愛犬をスムーズに抱っこできるようになろう
愛犬を抱っこできるようしつけるのは、安全管理の上で重要なことです。たとえば、愛犬の散歩中にとっさに変なものを食べようとした時や、向こうから他に犬が寄ってきたときにケンカをしないよう抱っこが必要になります。
他にも、病気のときはどんな大型犬でも診察台の上に乗せて体重を測定します。しかし、抱っこが苦手だと大人数人がかりで抑えつけながら診察しなければなりませんし、愛犬にとっても強いストレスがかかってしまいます。
常に抱っこをする必要はありませんが、いざという時に抱っこしても暴れないよう抱っこ自体に慣れさせておくのが大切です。
愛犬の安全管理のためにも、普段から抱っこを嫌がらないよう子犬のうちからしつけをしましょう。
愛犬が抱っこを嫌がる原因は?
■空中に浮くのが怖い
抱っこは愛犬が普段地面についている四本脚全てが浮く行為です。私たち人間も、足が全くつかない不安定な姿勢にされれば強い恐怖を感じますよね。これは愛犬にとっても同じで、抱っこされたことで恐怖を感じ緊張してしまうのです。
■体を締め付けられるのが不快
また、抱っこをするときは正しい体制を心がけていますか?抱っこの仕方が窮屈だと、愛犬は締め付けられるのが不快で、抱っこを嫌がってしまいます。特に愛犬を抱っこする時、背後から近付いて背中からギュッと締め付けていませんか?
犬にとって背中をとられるのはマウンティングと同じ行為で、たとえ飼い主でも嫌な気持ちになります。また、強い力で締め付ければ何をされるのか不安を感じ、逃げようと体をよじってしまい、万が一飼い主が高い位置で愛犬を離してしまえば、着地のときに骨折する危険性もあります。
■抱っこ中に嫌がることをした
また、抱っこ中に爪を切ったり、トリミングをしたりなど、愛犬が苦手なことをすると抱っこは嫌なことをされると学習してしまいます。普段愛犬を抱っこするのは、爪切りやトリミング、耳掃除だけという飼い主は要注意。
抱っこをする=つらい記憶として結びつき、抱っこ嫌いになってしまいます。
愛犬に抱っこを好きになってもらうには?
それでは、抱っこを好きになってもらうにはどんなトレーニング方法を行えばいいのでしょうか?
■ご褒美を与えながら抱っこ
まずは抱っこをされると良いことが起きると学んでもらいましょう。しつけの基本ですが、抱っこをしたらおやつを与える、という行為を適度に繰り返してください。
また、抱っこをするときはいきなり体を持ち上げると愛犬が驚いてしまうので、自分から膝に乗ってくれるよう誘導するのがコツ。膝に足を乗せてきたら、そのまま体を両腕で支えるように引き寄せましょう。
引き寄せるときも動きはゆったりと愛犬を怯えさせないよう注意してください。ちなみに愛犬は足を封じられることに強い恐怖心を抱きます。足は抑えず、両手で胴体を支えて持ち上げてください。
抱き寄せても暴れないようだったら、ご褒美を与えるという流れを繰り返して、少しずつ抱っこに慣れさせていきましょう。
■自分から膝に乗るようにしつける
徐々に飼い主の膝に乗ることに慣れてきたら、自分から進んで膝に乗ってくれるようトレーニングしましょう。
初めは手におやつを持って、膝へ誘導して乗せていきます。膝に誘導するときは「おひざに乗ろうね」と声をかけて、大人しく乗ったらおやつを与えてください。これを繰り返していけば、「おひざ」という単語を聞けばご褒美がもらえると学習し、自分から声がけに反応して膝に乗ってきてくれます。
■最終的には自宅以外でも実行できるようにする
自分から飼い主の言葉に反応して膝に乗れるようになったら、最終的に自宅以外の場所でも「おひざ」や「だっこ」の言葉に寄ってくるように場所を変えて実行しましょう。始めは慣れた散歩コースから始め、たとえば信号待ちのときや休憩をするタイミングで、愛犬の目を見つめ「だっこ」と声をかけてみましょう。
このとき、呼びかけに応じたら目いっぱい褒めておやつを与えてください。また、徐々に慣れてきたらほかの犬や子供を追いかけそうになったときや、走り出しそうになったときに「だっこ」と指示を出しましょう。
愛犬がしっかりと理解できていれば、突然飛び出さず飼い主のコマンドを実行してくれるようになります。
抱っこのトレーニングをするときの注意点
基本的に犬の集中力は持って15分程度と言われています。そのため、一回のトレーニングは15分以内に留め、愛犬がトレーニングを嫌がらないよう調整をしましょう。
また、飼い主が慌ててしつけようと愛犬を急かしたり、怒鳴ったりしては怯えさせてしまいます。飼い主への信頼感を損なう可能性もあるので、あくまで気長に毎日コツコツトレーニングを継続することが重要です。
声がけに反応して膝に乗ってきてくれる愛犬の姿はとても可愛らしく、お互いの信頼関係を確かめられます。愛犬の危機管理のためにも、抱っこ嫌いを克服させましょう。