犬のヒゲをカットするのはNG!?カットするときの注意点は?

犬のヒゲをカットするのはNG!?カットするときの注意点は?

猫のヒゲを切ったらダメという話はよく耳にしますよね。しかし、犬のヒゲについてはあまり話を聞くことがないため、切ってしまっても問題ないと思っている飼い主さんも多いです。実際のところ、犬のヒゲはカットしてもいいのでしょうか?


犬のヒゲはこんな役割がある!

猫のヒゲを切ってしまうと、平衡感覚がなくなって真っすぐ歩けなくなるという話は有名です。実は犬のヒゲも猫と同じく次のような大切な役割を担っているのです。

目を守っている

ぜひ愛犬のヒゲをちょんと触ってみてください。すると、触られたヒゲ側の目をつむろうとします。これはヒゲに何かが触れると犬は目を閉じる反射機能を持っているため。
長いヒゲで周囲の物を確認することで、目に何かがぶつかって傷つかないよう守る役割があるのです。

視界に入らないものを確認している

犬は鼻が前に長く伸びているので、どうしても口から下側の景色が見えません。そこで長いヒゲは、顎のあたりに何があるのかをいち早く察知する役割も持っています。ヒゲがあることで暗い部屋でも壁や家具などの障害物に気づくことができ、ぶつからずに移動できるのです。

また、食事の際に食べ物の存在を確認できるのも長いヒゲのおかげ。ヒゲを使って食べ物の位置を知ることで、口元が見えなくともスムーズに食べ物を口に運べているのです。

愛犬のヒゲを切ってはいけないの?

さまざまな機能を持っているヒゲですが、トリミングに行くと当たり前のようにヒゲカットのメニューがありますよね。実際のところ、犬のヒゲは猫よりも感覚器としての機能が弱いため、飼われている犬であればカットしてもそこまで影響はないのです。

トリミングでは飼い犬の生活に影響することはほぼないため、あえて愛犬の口元をすっきり可愛く見せるために、ヒゲごとカットするのが当たり前になっています。

ヒゲが生えていなくとも、顔周辺に物が近づいてきたら自然と目を閉じますし、食べ物は鼻先で確かめながら食事をすることが可能なのです。

高齢犬や目や耳がよくない愛犬はカットを控えよう

注意したいのが目や耳が不自由な愛犬の場合。
目が見えなかったり耳が聞こえなかったりする愛犬は、ヒゲの触覚を頼りに行動することが多くなっています。いわば不自由な目と耳の代わりにヒゲを使っているため、この場合はカットせず自然な状態で伸ばしてあげましょう。

特に高齢になって視力や聴力が下がってきたケースや、白内障が進んで周りが見えなくなった愛犬であれば、ヒゲのカットは控えておきトリミングの際も伸ばしたままにして欲しいと伝えてください。

愛犬のヒゲを上手にセルフカットする方法

愛犬の健康状態に問題がなければ、飼い主がヒゲをセルフカットしてあげることができます。それでは具体的なヒゲのカットのやり方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

①小さめのハサミを用意する


まず、カット用のハサミは通常の紙切りバサミよりも小ぶりの眉毛切りバサミがおすすめです。ヒゲのような細かい部分のカットは小さめのハサミを使うと小回りが利いて、きれいにカットできます。

ただしヒゲは意外と頑丈なので、ソーイングセットに入っているような小さすぎるハサミだとうまく切断できないことも。飼い主が使いやすい小ぶりのサイズのハサミを使用しましょう。

②愛犬を抱き込むような姿勢をとる

次に愛犬が暴れないように、後ろから抱き込むようにして固定しましょう。抑え込むと暴れてしまう場合は、一旦時間を置いてリラックスしている時をねらって挑戦してみてください。

また、どうしてもカットを嫌がる場合は無理に抑え付けず、トリマーなどプロにお願いして安全にカットしてもらってください。

③鼻先を軽くつかんで根元からカット

愛犬を抱き込んだ状態のまま、鼻先を軽く抑えつつヒゲをカットしていきましょう。このとき、周囲の毛をかき分けながら根元にハサミを置くときれいにカットできます。

ヒゲは複数本生えていますが、一度にまとめて切らず一本ずつ切っているのがコツ。ヒゲは固く頑丈なので、一本ずつ時間をかけてていねいにカットしていってください。

④眉毛の毛もカットする

口元のヒゲのカットが済んだら、そのまま眉毛もカットしてあげましょう。愛犬の目の上をよく確認すると、ヒゲと同じような太い毛が数本生えています。目にハサミがぶつからないよう注意しながら、口元のヒゲと同じく一本ずつカットしていってください。

