ヨークシャーテリアの高級感ある容姿は今も多くの愛好家を生み出し続け、日本国内にもたくさんのヨークシャーテリアが飼育されています。今回は、そんなヨークシャーテリアをペットとして迎え入れたい方のために、特徴や性格について詳しくまとめてみました。
ヨークシャーテリアってどんな犬?
■ヨークシャーテリアの歴史
ヨークシャーテリアは、スカイ・テリアなどのテリア系とマルチーズなどの混血によって19世紀に誕生した犬種です。もともと、家を荒らしているネズミを捕まえる狩猟犬として登場した犬種でしたが、その美しい毛並みは当時の富裕層の貴婦人たちの心をつかみ、1800年代中頃には愛玩犬として飼われ始めました。
ちなみに、登場してしばらくは正式な犬種名は決まっておらず、1861年にイギリスのドックショーに出場した際は「ブロークンヘアード・スコッチ・テリア」との登録名になっています。その後、出身地であるヨークシャー地方にちなんで、「ヨークシャーテリア」と名付けられたのです。
■国内でも常にトップ10に入る人気の犬種
床までまっすぐに伸びる絹糸状の毛並みは高級感があり、セレブ犬としてのイメージを持たれる方が多いでしょう。実際、ショードッグとして飼われている個体が多いですが、愛玩犬として一般家庭で飼育される数は年々増加しています。
犬籍登録を行っているジャパンケンネルクラブのランキングでも、毎年トップ10に入っており、さまざまな家庭で飼育されている人気の犬種なのです。
ヨークシャーテリアの特徴
■成長によって色が変わる毛並み
ヨークシャーテリアの特徴は、何といっても毛並みの美しさが挙げられるでしょう。あの美しい青っぽいグレーの長毛は、ウォーターサイドテリアの血が強い影響を与えたと考えられており、別名「動く宝石」との異名を持つほど。
生後2~3か月ごろまでは被毛が全体的に黒いですが、3ヵ月を過ぎたころから頭部が少しずつ濃い砂色に変化していきます。独特の青っぽいグレー(スティール・ブルー)になるのは1歳を過ぎてからで、被毛が長くなると背骨のラインから左右に分かれて、まっすぐに垂れ下がるスタイルになります。
成犬になると頭部は黄褐色のタン、胴体はスティール・ブルーという美しいバランスが完成。
このような毛並みの変化を楽しめるのも、ヨークシャーテリアの大きな魅力と言えるでしょう。
■小型で長寿な犬種
ヨークシャーテリアは成犬でも2~3kgと非常に小型で、長寿な犬としても知られています。同じ小型犬のチワワよりも一回り大きい印象がありますが、長い被毛による錯覚で実際はほとんど違いがありません。また、寿命は14~16歳と犬の中でも長生きなのも特徴。人間で言えば70代前半から80代までと、長寿をまっとうする犬種が多いです。
ヨークシャーテリアはどんな性格をしているの?
■勇敢で負けん気が強い
ヨークシャーテリアは、美しい長毛の見た目から性格が大人しいイメージを持つ方が多いですが、狩猟犬だったことから意外と負けん気が強い気質を持ち合わせています。冒険をするのが大好きな性格なので、積極的に散歩へ連れ出してあげましょう。
ただし、人見知りもあまりしないので他の犬にも社交的に近づいていきますが、狩猟犬の気質によって、相手へ攻撃的になってしまう事もあるため注意が必要です。
■利口で忍耐力がある
もともと利口でしつけがしやすい犬種ですが、かしこい分飼い主が甘やかせば言うことを聞かない犬に育ってしまいます。そのため、飼い主を噛んだり留守中に部屋を荒らしてしまったりすることもしばしば。
無駄吠えが少ない犬種ですが、しつけを誤れば注意をしても知らない人に吠え続けることもあります。
しかし、利口で忍耐強い性格であることから、辛抱強くしつけをすれば飼い主の言うことを把握し、忠実に教えられたルールを守ってくれる犬種です。飼い始めの頃はむやみに甘やかさず、叱る必要がある場面ではきちんと注意をしましょう。
■自信家の一面も持っている
ヨークシャーテリアは成犬でも2~3kgと小型な犬種でありながら、その小さな体とは似つかわしくない自信家の一面を持っています。そのため、自分のテリトリーに侵入してきた部外者がいれば、たとえどんな大きな相手でも容赦しません。
怪しい足音や物音が来たら、飼い主に危険を知らせるために大きな声で吠え立てます。番犬としても優れた気質を持っており、良きパートナーとして飼い主や家族を守ってくれるでしょう。
まとめ
ヨークシャーテリアは長毛の見た目が美しく、性格はとても賢くて知性あふれる犬種です。
しかし、頭が切れる分きちんとしつけをしないと、自分勝手で言うことを聞かない犬に育ってしまう恐れも。そのため、ダメなことはダメという姿勢を崩さず、リーダーシップを発揮していれば飼い主にとても従順な犬になります。
基本的に人懐っこく愛嬌のある犬種なので、愛情を込めて育ててあげれば家族にとって欠かせない良きパートナーとなるでしょう。