猫のワクチンとは?
飼い主の責任として、猫を伝染病から守るワクチンについて知っておきましょう。
■猫にワクチン接種が必要な理由は?
愛猫が伝染病にかからないために、そしてもしかかっても重症化しないために、また他の猫への感染源とならないためにもワクチンの接種は必要です。わたしたちがインフルエンザの予防接種を受けるのと同じですね。
■室内飼いの猫でもワクチンが必要?
完全室内飼いだとしても、伝染病のウイルスや細菌に接する可能性はゼロではありません。飼い主さんの衣服によって室内に運ばれてくることもありますし、動物病院で感染することもあります。
■猫にワクチンを接種する時期は?
子猫は生後2ヶ月位からワクチン接種ができます。成猫はいつでもできますが、健康状態の良い時を選んで受けさせましょう。副作用が怖いので、元気のない時はやめておきます。元気そうに見えてももし病院で体温を計って普段より熱があるようなら、獣医さんがワクチンを打たない判断をするでしょう。初めてのワクチン接種では、一ヶ月後に追加摂取を行ないます。次は一年後です。忘れずに受けるようにしましょう。
猫のワクチンで予防できる病気
現在、猫の6種類の病気に有効なワクチンがあります。
■猫ウイルス性鼻気管炎
「猫インフルエンザ」「猫コリーザ」とも呼ばれる病気で、子猫や老猫など免疫力の弱い猫は肺炎を併発することもありますし、妊娠中の猫が感染すると流産する危険もあります。
■猫カリシウイルス感染症
「猫風邪」「猫インフルエンザ」とも呼ばれる病気で、主な症状は口内炎や舌炎などです。
■猫汎白血球減少症
「猫ジステンパー」「猫伝染性腸炎」とも呼ばれていて、特に子猫の重症例が多く、致死率と伝染性が高い病気です。
■猫白血病ウイルス感染症
この病気の重症度は猫の免疫力に大きく左右されます。免疫力が不十分な猫の場合は骨髄までウイルスが侵入し、血液の中にウイルスを放出してしまうために、大半は3年以内に命を落とします。
■猫クラミジア感染症
子猫がかかりやすい病気で、粘着性の目ヤニを伴う結膜炎が長引きます。慢性化しやすく、猫から人へも感染する人獣共通感染症の一つです。
■猫エイズウイルス感染症
俗に「猫エイズ」と呼ばれている病気ですが、正式名称は「猫後天性免疫不全症候群」といい、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)により引き起こされる症状を指します。
猫のワクチンの種類
ワクチンの種類は感染症の組み合わせによってたくさんありますが、すべて必要なわけではありません。どのワクチンを接種するかは、かかりつけの獣医さんと相談して決めましょう。
■三種混合ワクチン
猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症に対するワクチンです。最低でもこのワクチンだけはすべての飼い猫に受けさせてあげましょう。ワクチン接種にかかる費用は動物病院により異なりますが、4,000円からです。
■四種混合ワクチン
猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症、猫白血病ウイルス感染症に対するワクチンです。接種にかかる費用は、5,000円からです。(動物病院により異なります)