このとき、根元の部分からしっかりカットしてあげると見た目もきれいに、長持ちしますよ。また、抱き込んだ姿勢のときに利き手側のヒゲからカットするとやりやすいです。

ちなみにヒゲを毛抜きで抜くのはNG。ヒゲは太く頑丈なので抜こうとすると愛犬が痛がってしまいます。必ずハサミを使ってきれいにカットしてあげてください。

愛犬のひげのケアまとめ


普段あまり注目することがない愛犬のヒゲですが、実は人にはない便利な機能が備わっていたのです。しかし、飼い犬であればヒゲがなくとも生活に支障はほとんどないため、飼い主の好みに合わせて短くカットしても問題ありません。カットの際は愛犬にケガをさせないよう細心の注意を払い、ていねいに切ってあげてください。

関連するキーワード


ひげ ケア トリミング

関連する投稿


可愛い!!犬のイメチェン☆ビフォーアフターをご覧ください☆

可愛い!!犬のイメチェン☆ビフォーアフターをご覧ください☆

ボサボサに伸びてた毛をカットしてイメージチェンジ!犬のビフォーアフターが可愛すぎますよ♡


【お手入れ】自宅でするシャンプーのやり方をトリマーが解説します

【お手入れ】自宅でするシャンプーのやり方をトリマーが解説します

犬の体をずっと洗わずに放置すると、皮脂が酸化して変な臭いを発したり、ノミやダニの温床と化してしまったりします。愛犬の健康を保つためにも1ヶ月に1回は洗ってあげましょう。今回は、自宅でするシャンプーのやり方を解説します。


【お手入れ】足裏バリカンのやり方とコツをトリマーが解説します

【お手入れ】足裏バリカンのやり方とコツをトリマーが解説します

犬の足裏の毛を伸ばしっぱなしで放置すると、フローリングですべって思わぬケガをする危険性があります。それを防ぐために、普段から愛犬の足の裏をチェックし、伸びすぎた毛は整えてあげましょう。今回は、自宅でペット用バリカンを使って足裏の毛をカットする方法を解説します。


ハムスターもケアが必要!体調管理と体のケア法をご紹介

ハムスターもケアが必要!体調管理と体のケア法をご紹介

ペット初心者でも飼いやすいと言われているハムスター。体の小ささや、寿命の短さから体のケアの必要性があまり知られていない気がします。他の動物と一緒でハムスターにもケアは必要なんです。少しでも長く過ごすために、体調管理の仕方やケアの仕方をご紹介します。


犬のくしゃみが止まらない!?くしゃみで疑われる病気と症状まとめ

犬のくしゃみが止まらない!?くしゃみで疑われる病気と症状まとめ

「ハプシュ!」人間だって犬だってくしゃみくらいしますよね。鼻に異物が入るとくしゃみをして異物を出そうとします。通常は1,2回くしゃみをすればスッキリ!でも、くしゃみが長く続いたり、発熱がある場合は注意が必要です。今回は「逆くしゃみ」と呼ばれる症状も含めて、くしゃみで疑われる病気と症状についてご紹介しします。


最新の投稿


絶対ダメ!!犬にアルコールを与えるリスク

絶対ダメ!!犬にアルコールを与えるリスク

人間にとって少量であれば健康にも良いとされるアルコールですが、犬にとってアルコールとはどんな作用があるのでしょうか。危険な犬とアルコールの関係を解説します。


愛犬に白髪が生えた!?知っておきたい犬の毛の退色とは?

愛犬に白髪が生えた!?知っておきたい犬の毛の退色とは?

人が年齢を重ねると黒髪が薄くなり、白髪が生えてきます。この現象は人ならではというイメージがありますが、実は愛犬にも白髪が生えてくることがあります。これを退色と言い、どんな犬でも加齢によって、白髪が増えていくのです。今回は、そんな愛犬の白髪(退色)について、くわしくご紹介します。


愛犬が自分の名前を覚えてくれない!しつけ方法のコツは?

愛犬が自分の名前を覚えてくれない!しつけ方法のコツは?

家族で愛犬を迎えた時に、まずどんな名前をつけようかと一生懸命名前を考えた人は多いのではないでしょうか?しかし、せっかく考えた名前で愛犬を呼んでも、それが自分のことだと認識できていないと悩む飼い主さんもいます。今回は、愛犬が名前を覚えてくれるしつけ方のコツをご紹介します。


犬猫以外のペットを飼う方必見!うちのペットは保険に入れるの?

犬猫以外のペットを飼う方必見!うちのペットは保険に入れるの?

熱帯魚、イグアナ、インコ、フェレットなどいろいろな動物を飼っている方がいるように、犬猫以外のペットを飼っている方はとても多いです。中でも魚類や鳥類は人気です。ただ犬猫以外のペットを飼っていると、ペット保険に入れるのか気になりますよね?この記事ではその疑問を解消していきます。


【困った!愛犬の吠え癖】落ち着きのコマンドを教えよう!

【困った!愛犬の吠え癖】落ち着きのコマンドを教えよう!

こんにちは。愛玩動物飼養管理士のヤナセです。 来客時や留守番、ゴハンや遊びの要求など、ワンワンと吠えはじめたら止まらない愛犬の吠え癖に、悩んでいませんか? 叱っても宥めても止まらない吠え癖には「落ち着きのコマンド」を上手に使って、愛犬の安心の暮らしを守りましょう。