シベリアンハスキーの歴史
■シベリアンハスキーのルーツ
シベリアのチェルスキー山脈が原産地で、極東北極圏を中心に生活していた遊牧民「チュクチ族」により、使役犬として重用されていました。
「ハスキー」という名前はエスキモー人のことを「ハスキー」と呼ぶことに由来しているという説や、吠える声が枯れているからという説などがあります。
■犬ぞりで有名なハスキー
もともとチュクチ族に犬ぞりによる荷物の運搬や狩猟の補助として重用されていたシベリアンハスキー。そりを引く犬種として有名です。
北米で有名な犬ぞりレースにアメリカのアラスカで開催される「アイデッタロッド」とカナダで開催される「ユーコンクエスト」があります。ともに約1600kmのレースで毎年開催されています。
1925年、アラスカのノーム市でジフテリアが流行。ハスキー犬が氷点下50度にもなる酷寒で厳しい天候のなか、544kmの距離をリレーしながら血清を運び多くの人々の命を救った話は有名で映画にもなりました。そのときのラストチームのリード犬だった「バルトー」の銅像がニューヨークのセントラルパークに建立されています。
■日本でのハスキーブーム
日本では90年代に、北海道札幌市のH大学獣医学部を舞台に、個性的なキャラクター達の大学生活を描いた動物コメディ漫画「動物のお医者さん」で爆発的に人気が出て、シベリアンハスキーを飼う人が増大しました。
現在ではブームもおさまり、シベリアンハスキーを理解したうえで飼う人が多いようです。
ペットとして安定した人気のある犬種です。
シベリアンハスキーの特徴
■シベリアンハスキーという犬種
スピッツ族に属しエスキモー犬の一種であり、ワーキンググループに分類されています。
見た目が似ているアラスカン・マラミュートやサモエドとは近親関係にあります。
多くの団体では中型犬と分類されているようですが、30kg以上ある犬も少なくなく、大型犬として扱われる場合も多いようです。
サイズは成犬では体高約50cm〜60cm、体重は約16kg〜28kg。
寿命は12〜14年です。
■シベリアンハスキーの概要
毛色はブラック×ホワイト、グレー×ホワイト、シルバー×ホワイト、ブラウン×ホワイト、ホワイトのみと様々です。
極寒を耐えるのに適した皮下脂肪があり、柔らかく密集した下毛、まっすぐで滑らかに伸びた上毛のダブルコートで覆われています。
がっちりとした体つきで、立ち耳、ブラシ尾。目はアーモンド形です。
目の色はブルー、ブラウン、左右で色が違うオッドアイもあります。
極寒の地でそり犬として活躍していたルーツをもつため、長距離を走る耐久力を身につけています。
ハスキーの特徴といえば顔の隈取模様。成長するにつれて変化するので、顔の印象が変わっていくのも楽しみです。
シベリアンハスキーの性格
■イタズラ大好き
イタズラ好きで好奇心旺盛。独立心も強く、楽天的な性格でもあります。
頭が悪いと言われたこともありますが、それはこの性格から。とても利口な犬種です。
■温厚で社交的
穏やかな性格で飼い主や家族に対して従順で人懐こい犬種ですが、警戒心が強く頑固な一面もあります。
社交的で協調性があり、子供や他の犬に対しても仲間意識を持ち、優しく接するので多頭飼育にも向いています。
シベリアンハスキーの飼い方、しつけのコツ
■室内飼育がおすすめ
飼い主や家族との触れ合いが大好きなハスキー。また寒さには強いですが暑さには弱いので、温度調節ができる室内飼育に向いています。
しかし、しっかりとしつけないと部屋中を荒らされることになるのでご注意を。
体臭は少ないですが、ダブルコートのため抜毛が多いのでこまめなブラッシングが必要です。
また清潔好きなので汚しておくとストレスにつながります。
■運動はたっぷりと
とても活発なハスキー。たくさんの運動量が必要です。運動を十分にさせないと、ストレスによる体調不良や無駄吠え、脱走などの問題行動につながるので、毎日の散歩は欠かせません。
散歩時間はできるだけ長く、暑さは苦手なので夏季の散歩は早朝や夜間など涼しい時間帯を選ぶようにしましょう。
力が強いので、しっかりとした服従訓練が必要です。
■注意すべきこと
冒険好きで放浪癖があるので、脱走対策は必ず行うこと。また地面を掘る癖もあるので、庭を荒らされないよう注意が必要です。
イタズラ好きで好奇心が強いため何でも口に入れてしまいます。誤飲させないよう気をつけてください。
利口な犬ですが、集中力があまりある犬種ではないので根気をもってしつけを行いましょう。