人にとっては優れた食材
■成分のほとんどが脂肪と砂糖
チョコレートはカカオ豆を絞って残ったカカオマスとカカオバターを混ぜ合わせ、そこにミルクや砂糖を加えることで作られます。そのせいか、美味しい代わりに成分のほとんどが脂質と糖質で高カロリー。ですので、人にとっても食べすぎは肥満や生活習慣病の原因にもなりかねます。
■健康にいい成分も豊富
高カロリーなため敬遠しがちなチョコレートですが、実は健康を増進してくれる栄養成分も豊富に含まれています。たとえば、ブドウなどにも含まれている「ポリフェノール」は動脈硬化やがんなどの生活習慣病を防いでくれる高酸化作用があることで有名。食物繊維やビタミン、亜鉛、カルシウムなどのミネラルも豊富です。
なぜチョコレートは犬に毒なの?
美味しそうなにおいがするものならクンクンとにおいを嗅ぎ、何でも口に入れてしまう犬たち。人が食べれるもので犬が食べれるものも多いですが、チョコレートに関しては犬の鼻が届く場所に放っておくのはやめましょう。
■犬が代謝できない「テオブロミン」
人にはさまざまな健康効果をもたらしてくれるチョコレートですが、なぜ犬にとっては害になるのでしょうか?その理由は、チョコレートの成分の1つ「テオブロミン」にあります。テオブロミンはカフェインのように脳を目覚めさせ、集中力や記憶力をUPしてくれるのですが、犬はこの成分を人のようにうまく代謝できません。代謝ができないせいで効果が長く続き、中枢神経がダメージを受けてしまうのです。
中毒になるとどんな症状が現れる?
チョコレートを食べてから中毒症状が現れるまで6~12時間。以下のような症状に注意してください。
■具体的な中毒症状
・高熱
・発作
・嘔吐
・下痢
・速い呼吸
・心拍数の増加
■どのくらい食べると命が危ない?
人におけるテオブロミンの致死量は体重1キロに対して1000ミリグラム。ですが、犬たちは300ミリグラムで致死量に……。
ミルクチョコレートには1グラムに対して60ミリグラム、ダークチョコレートなら1グラムに対して400ミリグラムのテオブロミンが含まれているため、体重10キロの犬ならダークチョコレートの板チョコ4枚程度で致死量に達するということです。
これだけの量のチョコレートを犬が食べるとはまず考えられませんが、致死量に達さずとも具合が悪くなることは確かです。
猫への影響も?
犬を飼っている人の中にはきっと猫を一緒に飼っている人も少なからずいるでしょう。猫にはどのような影響があるのでしょうか?
■犬より猫のほうが影響を受けやすいけど…
「テオブロミン」は猫にとっても有害で、万が一食べてしまうと受ける影響は犬以上。猫は高い場所にも楽々登れてしまうため、犬と猫両方の手が届かない場所に保管しておきたいです。
ただし、猫についてはそれほど心配しなくてもOK。「甘さ」を感じる味覚が猫には存在していないため、そもそもチョコレートを食べようとしないのです。ですが誤って口に入れてしまうこともあると思うので用心するに越したことはないですね。
万が一犬がチョコレートを食べてしまった場合はすぐに吐き出させ、獣医さんの指示を仰いでください。そんな事態にならないよう、犬用に作られたもの以外を与えるときはまず一歩踏みとどまり、害がないことを確認してから与えることを日頃から心がけたいですね。
参考:
Why dogs can’t eat chocolate
チョコレートの栄養成分について