犬に寄生するマダニとは?
一般家庭の室内に生息しているダニは「チリダニ」「ツメダニ」などがありますが、これら2つは吸血をしない種類です。それに対し、犬に寄生しやすいマダニは吸血するダニなのです。
家にいるチリダニなどは、人の目で見てもほとんど確認できないサイズですが、マダニは3~4ミリと大きなサイズなのが特徴で、犬の顔やお尻を好んで寄生するのが特徴。日本では寒さが厳しい地方以外ほとんどの場所に存在しており、特に気温が高くなる5~9月は寄生されやすい時期です。
犬がマダニに寄生されるとどうなるの?
犬がマダニに寄生されると、次のような症状が見られます。
■貧血
マダニは吸着するダニなので、寄生された犬はたくさんの血液を吸い取られてしまいます。その結果、貧血を引き起こすことがあり、体がふらついたり足取りがおぼつかなかったりといった症状が見られます。
特に体が小さな子が体験は重度の貧血になるケースがあり、マダニに寄生されているのを見つけたら早めの駆除を行いましょう。
■ダニ麻痺症
マダニの唾液中には毒性があるものもあり、マダニに寄生された部位から毒物が犬の体内に侵入することがあります。その毒物によって神経障害を引き起こし、弛緩性マヒの症状が現れます。
■バベシア症
バベシア症はマダニを介してバベシアという寄生虫が体内へ侵入し、血管の赤血球に寄生して増殖する症状。バベシアが寄生すると赤血球がどんどん破壊されていき、犬は貧血や発熱の症状が起こります。
他にも、舌や歯茎が健康的なピンクよりも白っぽくなるといった症状が見られますので、感染を起こしていないか早めに動物病院で検査を受けましょう。
特に症状が進むと、低体温が進んで昏睡やショック状態に陥るケースもあり、抵抗力の弱い子犬や老犬が感染すると、死に至るケースも少なくありません。
犬がマダニに寄生されていたらどうするべき?
犬がマダニに寄生されているのを発見したら、まずどの程度の時間が経っているのかを確認しましょう。血を吸う前のマダニは小さくスイカの種程度のサイズです。
しかし、吸血した状態のマダニはボールのように2~3倍の体積に膨らんでおり、無理やり飼い主が剥がすと口の器官が犬の皮膚に残ることも。そのため、噛み付かれて時間が経っているようだったら動物病院でマダニをとってもらうようにしましょう。
犬のマダニを自分で除去する方法は?
マダニに寄生されているのを見つけても、動物病院が休みだとすぐに治療を受けられないですよね。マダニから吸血される前であれば、飼い主がマダニを取り除くこともできますので、慎重に対処しましょう。
■ピンセットでとる
マダニが毛にくっついただけで、まだ皮膚に噛み付いていないときはピンセットで取り除くことができます。できるだけ先の細いピンセットを用意し、犬の毛をかき分けて慎重につまんで取りましょう。
このとき、マダニをつぶしてしまうとマダニの体内にいる寄生虫や血液が犬の皮膚について、かぶれやただれを引き起こす可能性も。力を入れてつぶさないよう、慎重に取り除いてください。
■酢やアルコールを使う
皮膚にかみついているマダニの場合は、酢やアルコールを使う方法がおすすめです。まずはアルコールや酢をティッシュに染み込ませ、それをマダニにかぶせます。しばらくすると、酢やアルコールの苦みによってマダニが苦しくなり、皮膚から口を離すのでそのタイミングを狙ってピンセットで取りましょう。
ピンセット以外にも、目が細かいノミ取り用のブラシを使って毛をとかすようにして、剥がす方法もおすすめです。
■犬からとったマダニはつぶさないで!
犬の体からとったマダニは、そのままにしておくと人に寄生したり再び愛犬にくっついたりすることがあります。そのため、できるだけ早く退治するのがおすすめですが、プチッと力を入れて潰すのはNGです。
潰されたマダニが卵をまき散らしてしまうことがあり、家の中にマダニが増殖する原因になるため、つぶさないで処理をしましょう。ガムテープで包むか、アルコールや酢を染み込ませたティッシュで包んでその上からラップを巻いて処分しましょう。
愛犬をマダニから守るには定期的な駆虫が大切!
マダニは草むらにも室内にも潜んでおり、飼い主が気づかないうちに愛犬に寄生していることがあります。それを防ぐには、あらかじめマダニが犬にくっつかないようダニ除けの液剤や、ノミとりシャンプーでケアしてあげるのが大切。
また、毎日ブラッシングをする際にダニやノミなどに寄生されていないか、皮膚が荒れていないかなどの異常を確認しましょう。
小さなマダニとはいえ、感染症を引き起こせば命を落とす危険性も。大切な愛犬を守るためにも、日頃からマダニの被害に合わないよう注意深く観察してあげてください。