愛犬が耳をパタパタしていたらマラセチアが繁殖してるかも!

愛犬が耳をパタパタしていたらマラセチアが繁殖してるかも!

犬は皮膚トラブルと同様に耳のトラブルも起こしやすい生き物です。「耳が臭う」「パタパタさせている」「かゆがる」こういった症状はマラセチアが原因かもしれません!常在菌であるマラセチアが悪さをしたらどうなるのでしょうか?


マラセチアってなに?

マラセチアとは酵母菌でカビの一種です。どんな犬にもその皮膚や耳、肛門などにもともと生息している通常は大人しいものですが、脂質や湿度を栄養に繁殖を増やすと皮膚炎や外耳炎の大きな原因になる事も多いもの。

実は皮膚炎や外耳炎はおよそ70%もの割合でマラセチアが原因と言われています。ではそのマラセチアによる症状とは?そして家庭で出来る予防法も見ていきましょう!

症状と原因はなに?

気になる症状と原因についてからお話していきます。犬を飼っている上では皮膚・耳に関しては特に注意深く見ていく必要のあるポイントですので、愛犬の気になる症状を見逃さないでくださいね。

痒み・臭い・耳アカの粘り

最も大きく現れる症状は「痒み」です。人間で言うところの水虫のような存在であるマラセチアは感染とともに強い痒みが生じます。同時に頭を振って「耳をパタパタ」させる仕草も多く見られるようになります。

耳垢も茶色や黒っぽくなることがあり、粘り気を伴うことも。そして酸っぱいような嫌な臭いがしてきます。「なんか臭いかも?」と思ったら要注意です。

たれ耳や膿皮症の愛犬がなりやすい!

マラセチアは湿気の多い場所を好むので、シーズーのような通気性の悪い「たれ耳」はマラセチアにとって居心地がよく非常に元気になってしまいます。同時に脂質を栄養分とするために、「膿皮症」であったりなど皮膚や被毛がベタベタしがちな犬も好まれてしまいます。

そうではない犬種でも、雨にあたったりシャンプーのすすぎ残しによる毛穴詰まりはマラセチアに養分を与えるようなものなので、そういった面でもケアを怠らないようにしてくださいね。

アレルギーの原因にもなります。

アトピー性皮膚炎などもともとアレルギー体質を持っている愛犬は、マラセチアにもアレルギー反応を起こしやすいと言われます。外耳炎だけではなく、皮膚炎などにも症状が現れることがあり、肛門周りが赤くなったりもします。

治療法と予防法が知りたい!

マラセチアは常在菌なのでゼロには出来ませんが、その環境を清潔に保つことで予防が可能になります。一度マラセチアに感染しても治療方法はありますし、再発防止にも努めていきましょう!

病院での耳洗浄と内服薬

まずは愛犬の耳に異常を感じたらすぐに動物病院での診療を受けましょう。その上でマラセチアが原因となった場合には耳洗浄を行い清潔にした状態で、抗真菌剤の入った点耳薬を加えます。また繁殖が多い場合には内服薬も同時に使用しての治療がメインとなります。

通常は抗生物質と合わせての服用になるので、1か月に10000円~15000円はかかりますが、1~2か月ほどで症状が落ち着く場合が多いようです。また耳洗浄に関しては病院によって「毎日通院」「数日に一度」などばらつきがありますのでしっかりと相談して決めましょう。

自宅ケアも重要、耳洗浄を覚えよう!

耳洗浄は少し手間がかかりますが、自宅で出来るようにしておくと予防にも効果的になりますので是非マスターしたいケアのひとつです。

まずは愛犬をしっかりと抑え、耳の穴にドボドボと溢れるくらいに洗浄液を入れていきます。耳の付け根を揉み洗浄液を浸透させましょう。これを両耳・数回ずつ行い、必要であれば抗真菌剤入りの点耳薬を入れます。

愛犬が耳をパタパタさせたら終了です。こう聞くと簡単に思えますが、暴れる場合には2人がかりでの作業になるので家族で協力して行えるとベストです。また洗浄液が飛び散りますので、タオルをしいて汚れても良い服装で行ってくださいね。

その他日常で気を付けたいことは?

治療の他にも、日常生活で気をつけておくべき事、これらを守っておくとマラセチア感染の予防になりますよ。

トリマーさんにもお願いしよう!

トリミングはきれいに仕上げることが目的なので仕方ない部分もありますが、トリマーさんによっては耳掃除の力が強すぎる場合もあります。耳の中の毛は通気性をさらに悪くするので抜いてもらうのが基本ですが、特に耳を治療中の場合にはその旨をきちんと伝え「刺激を与えすぎないようにしてください」とお願いしてくださいね。

トリミングの刺激で耳が赤くなってしまい病院へ行く方も少なくないようです。

食事管理で体質改善!

特に膿皮症やアトピー性皮膚炎を持っている愛犬には、体の内側からの改善が重要なポイントになります。アレルギー用のフードはもちろん、食べ続けることによるアレルギー反応を防ぐためにフードをローテーションさせるなど、愛犬それぞれに合った方法でアプローチしていくようにしてくださいね。

目・耳・皮膚、バランスの良いケアを!

特にたれ耳・油分の多い肌・目が大きい、こういった特徴のある犬種はその全てをバランス良く管理していくことが重要になります。筆者の愛犬もシーズーで全て揃ってしまいますが、やはりどれかひとつを集中してケアしていると、特に治療中などは他の症状を見落としがちになってしまいます。

時間がたてばたつほど症状は重くなって治りづらくなりますし、愛犬にとっても大きなストレスになること。気持ち良く過ごしていけるためにもトータルケアをしていきましょう!

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