寄生虫から愛犬を守る!

寄生虫から愛犬を守る!

人間に寄生することもある寄生虫。その怖さとは、体内の栄養を取られてしまうので非常に多くの悪影響をもたらすとともに、様々な病気の引き金になることもあります。今回は体内、そして表面に寄生する怖い寄生虫について知っていきましょう!


外部・内部寄生虫ってなに?

寄生虫は大きく分けて2種類。消化器など体の中に住み着く「内部寄生虫」と皮膚など体の表面につく「外部寄生虫」があります。特に日頃の散歩などで気を付けたいのは外部寄生虫ですが、その種類も実は幅広く駆除方法も変わってきます。今回は多くの種類からより注意したい寄生虫についてお話します。

外部寄生虫の種類

マダニ

外部寄生虫でもっとも有名なのは「マダニ」ですよね。マダニは草ムラなどに多く生息し、マダニの中でもさらに種類が分かれてきます。その中でも犬に寄生しやすいマダニはなんと20種類にも上ると言われます。

特に耳の裏やまぶたの毛の無い部分には注意が必要で、大きなマダニになると大豆ほどの大きさになることもあります。そのため、発見した飼い主さんの中には力づくで引っ張り取る方もいますが、これはNGな処置。マダニを見つけたら動物病院で適切に処置してもらいましょう。

のみ

こちらも広く知られている外部寄生虫のひとつですが、犬に寄生するのはイヌノミとネコノミ。最近ではネコノミの方が多くなっているそうですが、布製のカーペットや布団などに多く寄生します。そして繁殖率が高いのが厄介な特徴でもあり、犬の体に10匹いたとして放置すると1か月後には2000匹にも増えていると言われます。

かゆみはもちろん、あまりにも多く寄生すると貧血を起こすこともあるそうなので、日頃から徹底したノミ予防、そしてつぶしてしまうと卵をまき散らすので見つけたら病院へ行くのが鉄則です。

バベシア病

あまり聞きなれない名前ですが、バベシアと呼ばれる虫が赤血球の中で繁殖してしまう病気です。血尿や貧血といった症状が見られ、おう吐など重症化すると命にかかわってくる怖いものです。抗原虫薬での治療になることが多いので、こちらも早期治療で治していきましょう!

ライム病

バベシア病同様あまり耳にすることの無い病名ですよね。こちらはスピロヘータという細菌に感染する病気で子犬や高齢犬では多発性股関節炎を起こすことがあります。ただし、子犬や高齢犬で無い場合には症状が無いときもあります。

言葉を持たない愛犬、さらに症状が無い病気の発見はなかなか難しいこともありますが、元気が無く体重が落ちる、食欲も無いなどの症状が数日続く場合には早期に病院を受診することが完治のカギになりますよ。

内部寄生虫についても知りたい!

外部寄生虫に関しては、有名なものも多く散歩時に草むらを避けるなど具体的な予防法が分かりやすいですよね。では外部寄生虫にはどのような物があるのでしょうか?

瓜実条虫症

瓜実条虫症(うりざねじょうちゅうしょう)と呼ばれるサナダムシです。瓜実条虫の卵をノミの幼虫が食べ、そのまま一緒に成長してしまいます。それを犬が口にしてしまうことで感染するのですが、症状はほとんどありません。ただし寄生の数が多くなると下痢など起こします。

犬の便に混ざることがあるので、病院に便を持っていき検査をしてもらいますがごくまれに人間にも感染する場合があるので素手では行わないようにしてください。

犬回虫

ミミズのような形で白い色をした犬回虫。主な感染経路は母体からで、まだ生まれる前に感染することもあり、乳によっても感染します。そして犬の体内に入ると最終的には小腸へ寄生し、子犬の場合にはおう吐や下痢、発育不良や腹部が膨れるなどの症状が出てきます。

最悪の場合には腸閉塞を起こす怖い寄生虫です。人への感染もあり、この寄生虫自体が放置した便の中で感染できるようになるので愛犬のうんちは適切に、そしてすぐに処理するようにしましょう!

フィラリア症

内部寄生虫でもっとも有名なのはフィラリア症ですよね。本来は犬に寄生しますが、まれに人間に感染することもあるそうですよ。そして感染経路はご存知の通り蚊です。フィラリアの怖い特徴は犬の心臓に寄生するところで、心不全は肺の血管の炎症を引き起こすことがあります。

また、急性で大量に寄生した場合には呼吸障害や血尿、そして急性の場合には致死率が非常に高くなります。注射や薬で予防が可能なので、毎年忘れずに行いましょう。

まだまだ多い寄生虫

今回ご紹介した寄生虫以外にも、犬に住み着く寄生虫の種類は非常に多いもの。そしてその多くの感染症が人間にも感染するリスクを伴っています。特に外来種が多くなってきた昨今では今までは心配のなかった感染症にも注意する必要がありそうです。


ではどのように愛犬も自分も、家族全員を寄生虫から守れるのでしょうか?まずは適切なワクチンを接種すること。そして日頃から愛犬の暮らす環境は清潔に保つこと、また愛犬に少しでも異常が見られた場合には早急に病院へ行くことです。

犬を飼う上で、しつけや愛情をかけて育てるのと同じくらいに重要な責任です。もちろん、ご近所さんへのマナーにもなりますので少々面倒に感じても、お金がかかることでも、絶対に怠らないようにケアしていくことが飼い主としての責任ですよ。

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