骨のガン、犬の骨肉腫ってどんな病気?

骨のガン、犬の骨肉腫ってどんな病気?

骨肉腫という病気を知っているでしょうか?骨肉腫はいわば骨にできるガンです。また、進行がとても早く、放っておくとあっという間に手遅れになってしまいます。この記事では骨肉腫の症状や特徴について解説していますので、ぜひこの病気について知っておいてくださいね。


こんにちは、獣医師の明石照秋です。


今日は犬の骨肉腫について解説していきます。骨肉腫は骨のガンとも言われており、骨の一部分が異常に細胞増殖を始め、ガン化します。
えっ!?骨にもガンができるの!?と思う人も多いかもしれませんね。ガンは体のあらゆる部分に発生します。特に細胞分裂が盛んな臓器や組織はガンが発生する可能性が高いのです。


骨肉腫はガンの中でも致死率が高く、進行も早い病気です。さらに肺へ転移する可能性も高く、一度転移が見られるとすでに手遅れになっている場合が多いです。
骨肉腫を予防する具体的な方法は現在はっきりしていませんが、飼い主さんの努力によって早期発見をすることは可能です。
骨肉腫はどんな病気なのかを知っておき、愛犬の異常な行動などを見逃さないようにしましょう。

骨肉腫の特徴

前述したとおり、骨肉腫は骨のガンです。骨も他の組織と同様に、日々細胞分裂を行っています。その過程で異常な細胞分裂を行うガン細胞が出現すると、分裂に歯止めがかからなくなり、他の細胞も巻き込んで増え続けてしまうのですね。
骨肉腫が発生しやすい部位はある程度決まっています。犬の場合は足に発生しやすく、特に肘から遠い場所と、膝から近い場所が好発部位です。
この言い方だとピンとこないかもしれませんね。人で言うと、手首周辺や肩周辺、そして膝の周辺の骨に骨肉腫が発生しやすいです。
他にも下顎骨、下の顎の骨も骨肉腫の好発部位です。


骨肉腫は比較的大型犬に多い病気とされています。統計を取ってみても小型犬より大型犬のほうが発生率が高いことがわかっていますが、その理由や原因は明らかになっていません。
骨肉腫は進行が早いガンで、放っておくと発生から2ヶ月程度で死に至る可能性もあります。また、進行するほど肺へ転移する危険性が高まります。
肺へのガン転移は最も厄介な症状の一つで、それだけで予後が不良と診断されることも少なくありません。
他のガン同様、早期発見、早期治療が重要なのですね。

犬の骨肉腫の症状

骨肉腫は凄まじい痛みをおこします。歩くだけでも耐え難い痛みがあるので、骨肉腫が進行した犬は座りっぱなしになり、元気もなくなります。
初期の段階では歩けなくなるほどの痛みではありませんが、患肢(ガンがある足)をかばうように歩くので、ひょこひょこと普段とは異なる歩き方をすることが多いです。
また、骨肉腫は触ったり、目で確認することもできます。犬の足を触ってみて、一部分が腫れている、さらにそこを触られるのを嫌がる場合は骨肉腫である可能性があります。このような症状が見られたら早めに動物病院で診察を受けましょう。

犬の骨肉腫の治療

骨肉腫にはいくつかの治療法があります。しかし、多くの場合、再発や転移の可能性を考慮して断脚手術を行うケースが多いです。
幸い、犬や猫は3本足でも問題なく日常生活を送ることができますし、現在では歩行用の補助器具も一般的になってきています。全く歩けずに寝たきりに近い生活になることはまずないでしょう。
また、患部の状態によっては断脚を行わなくて済む場合もあります。


外科手術を行わずに抗ガン剤で治療していく場合もありますが、前述したように骨肉腫は激しい痛みをおこす病気です。痛みが原因で日常生活を送れなくなる場合もあります。
それならば断脚を行い、痛みの原因を取り除いてあげたほうが犬にとっても幸せなのではないか、という考え方が現在の主流です。
海外では骨肉腫に対して放射線治療を行い、十分な治療効果をあげているという報告もありますが、日本では設備の問題で放射線治療を行える施設は極わずかです。


残念ながら、骨肉腫は非常に致死率が高い病気です。また、肺への転移も容易に起こるため、早期に発見しても回復が見込めないケースも多々あります。
それでも初期段階で治療を行うことにより、少しでも完治の可能性を上げることができますし、犬のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を維持することにもつながります。

犬の骨肉腫の予防

骨肉腫に対しての有効な予防法はあまり明らかになっていません。また、骨肉腫は発生してから歩かずに放置すると、どんどん悪化していくと考えられています。普通の怪我とは正反対ですね。
骨肉腫は大型犬に発生しやすいと考えられているので、大型犬を飼っている場合はより気をつけて観察してあげる必要があります。
日頃から足をマッサージしてあげるなど、スキンシップを増やすことで早期に骨肉腫を発見できることもあります。

まとめ

骨肉腫は他のガンに比べて症状が出やすいため、発見しやすいガンと言えるかもしれません。しかし、その分進行はとても早く、手遅れになるまでの期間もとても短いです。
普段と歩き方が違う、散歩に行きたがらないなどの症状が見られたときは、骨肉腫に限らず何らかの病気のサインかもしれません。
飼い主さんが少しの違和感に気づいてあげることが病気の早期発見に重要です。

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