はじめに
最近ペットとして注目されているフクロウ。「ハリーポッター」の影響でイギリスで人気が出て、日本でも人気急上昇です。「フクロウカフェ」の存在ももその人気に拍車をかけているようです。
神秘的な雰囲気を醸し出し、大きくてぱっちりとした目…凛々しくもキュートなフクロウの生態のいつくかを紹介したいと思います。
フクロウの目
もともと野生に暮らすフクロウ。夜行性のため、日中目にすることはほとんどありません。
日中はあまりよく目が見えていないと思っている人も意外と多いのではないでしょうか?
そんなことはなく、昼間でも目は普通に見えてます。ただ、暗闇でのほうが、より鮮明に見ることができるのです。
フクロウは私たちのように目を上下や左右に動かすことができません。視界が狭く、視界の幅は約110度分、両目で見える範囲は約70度分といわれています。
よくフクロウは360度首を回転できるといわれますが、実際は左右それぞれ270度回転することができます。
首を回転したり、頭を上下に動かすことで、狭い視界を補い、周囲を見渡すことができます。また、両眼視と単眼視ができ、右目と左目で別の物を見ることも可能です。そして、視界は狭くても、かなり遠くまで見ることができます。
瞼にも特徴があり、眠るときや、瞬きをするときにつかう瞼とは別に、第3の瞼といわれる「瞬膜」があります。「瞬膜」は半透明の膜で、眼球のクリーニングや保護をする役割を果たしています。
フクロウの耳
フクロウの耳は、暗闇で活動するためにとても感度がよく、聴覚が非常に優れています。
彼らの聴覚は、地面の獲物の動きを聞くことができるといわれているほどです。
フクロウの耳は顔の左右の少し窪んだ部分、目の後ろにあり、見た目にはわかりません。
また、耳の位置が左右で少し違っており、そのため、左右の耳の聞こえ方の違いで、音の方向や距離を正確に知ることができます。
ちなみに、フクロウの仲間のミミズクの耳に見えるものは耳ではありません。ただのかざり羽です。
フクロウは森のハンター
生き物を捕食する「猛禽類」であるフクロウ。とても優秀なハンターです。
フクロウの羽は柔らかく、先に細かい切れ込みが入っているため、空気が抜け、音なく静かに獲物に近づくことができます。そして、強く、鋭い爪で獲物を捕らえるのです。
フクロウの中で、足が深い毛で覆われている種が多くいますが、これは狩りをするときに、獲物に反撃され、噛まれたりしたときに足を保護する役目を果たしています。
フクロウの消化機能
フクロウの消化システムは強力で、とても効率的にできています。栄養価値のあるものだけを消化します。
小さな獲物は丸呑みしますが、骨や被毛といった必要のない部分は消化されず、口から吐き出します。これは鳥類学では「ペリット(Pellet)」と呼ばれています。
フクロウの性別
フクロウのオスとメスを見分けるのは極めて困難で、DNA判定が必要なこともあるそうです。
一般的には、大部分の鳥類とは異なり、メスのほうが体が大きく、色もカラフルです。
また、メスのほうが攻撃的な傾向があるといわれています。
まとめ
「森の哲学者」ともよばれ、その神秘的な存在から、多くの物語にも登場するフクロウ。
とても頭がよく、素晴らしい、そしてまたとても可愛らしい動物です。
しかし、もともと野生に生息するハンター。ペットに向いているとは言えません。
ハリーポッターの影響から、イギリスでフクロウブームが起き、多くの人がフクロウをペットに飼いましたが、今では捨てフクロウが大きな問題となっているそうです。
最近日本でも注目され、ペットとして人気が出ていますが、フクロウの売買はワシントン条約によって規制され、海外から正規に輸入されたもの、また、それらを人工繁殖させた個体のみ飼育が許可されています。
個体にもよりますが、基本的に人にはなつきません。また、トイレなどのしつけができないので、放し飼いにすることは簡単なことではないので、ある程度の広さのケージが必要になるでしょう。
餌も生肉を食するので、そのための処理も必要となります。
ペットとして飼うとなると、爪やくちばしの手入れも必要で、病気になったときなどに診てもらえる獣医も見つけなくてはなりません。
フクロウは寿命も長く、小型のものは10〜15年程度ですが、中型・大型のものになると20〜30年も生きるものがいます。
それなりの費用もかかります。
フクロウを飼いたいと思ったら、しっかりとした知識を身につけ、全てを考慮したうえで、最後まで責任をもって飼えるのかをよく検討してから購入するようにすることがとても大切です。