれ耳は湿度が高くなりやすいので、マラセチアにとって増殖しやすい環境が整っています。

マラセチアの増殖を防ぐためには、こまめな耳そうじで耳の中を清潔に保つことが大切です。また、湿度を好むので、除湿機を使って部屋の湿気をコントロールすると良いでしょう。

ただし、耳をさわって痛がるようなら、すぐに動物病院で診察を受けましょう。外耳炎をおこしている可能性があります。

真っ黒な耳あか

ミミダニがいる可能性があります。ミミダニとは、ミミヒゼンダニの略称で、血液を吸って生活する寄生虫のことです。真っ黒でボロボロと崩れるような耳あかが特徴で、ミミダニに寄生されると犬はとても痒がります。

目を凝らして耳あかを見ると、もぞもぞと動く小さな虫がいるのが分かります。そして、ミミダニは他の動物にも移りますので、とれた耳あかは袋にいれて密封してから処分しましょう。

また、この場合も自宅での耳そうじはせずに動物病院で診察をうけてください。

犬用耳そうじの道具を用意しましょう

さて、ここからは自宅でする耳そうじに必要な道具をご紹介します。耳毛が生えている犬種は4種類すべての道具を、耳毛が生えていない犬種はイヤークリーナーと綿棒だけで構いません。

イヤークリーナー

イヤークリーナーは、動物病院やペットショップ、ホームセンターなど、どこにでも置いてあります。基本的にイヤークリーナと書かれているものなら何を使っても構いません。

ただ、中には刺激が強い成分を使っている商品もあります。とくに肌がデリケートな犬の場合は低刺激のものを選びましょう。何を買えばいいかわからないという人は、動物病院でアルコールの入っていないイヤークリーナーを購入すれば安心です。

鉗子(かんし)

鉗子は、刃のないハサミのような形をした手術器具です。医療現場では血管をはさんで出血を止めることによく使われます。犬のお手入れに使う鉗子は、はさむ部分がつるつるではなくギザギザになっているものを選びましょう。大型ペットショップで手に入れることができます。

綿棒

ペット用に柄が長く作られた綿棒があります。ペットショップやホームセンターで手に入れることができます。また、鉗子で化粧用のコットンをはさみ、それを巻き付けたもので代用しても構いません。このとき、鉗子の先で耳の中を傷つけるおそれがあるので、先端は必ずコットンで覆われている状態にして下さいね。

イヤーパウダー

イヤーパウダーは犬の耳毛を抜くときに滑り止めとして使います。そのまま抜くよりも抜きやすくなるため、お手入れの時間が短縮できる他、抜いたときの痛みを少なくできます。

犬の耳そうじのやり方

次に、耳そうじのやり方について、手順を追って説明していきます。

耳毛を抜く

全身のトリミングが必要な犬種は必ず耳毛が生えています。具体的に言うと、トイプードルやシュナウザー、シーズーやヨークシャーテリアなどが当てはまります。

逆にダックスフント、チワワ、柴犬、ポメラニアン、シェットランドシープドッグ、またはパグなどの短毛種は抜く必要がありません。

犬種や個体によって耳毛の密度は違いますが、多すぎると耳の中が蒸れて汚れやすくなります。まずは耳毛抜きから始めましょう。

イヤーパウダーを手のひらに適量とり、犬の耳の表面に指で少量ずつのせていきます。ボトルを傾けて耳の中に出そうとすると噴出し、粉だらけになるのでやめましょう。

耳の表面は指をつかって耳毛を優しく取り除きます。目安は犬の耳をめくったときに折れ曲がる内側の部分まで。このとき、爪は短く切っておきましょう。

指で届かない耳の奥は、鉗子を使って取り除いていきます。鉗子は耳に対して垂直に入れ、少しずつ抜きます。また、鉗子は強い力で握るとロックされるので、皮ふをはさんでしまう危険性があります。

鉗子を使うなら、最初はにぎったりロックを外したりして道具の感覚に慣らしておくことをおすすめします。作業中に犬が動くようなら誰かにおさえてもらい、それでも難しいなら耳毛抜きはプロにまかせましょう。

耳の中にイヤークリーナーを入れる

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