地面を掘るのは犬の習性です
犬の肉球はもちろん、体が土まみれになってしまってビックリしたことはありませんか?
■寝る場所を作る
裏庭や土のある場所で、一生懸命土壌をひっかいたり、穴を掘ったりする光景をよく目にしませんか?犬は嗅覚が人の何万倍も優れているので、何か土の下に埋められているのかな?そんな風に感じる人も多いでしょう。
犬が土壌をひっかいたりするのは「寝る場所」を作っているのかもしれません。これには、日本の古い住宅環境の歴史を振り返ると ” なるほど ” と感じるところがあります。
昔の日本家屋には「縁側」や「床下」などがありましたよね。古い家の構造で運よくできた小さなスポット。人間には入れないスペースでも犬にとっては最高のの寝床でもありました。今では懐かしい犬に優しいお家事情。マンションや近代的な住宅以上では、希薄になってきているのかもしれませんね。
■土の下ははひんやり「気持ちいい」
夏の暑い時期を想像してみましょう。全身が毛で覆われている犬たちにとって猛暑の夏は過酷な期間です。いくら地面の表面は熱を帯びていても、土を掘り返してみると、意外にひんやりとする部分が出てきます。これがお目当て!
日差しの強い夏にひんやりとする部分を利用して、クールダウンしてしながら涼をとっているんですね。唯一毛が生えていないお腹の部分をひんやりスポットにあてれば、犬も「気持ちいい…」と感じるはずです。
■出産前の巣作り
犬と巣造り?何だかあまりピンとこない組み合わせですね。今の時代、犬の出産は室内の環境の整った場所で行うことが多いですし、犬が庭先でわざわざ土を掘って巣作りというのも、不思議な気もしますね。
でも、この行動は野生時代に培った犬のお産の姿でもあります。妊娠しているママ犬は数日後に始まるお産のために、安全な出産スポットを作るという習性があります。ママ犬は「そろそろかな?」と感じると、土を一生懸命掘って巣作りを始めるんですね。
我が家の犬も出産の2日前、裏庭の桜の木の下の根元にちょうど体が埋まるくらいの縦長の浅い穴をガリガリ。大きなお腹をブルンブルンと揺らしながら頑張ってました^^ 冬の寒い時期でちょっと心配でしたが、陰からこっそりママぶりを見守っていました。
他にもこんな理由があった
夏の熱い時期に涼しい場所を探したり、出産で安全な巣を作ったりする以外にも、穴を掘る理由はいくつか挙げられます。食べ物を口にくわえて、コソコソ裏庭で何かやっていませんか?
■食べ物を貯蔵しておく
食事の時間に食べ物をくわえて外へお出かけ。何をしているかと思えば、土ホコリを巻き上げて穴を掘っています。これは、食べ物を貯蔵しようとしている行動。食べ物がなくなった時のために、しっかり蓄えておこうとしています。
お腹がいっぱいだから食べ物を埋めるということもあるようですが、貯蔵するという習性でそうする場合が多いです。
■ストレス発散!
犬だって私たち人間と同じようにストレスを感じる生き物です。私たち人間はカラオケに行ったり、お酒を飲んだり、友達に愚痴を聞いてもらったり、好きなスポーツをして汗を流したり…人それぞれストレス発散の方法はたくさんありますよね。
しかし、犬の場合はどうでしょう。ストレスを発散する場所やものがほとんどありません。土を掘り返すことによってストレスを解消しているんですね。ですので、泥だらけで汚れて室内に戻ってきたら、「ストレスが溜まっているのかな?」と気付いてあげましょう。もしかしたら、大好きな飼い主さんとの時間がもう少し必要なのかも?
■逃げ出したい!
フェンスの真横に穴を掘る犬も多いです。これは、「ここから脱走したい!」という気持ちのあらわれです。外への世界に興味があって飛び出したいという好奇心から穴を掘る場合と、不安を抱えて「この場から逃げたい」という逃避の気持ちから穴を掘る場合があります。
■隣の家から気になる匂いが!
隣の家に犬や猫がいたり、特異な匂いがする場合なども、穴を掘る傾向があります。確かに、目に見えないからこそ、興味をそそる!その気持ちが穴を掘ると言う行為へと走るのは納得ですね。毎日、美味しいご飯の匂いがするのならなおさですね^^
犬の穴掘りには立派な理由がありました
犬が土をひっかいたり、穴を掘るのはいくつかの納得できる理由がありましたね。穴を掘ることが好きな犬種にとっては、それが生きがい…とも言えますが、庭の至るところに5個も6個も深い穴ができてしまうのはちょっと困ってしまいますね。
でも、こうした理由が背景にあるのなら穴掘りはさほど悪いことではないかもしれません。生きるために、また心地良く安全に生活するために、野生の知恵を働かせて生み出した犬なりの「生活のアイデア」なのですから^^