幸せな余生のために…老犬の介護支援サービスはどんなものがある?

幸せな余生のために…老犬の介護支援サービスはどんなものがある?

家族の一員として長い間ともに過ごしてきた愛犬も、やがて老犬になってしまいます。やがて体力が落ちて歩行や食事が困難になったら、人の手で介護が必要になりますよね。そんなとき、老犬の介護はどんな方法があるのでしょうか?今回は、自宅介護から老犬ホームまで、それぞれの介護方法のメリットデメリットをご紹介します。


老犬介護は必ず訪れる道

人よりも早く年を取る犬は、ほとんどが飼い主より先に体が弱り寿命がやってきます。飼い主にとって、愛犬を介護するのは必ず訪れる出来事です。しかし、飼い主の環境によっては仕事で帰りが遅かったり出張があったりと、ずっと愛犬のそばにいられない人も多いでしょう。

また、小型犬ならともかく大型犬になると体重が数十キロにもなり、一人でお世話するのが困難な場合も。そんなとき、飼い主はどんな方法で老犬の面倒を見ていくのか考えておく必要があります。

現在は人と同じように、老犬用の介護支援サービスがいくつか存在しているのをご存知でしょうか?将来必ず訪れる老犬介護の際に、自分が後悔しないよう面倒を見られるように、それぞれどのような特徴とメリットがあるのかを知っておきましょう。

自宅での老犬介護支援

専門のスタッフが定期的に自宅へやってきて、老犬のお世話をしてくれる支援制度です。食事やトイレから、爪切りやブラッシングといったこまかいお世話まで手伝ってもらえます。

老犬用のペットシッターさんに依頼するか、業者と提携しているペットショップにお願いしてスタッフに来てもらう方法があります。

メリット

・愛犬が長年過ごしてきた自宅でお世話できる。
・飼い主の負担が少なく、スタッフと協力しながらお世話できるので悩みの相談ができる。

飼い主や家族が共働きで、日中お世話してくれる人が欲しい場合や、短時間外出したいときに任せられる人がいない飼い主さんにおすすめです。
自宅介護は飼い主も老犬自身も負担が少なく、安心できる介護方法です。

デメリット


・何日も出張で家を開ける場合は利用が難しいところも
・スケジュールによっては介護を任せられない時期がある

基本的にあらかじめ決められたスケジュールによって、スタッフが自宅で老犬のお世話をしてくれます。そのため、急な出張が入って家を開けなくてはならないとき、業者のスケジュールが空いていないと、お世話をしてもらえない可能性があります。

預かりタイプの老犬介護支援

自宅で介護するのではなく、デイサービスのように日中や数日間介護施設に預かってもらう方法です。人と同じく送迎してもらえる施設もあるため、飼い主が送り届ける負担がありません。

また、施設によっては獣医が在籍しているところもあり、万が一のときもすぐに対応してもらえます。

メリット

・出張などで数日間家を開ける場合に任せられる
・介護期間中の息抜きになる
・老犬の具合が悪くなった時にすぐに対応してもらえる

専門のスタッフがいる施設に預けておくことで、飼い主が家を留守にしている間も安心できるのが最大のメリットです。老犬は突然容態が急変することがあり、そんなときすぐに獣医から診察を受けられる施設はとても心強い存在。

また、一人暮らしで出張が多い飼い主だと、どうしてもつきっきりで介護するのが難しくなります。そんなとき家を開ける時間帯は施設にお願いすることで、老犬の介護を任せられます。

デメリット


・老犬に強いストレスがかかることがある
・費用がかかる

住み慣れた我が家から離れて、施設で過ごすことは老犬にとって強いストレスになってしまうことも。特に人見知りが激しい老犬の場合、スタッフを見るだけで怯えて近づかなくなることがあります。

そのため、飼い主は老犬のストレスをできるだけ減らせるよう心のケアが欠かせません。また、短期間での預かりとはいえ、一日あたり5,000円ほどの費用がかかります。日中毎日になると、それだけで毎月何万円もの費用がかかることも。

自分の経済状況によっては、預かりサービスを利用し続けるのが難しいというデメリットがあります。

終生預かりの老犬支援サービス


老犬ホームという、亡くなるまでの終生預かりの支援サービスも年々増加しています。飼い主の諸々の事情によって、自宅で介護するのが難しい場合に利用されます。

メリット

・24時間専門のスタッフから質の高い介護を受けられる
・飼い主や家族の介護の負担が減らせる

専門の老犬ホームは老犬が快適に過ごせるよう、24時間専門のスタッフが常在しています。万が一具合が悪くなったらすぐに獣医から診察を受け、適切なケアが受けられるので穏やかに老犬が余生を送れます。

また、飼い主自体が病気によって老犬の面倒が見られなくなった場合でも、最後まで老犬をみとってもらえるのも、老犬ホームのメリットと言えるでしょう。

デメリット


・費用がかかる
・簡単に愛犬に会えない

老犬ホームは短期の施設利用以上に費用がかかります。老犬ホームによって料金は異なりますが、一年間あたり平均100万円前後の料金が必要と、経済的な負担が大きいのが実情です。

また、老犬ホームの数はまだ少なく、住んでいる場所から遠く離れた施設に入居させる飼い主も多いです。そうなると簡単に愛犬に会いに行くことができず、後悔が残る可能性も考えられます。

老犬にとっても飼い主と離れることは精神的な苦痛が大きく、老犬ホームに関してはいまだに賛否両論の意見が交わされています。

まとめ


犬を飼った以上、老犬の介護は避けられない問題です。飼い主が最後まで責任を持って面倒を見るのが理想ですが、家庭の事情によってはこのような介護支援サービスを活用して、周囲と協力しながら愛犬を見守る方法もあります。

また、介護をするつもりでいても飼い主自体が事故や病気で、介護を行うのが難しいケースも。そんなときは老犬ホームを利用するなど、愛犬ができるだけ幸せに余生を送れる環境を整えてあげたいですね。

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