2016年10月05日

飼い主と愛犬の信頼関係構築。初めての散歩のしつけ方

犬の散歩は犬にとってもっともうれしい時間のひとつです。とくに、室内犬にとっては大切な運動の時間になります。しかしまた子犬の場合、散歩は飼い主の指示どおりに歩けるようにする「しつけ」の時間でもあります。また子犬が外の世界のルールとマナーを学ぶ時間でもあります。


子犬にとって初めての散歩はたのしい時間

子犬の散歩は、混合ワクチンの1回目と2回目の摂取が終わった後になります。子犬はワクチンが終わるまでは外に出ることもなく室内で暮らすことになるので、その間ストレスが溜まっています。
ですから、ワクチンが終わり、散歩が可能になった後の散歩の時間は、子犬のストレスを発散させるために不可欠な時間になります。

子犬の散歩入門

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犬は時間に敏感ですから、できる限り、同じ頃の時間に出かけるようにしましょう。
例えば、朝の6時に散歩すると決めたとします。子犬は昨日の朝の6時に散歩に連れて行ってもらったことは正確に覚えているものですから、6時近くになると、散歩に連れて行ってもらえるのだと期待して待っています。

飼い主と一緒の散歩は、子犬が外の世界に触れる、初めての時間です。

この時子犬ははじめてよその人間と出会い、飼い主と知り合いとの会話を聞くこともでき、散歩中の他の犬とも会えます。また初めて車やバイク、自転車にもすれ違います。

犬は、もともと人間や自然が好きです。子犬は、風に吹かれながら、道端の草の匂いを嗅いだり食べたりします。犬の嗅覚は、人の数百倍ともいわれます。
子犬はともかく好奇心が旺盛です。雀や蝶々などにもちょっかいを出そうとしたりします。
こうして徐々に、子犬は外の世界がどのようなものなのかを知っていくのです。

散歩の大切さのひとつは遊びの時間だということもありますが、また散歩は学びの時間でもあるのです。

散歩のしつけの重要性

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特に大型犬は、散歩のしつけは重要です。
自分勝手に飼い主を引っ張って歩く習慣がついてしまうと、飼い主が転ばされてしまうこともありますし、また他人にとびかかったりして怪我させることにもなりかねません。

小さな子ども、ジョギング中の人、散歩中の他の犬など、1回の散歩の間には、さまざまな出会いが待ち受けています。
そこで「オスワリ」「フセ」「マテ」のしつけが重要になってきます。どんな場合でも、飼い主は「オスワリ」の指示を出し、子犬がその指示に従うことができさえすれば、子犬は、急に飛び出したり、急に飛びかかったりすることはできません。

6ヵ月を過ぎた頃から本格的に、飼い主を引っ張らないという歩き方のしつけをはじめます。

飼い主の指示にしたがう訓練「リーダーウォーク」

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飼い主をぐいぐい引っ張って歩く子犬を、飼い主の指示に従って歩けるような子にしつけるには、リーダーウォークが効果的な方法だといわれています。

リーダーウォークは、リードウォークともいいますが、引き紐(リード)を首に装着しての歩行のしつけ方です。
「リーダーウォーク」とは和製英語で、英語では「Loose Leash Walking」といいます。直訳すると「引き綱が緩んだ状態での歩行」の意味ですが、常にリードはたるませておき、子犬自身が自由に動こうと思えば動けるようにした方法です。

さらにリーダーウォークには、もうひとつの意味が加わっていて、飼い主がリーダーであり、子犬はリーダーに服従することを覚えるという歩き方というニュアンスもあります。

リーダーウォークの方法

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リーダーウォークの方法は、次のようにしてはじめます。

(1)まず飼い主は「子犬の名前を呼んでから歩き」はじめます。子犬の注意を自分に向けさせる練習です。

(2)次に、飼い主は「少し歩いては止まって声をかけ」ます。再び、子犬の注意を自分に向けさせる練習です。

この立ち止まるしつけは、飼い主をぐいぐい引っぱって歩く子犬のしつけに、とくに効果があります。飼い主が声をかけて、子犬が立ち止まってくれたら、オヤツをひとかけらあげたり頭を撫でたりたりして褒めるようにします。

このリーダーウォークの方法を続けると、飼い主から名前を呼ばれても遊びを止めなかった子も、悪戯を続けていた子も、飼い主の言葉に注意を払うことができるようになります。もちろん、飼い主の指示をきちんと聞くことができるようになります。
指示で立ち止まることで、子犬は、飼い主とアイコンタクトを取ることを覚えます。

さらに子犬は、飼い主から離れた状態で歩くのではなく、飼い主のすぐ横で、リードをたるませた状態で、並んで歩くことができるようになってきます。

まとめ

このリーダーウォークの方法をマスターすれば、犬と飼い主の信頼関係は増しますので、どこへでも安心して連れていくことができます。さらに、突然の出来事が起こっても子犬は、飼い主の指示に従う準備できていますから、「トマレ」や「オスワリ」の指示を聞きます。
不意に飛び出してくる車に巻き込まれることや、他人に飛びついて怪我をさせてしまうなどのリスクはなくなり、子犬の命を守ることにもなります。

飼い主が愛犬を「連れていく」のではなく、愛犬自身が、飼い主に「ついていこう」と思うようになることです。しつけには時間がかかりますが、飼い主は、諦めることなく忍耐強く散歩の時間をたのしみながら、しつけをしていきましょう。

散歩が飼い主にとっても犬にとっても楽しいものとなるために、散歩のしつけは最初からきちんとしておくようにしましょう。