2016年10月07日

最期の一時を穏やかに迎えるために。高齢犬との暮らし方

「年取ったなぁ…」愛犬を撫でながらこう感じるときって、とても寂しくなりますよね。でも今までたくさんの愛情をくれた愛犬に、飼い主が出来る恩返しとは?最後の最期まで、穏やかに暮らさせてあげることです。そんな高齢犬との過ごし方や認知症についてのお話です。


愛犬の寿命を知り、老化に気づこう

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犬の寿命は犬種によっても違いがありますが、15年も生きれば長生きです。そして犬の老化が始まってくるのは7才前後からと言われています。愛犬との別れを考えると、知りたくないことでもありますよね。しかし愛犬が幸せに一生を過ごすためにできること、最大限に愛情をかけながら世話をしてあげることが飼い主の役割でもあります。

老化のサインが現れ始めたら、愛犬の過ごしやすい環境作りや体のケア、寝たきりになった場合の準備もしておきましょう。また、老化では無く病気の可能性がある症状もありますので、動物病院でも受診も忘れずに。

簡単に出来る!バリアフリーに模様替えをしよう

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愛犬のためにバリアフリー仕様の部屋づくりをするなら、老化が始まる前がおすすめです。急な環境の変化は愛犬の戸惑う原因となりますし、愛犬が間取りに慣れておくと老化がはじまったあとも安心して過ごせるでしょう。ここでは、簡単にできるバリアフリーのポイント3つをご紹介します。

段差をなくして、床は滑りづらくする

高齢犬に限らず、特に小型犬などは腰への負担を減らすように「段差をなくす」ことがバリアフリー作りの第一歩です。では、どうやって作るか?ソファやベッドなど、飛び乗るクセのある対象物には犬用の小さな階段が売っていますので、そちらがおすすめです。段差ゼロには出来なくても、これだけで負担はだいぶ軽減されるでしょう。

部屋と廊下の間にある段差などには、ゴム製のマットやカーペットがおすすめです。スロープのような役割となってくれますよ。もちろん、まだ愛犬が若いのであればまずは「飛び乗るクセを直す」ことが一番です。

また、滑りやすい床は腰の負担も大きく、骨折や脱臼の危険性もあります。カーペットではダニの問題などもありますから、犬用のクッションフロアなどがおすすめ。こちらはホームセンターで購入できますよ。

照明は明るめに、家具の角には保護シートを

基本的に犬は人間と比べて暗闇でも感覚で行動することが可能な生き物です。しかし、やはり視力が落ちてくるとさまざまな家具などが障害物に変わってしまいます。そのため証明は少し明るくしてあげるようにしましょう。

また万が一に備えて家具の角には保護シートをはると不要なケガをふせげますね。愛犬が年老いてきたら模様替えは少なめに。

外でのトイレを家の中へ

高齢になって散歩が難しくなってきた場合、今まで外でしかトイレをしなかった愛犬には非常に負担となってしまいます。少しずつ家の中でも出来る訓練をしていきましょう。その場合、最初は散歩にトイレシーツを持っていき、排泄のときにさりげなく準備をします。

少し慣れてきたら玄関先から徐々に中へと移動させていくと愛犬の戸惑いも少なく覚えられますよ!

ただし、散歩自体は愛犬が望むかぎりは出来るだけ連れていってあげても大丈夫です。

ハーネスやカートで散歩の工夫

愛犬が年をとっても、喜ぶ散歩にはなるべく連れ出してあげたいものですよね。でも足腰が弱って転びやすい…そんな愛犬には体にあったハーネスやコルセット、犬用のカートなどで愛犬に負担のかからない方法を取ってあげましょう。

ハーネス選びは、犬それぞれ必要なタイプが変わってきますので動物病院で相談してくださいね。

認知機能不全になったら

「認知機能不全」とは人間で言うところの認知症です。12才以上になると発症率が高くなります。この症状は「時間や季節、人が分からなくなる」「睡眠時間の崩れ」「排泄の失敗」など。飼い主さんの負担も大きいものですが、愛犬のために出来ることをしてあげたいですね。

自宅で出来る治療法

こういった症状が出たらまずは動物病院で相談をしましょう。その上で食事やサプリ、薬などの治療方針を決めます。そして自宅では毎日同じ時間の運動など、規則的に遊ばせる、また新しいおもちゃや人とのかかわりを多く持たせてあげましょう。

徘徊がはじまったら

徘徊が始まったら、まずは家庭内にある危険物から愛犬を守ることが第一となります。とくにキッチンや愛犬があやまって落ちてしまう可能性のある場所にはゲートを立てておきます。また頭を挟んでしまいそうな場所をふさぐことも重要です。

ぐるぐると円を描くように回る場合には、子どもようのプールなども有効ですが、家の広さなどが足りない場合にはなんでもいいので円く囲える工夫をしてあげてくださいね。

寝たきりになった愛犬への対応

寝たきりになった場合に一番心配なのはやはり「床ずれ」です。時間が許すかぎり2~3時間おきに体を動かしてあげるのがベストですが、ほかにもやわらかいベッドに変えたりドーナツ枕を使用するなどのケア方法もあります。

飼い主は心の準備をしておくこと

「縁起でもない」と思うかもしれませんが、愛犬との別れに心の準備をしておくことは大事なことですよ。人間とは寿命の長さが違うことを受け入れてください。飼い主さんが落ち着いていないと、愛犬もゆっくりと心穏やかに旅立てません。

また、実際に亡くなった場合に慌てないように葬儀社や火葬場の確認、棺桶の準備などをしてあげましょう。がんばったね、ありがとうね、そんな気持ちで愛犬に愛情をかけながら最期のひとときを迎える、これほど愛犬にとって幸せなことはないはずですよ。