猫の痛みの種類
■猫が痛みを感じるとき
人間は、体が傷ついたり炎症を起こしている時に痛みを感じ、異変が起きていることに気がつきます。
猫も人間とほぼ同じメカニズムで痛みを感じるとされています。
しかしながら猫は、敵に弱っているところを悟られないようにするため、本能的に痛みを隠そうとする傾向があります。
また、痛覚が人間よりも鈍いのか、人間よりも単に我慢強いのか、多少の痛みがあっても、ほとんど変わらずに生活を送ることができます。
そのため、飼い主が気がついて動物病院に連れて行くときには重症になってしまうこともあります。
でも、日常のちょっとした変化に気がつくことで、猫の痛みの発見につながることもあります。
最近ちょっと怒りっぽくなった、おもちゃの食いつきが悪い、いつものキャットタワーに登らなくなった、など、日頃から愛猫の様子をよく観察することで、微妙な変化に気がつき、痛みのサインを早期発見できる確率を上げることはできます。
■痛みの種類
痛みには、急性痛と慢性痛といわれるものがあります。
急性痛とは、急に痛くなり、治癒までの短期間で治る痛みのことを指し、3ヶ月以上と長く続く痛みを、慢性痛といいます。
急性痛は、その原因となるケガや病気が治れば消えるものですが、痛みのサインに気がつかずに適切な治療が遅れてしまうと、別の痛みを引き起こし、慢性痛に変わってしまうこともあります。
猫の痛みに対する緩和ケアとして、痛みの原因や種類によって鎮痛剤が処方されることもあります。
猫の痛みのサイン
猫が痛みを感じているときは、わずかでも猫の行動に変化が現れます。
痛みの度合いによって、明らかな場合やとてもよく観察しないと気がつかない場合があると思います。
いつもしていることをしない、いつもと違うことをするということがあれば、痛みを感じているサインかもしれません。
以下にあてはまることが無いか、日常生活の中で気にかけてあげましょう。
■食欲、排泄の変化
・食欲の減退
・食べ方の変化(舐めるばかり、頭を傾けて噛むなど)
・排泄の姿勢に異常がある(片足を上げるなど)
・排尿したくてもでない
・トイレの失敗が増えた
■行動の変化
・いつもよりおとなしい
・グルーミングをしなくなった
・特定の場所を執拗にグルーミングする
・いつも乗るところにジャンプをしなくなった
・うまく飛び降りられない
・歩き方の変化(片足を上げる、足を引きずるなど)
・隅っこや暗い場所に隠れる、引きこもる
・尻尾をパタパタと動かしている
・ひとりで唸っている
・眠りが浅い様子
・震える
■人に対する態度の変化
・触られるのを嫌がる
・攻撃的になった
・おもちゃで遊ばない
・猫じゃらしなどを振っても目で追わない
■体勢、姿勢の変化
・じっと四肢をたたんで座ってばかりいる
・頭を下げ、目は閉じ気味
・不自然な姿勢のままでいる
猫が痛みから解放されているサイン
上記の「痛みのサイン」は、痛みを感じている可能性がある指針になりますが、その行動は「痛み」が原因とは限りません。
ただし、どこか具合が悪い可能性は高いので、動物病院に相談に行く指標にはなります。
逆に、下記のような場合には、猫が痛みからある程度解放されていると判断できるでしょう。
■猫ストレッチをしている
筋肉を伸ばす猫ストレッチをしていたら、皮膚や筋肉を伸ばしても痛くない、と判断できます。
いつもの様に伸びーっとしているか、ちゃんと見ておきたいですね。
■食欲がある
食欲があるかどうかは、猫の体調の変化を見る時のとても大きな指標になります。
何かといえば食欲の落ちる猫なので、食欲減退の原因はもちろん痛みに限りませんが、食欲がもりもりあれば、「耐え難いほどの痛み」は感じていいないと考えて大丈夫でしょう。
ただし、猫は余程の痛みまでは表に出さず、食欲減退につながらないことも多いので、食欲があっても、その他のサインを見逃さない様にすることが大切です。
猫が痛みを感じているときのしぐさ
動物はどこが痛いのかを言葉で訴えることが出来ません。
行動やしぐさを観察して、愛猫の代わりに動物病院の獣医さんに伝えましょう。
■目が痛いときのしぐさ
まぶしそうに目を閉じたままにしているときは、目に痛みがある可能性があります。
また、異物感がある時は前足で目をしきりにこすったり、ウインクをします。
特に上記の様に目を痛そうにしていなくても、人に頭部を触れられるのを嫌がる場合には、目の痛みの可能性もあります。