2016年10月02日

全身が毛で覆われている犬が、洋服を着る理由って?

最近では、服を着ている犬を多く見かけるようになりました。犬は人間と違い、全身が毛で覆われているのに服は必要なのでしょうか。犬に服を着せる理由や目的はいくつかあります。犬の毛の種類や犬が服を着る理由について見ていきます。


寒さに強い被毛、寒さに弱い被毛

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犬は、体全体を毛で覆われていますが、その毛を被毛といいます。
被毛は、皮膚を外敵から護り、乾燥を防ぎ、病原体の感染を防ぎ、水を弾く役割をします。

この被毛には上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の二種類があります。
この被毛の構造がどうなっているかは、犬種によって異なります。

下毛(アンダーコート)を持つダブルコートの犬種は、それを持たないシングルコートの犬種より寒さに強い特徴があります。

(1)シングルコート

シングルコートは、上毛(オーバーコート)だけの被毛の犬種です。プードルやシーズーやマルチーズなどがいます。

プードルやシーズーやマルチーズの被毛はシングルコートですので、この犬種の犬が服を着る理由の1つは、防寒のためということもあります。

(2)ダブルコート

ダブルコートは、上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の二重構造の被毛をもつ犬種です。秋田犬、柴犬、ラブラドール・レトリバー、ブルドック、ビーグルなどが含まれます。

下毛(アンダーコート)は柔らかな密集した毛で、春先に抜けはじめて、秋に再び生えて寒さから身を護る役割をします。
ダブルコートの犬種は、シングルコートの犬種に比べると、寒さに強いため防寒のための洋服を着る必要はあまりありません。

服を着る犬たち

夏にはあまり見かけませんが、とくに冬など、小型犬が服を着ている姿を多く見ます。
しかし、最初から喜んで防寒着を着てくれる犬は稀なようです。服を着せられことに慣れないうちは、体が窮屈で拘束されているような気持ちになるからのようです。

では、なぜ犬が洋服を着るのか、なぜ犬に洋服を着せるのか、理由を見てみましょう。

防寒対策の服

冬に服を着ている小型犬が多いのは、温かい地域で改良されたためで、元々寒さに弱い犬種だからです。シングルコートの被毛のプードルやシーズーやマルチーズなどがこれに該当します。

抜け毛対策の服

抜け毛が散らばるのを防止するためという理由で、服を着せる場合があります。犬の抜け毛は結構深刻です。服はかなり効果があります。

汚れ防止のための服

外出先で、犬に汚れが付着するのを防止するために服を着せる場合もあります。近年は室内で飼育される犬は多く、また服を着せられるような犬が外で飼われているケースはほとんどないといっていいでしょう。外での汚れが家を汚さないために、服を着せて防ぐのです。

おしゃれのための服

これは人間ともかなり似た理由です。おしゃれが似合う犬がいます。飼い主はいろいろな服を着せ替えてかわいがっています。

どのような服が犬は着やすいのか

犬は、首輪を付けられ服を着せられるとおとなしくなる場合が多いといわれます。それは、犬が元来もっているDNAの服従性からのものです。
しかし、体を拘束されるものを身にまとったために、犬の気持ちが抑圧されて、ストレスになっているともいうことができます。
では、どのような服が、犬には着心地がいいのでしょうか。

頭からすっぽり被って前足の出る袖なしの服、前足を通してぼたんを止める服、前足を通して背中のチャックを止める服など、もたもたせずに着せられる服が、犬にとって着やすい服だとされています。

またどのような服が良いでしょうか。
通気性が悪いと、皮膚炎になる可能性があります。ですから天然素材で通気性の良い服を選びましょう。また、犬の運動を妨げるような、ぴったりすぎる服、フリルの付いた服、ダボダボの服、モコモコした素材、静電気の出やすい素材の服もできれば避けたいものです。

人間と同じですが、まずはその犬にあった服を着ることが肝心です。
また人間用の服は、子ども用でも犬の体型に合いませんので着せることは避けましょう。うまく動けなくてストレスになる場合もあります。

服を着る犬の気持ち

犬の気持ちが大事です。どんなに飼い主にとって可愛く見えても、犬が服をストレスに感じるのであれば台無しです。
とはいえ、服を着て褒められたりするのは、犬にとっても大抵の場合嬉しいことでもあります。
ですから、犬の気持ちを最優先して、服を着せたり選んだりするようにすることが大切なのです。

まとめ

犬が、洋服を着るようになったのは、番犬としてではなくペットとして飼い主のコンパニオンアニマルとして室内犬で飼われる犬が多くなったことが大きな要因です。さらに犬種としては、大型犬ではなく小型犬がペットとして選ばれることも多くなってきました。

犬の被毛はそれだけで美しいとも言えます。しかし現代では、犬も家族のライフスタイルに合わせるようになり、飼い主は、被毛のお手入れにも気を使い、飼い主の服装とマッチした洋服も着せるようになりました。寒さに弱い小型犬は、おしゃれが似合います。