犬の健康診断の重要性
犬は人の4~6倍の速さで歳を取っていきます。
だからこそ、愛犬の体調の変化には飼い主がしっかりと注意を払ってあげる必要があります。
犬はとても我慢強いもので、ちょっとやそっとの体調の変化は表に出しません。
野生の頃の習性で、外敵から身を守るために、怪我や病気を隠そうとするからです。
つまり、愛犬が辛そうな様子を見せるということは、よっぽど体調が悪いということです。
このように症状がみられるようになってから動物病院に連れていき、治療を始めても手遅れになってしまう場合もあります。
特に、犬も高齢になると、体のあちこちに不調が出てきます。
愛犬の健康を守れるのは飼い主しかいません。
日頃から定期的に健康診断を受けさせ、健康状態をチェックしてもらうことが重要です。
犬の病気が増えている
近年では、犬も長生きになってきている反面、犬の病気も多様化しています。
飼育事情も昔とは違い、食事が高カロリーであったり、室内飼育によって運動不足の犬も増えています。
それにともなって、肥満の犬も多く見られるようになりました。
犬の肥満は、心臓疾患や糖尿病、がんといった生活習慣病を引き起こします。まるで人間と同じですね。特に高齢犬になると、病気のリスクはさらに高くなります。
そして、こういった生活習慣病は、日常生活の中ではなかなか発見することが難しく、様子がおかしいと感じた時には、かなり病状が進行しているといったケースも見受けられます。
こういった病気を早期に発見するには、やはり定期的な健康診断を受けることが必要なのです。
獣医による健康診断とは
獣医による犬の健康診断には、簡易なものから詳しい検査を行うものまであります。
ここでは、主な検査項目5つについて紹介します。
■身体検査
聴診器で心音や肺の音を調べます。
また、脈や体温を測ったり、全身を触って異常がないかチェックします。これらは通常行われる基本的な検査になります。
■血液検査
血液検査では、身体検査でわからない部分をみるために行われます。
血液中の各項目の数値をみることで、体の中に異常がないかどうかを調べるのです。
血液検査を行うことで、目に見えない臓器の異常などを発見することができます。
■糞尿検査
検便では、体の中に寄生虫や細菌がいないかどうかを調べるために行います。
検尿では、蛋白は出ていないか、潜血がないか、膀胱炎になっていないかを調べます。
■レントゲン検査
レントゲンは必要と判断される場合に撮影されます。異常のある場所によって、胸部レントゲンや腹部レントゲンを撮ることになります。
■超音波検査
こちらも必要があると判断された場合に行われます。
この他にも、犬ドッグと言われるものもあり、精密な検査を受けることができます。
時間は2~3時間要しますし、費用もそれなりにかかりますが、愛犬の健康状態が心配な場合には、こういったものも受けることが可能です。
健康診断の頻度の目安
犬の寿命から考えると、犬は大体5歳位から中年期に入ります。
この時期から、生活習慣病などのリスクも高くなってくるので注意が必要です。
さらに歳を取ると、白内障が始まることも予想されます。
愛犬の健康診断を受ける目安としては、年1回程度が良いとされています。
しかし、年齢が上がってくると病気のリスクも高くなりますし、目に見えて不調が出てくる場合もあります。
日頃から愛犬の状態をよく観察し、その状態に応じて健康診断の頻度を上げるという配慮も必要になってくるでしょう。
飼い主にもできる犬の健康チェック
定期的な健康診断は必要ですが、それ以前に私達飼い主が日頃の愛犬の健康状態に気を遣うということも重要です。
愛犬のいつもと違う様子に気づいてあげられるのは飼い主しかいません。
まずは毎日チェックしてあげたいポイントを押さえておきましょう。
■食欲があるか
犬の食欲が落ちるには原因があります。
体に不調があることもありますし、精神的に落ち込んでいることもあります。
食欲は一番わかりやすい元気のバロメーターなので、毎日の食事をしっかり食べているかチェックするようにしましょう。
■元気はあるか
犬は健康な状態では基本的に元気ですが、体調が悪かったり、ストレスを感じていたりするといつもと様子が違うことがあります。日々の愛犬の様子を観察し病気のサインを見過ごさないようにしましょう。。
■歩き方はおかしくないか
関節に異常が起こると足を引きずるような歩き方をすることがあります。
階段の昇降やソファーに飛び乗るなど関節に負担がかかる動作が原因であったり、肥満による関節への負担が原因であることもあります。
■おしこ、うんちの状態
おしっこやうんちの状態でも不調がわかることがあります。
下痢が続いたり、何日もうんちが出ていないという状態は異常なので、おかしいと感じたら動物病院に連れて行きましょう。