1位 癌 38%
猫の死亡原因第1位は人間(日本人)の死因第1位と同じで、癌です。猫の腫瘍は約70%が悪性だというデータがあります。
■リンパ腫
猫の腫瘍発生第1位は、リンパ腫。約500匹に1匹の発症率と言われていますが、うちでは8匹のうち1匹がリンパ腫で亡くなりました。猫は内臓が侵されるケースが多いので、腹部の検査が重要です。
■皮膚癌
猫の腫瘍発生第2位は、皮膚癌。皮膚の腫瘍の約70%は悪性で、ほとんどが頭頸部に発症し、そのうち20%近くが脾臓にも転移します。太陽の光によって誘発されることもあるので、外に出る機会が多い猫が高齢になると発症しやすい癌です。
■乳癌
猫の腫瘍発生第3位は、乳癌。メス猫10万頭に26頭の発症率と言われていますが、うちでは8匹のうち2匹が乳癌を発症し、そのうち1匹が肝臓に転移して亡くなりました。平均発症年齢は10~12歳で、後ろの乳腺から発症するケースが最も多いようです。
2位 腎不全 22%
猫の死亡原因第2位は、腎不全です。急性腎不全は一日で腎臓の機能が破壊されます。猫に多いのは数ヶ月から数年かけて徐々に腎臓が機能しなくなる慢性腎不全です。
■原因は?
老化による腎機能低下が原因とされています。猫の慢性腎不全の発症率は1.6%、15歳以上に限定したときの発症率は15.3%とされています。うちでは8匹のうち1匹が慢性腎不全のために13歳で亡くなりました。
■症状は?
慢性腎不全になると、食欲不振、体重減少、多飲多尿、貧血、脱水症状などの症状が現れます。末期になると尿毒症になって嘔吐したり昏睡状態になることもあります。
■予防法は?
腎臓は機能が破壊されると元に戻らない臓器なので、なるべく腎臓に負担をかけないように気をつけてください。塩分には特に注意です。うちでは1匹を腎不全で亡くしてから、少しでも腎機能の低下傾向がみられた子にはコバルジン(多孔性球状の活性炭からなる吸着炭)を服用させていました。老廃物を腸管で吸着して便とともに強制的に体外に排泄させるので、高齢になっても腎臓の値は悪化しませんでした。
3位 猫伝染性腹膜炎 10%
猫の死亡原因第3位は、猫伝染性腹膜炎です。この病気は、症状が現れると致死率がほぼ100%という恐ろしいものです。
■原因は?
多くの猫が保有している病原性に乏しい猫腸コロナウイルスが、ある時、猫の体内で猫伝染性腹膜炎ウイルスに突然変異します。突然変異を起こす確率は1割以下ですが、免疫力が衰えた猫に多く発症しています。
■症状は?
猫伝染性腹膜炎は乾性型と湿性型に分けられます。乾性型では、食欲不振、体重減少、腎機能低下、肝機能低下、ブドウ膜炎、脈絡網膜炎などの症状が現れます。湿性型では、腹部に水がたまって異様に膨らむ腹水、胸膜炎、胸腔に水がたまる胸水などの症状が現れます。かわいそうですが、呼吸困難で数日から数ヶ月内に死亡します。
■予防法は?
子猫のうちにネココロナウイルス抗体価検査を受けて、猫腸コロナウイルスを保有しているかどうかを調べます。保有していた場合は、発症しないように気をつけるしかありません。去勢手術や避妊手術によって猫伝染性腹膜炎を発症するケースは少なくありませんから、それらの手術を見送るという決断をするかもしれません。免疫力を落とさないこと、ストレスを極力与えないことも発症予防に効果的です。
4位 心臓病 7%
猫の死亡原因第4位は、心臓病です。中でも代表的なのは心筋症で、心臓の筋肉に異常が起こって心臓が正常に機能しなくなります。
■原因は?
はっきりした原因はまだわかっていません。タウリンが欠乏すると拡張型心筋症が発症しやすくなりますが、最近のキャットフードはタウリンが十分含まれているのでタウリン不足による心筋症は減少しています。