2016年09月05日

犬のヒゲをカットするのはNG!?カットするときの注意点は?

猫のヒゲを切ったらダメという話はよく耳にしますよね。しかし、犬のヒゲについてはあまり話を聞くことがないため、切ってしまっても問題ないと思っている飼い主さんも多いです。実際のところ、犬のヒゲはカットしてもいいのでしょうか?


犬のヒゲはこんな役割がある!

猫のヒゲを切ってしまうと、平衡感覚がなくなって真っすぐ歩けなくなるという話は有名です。実は犬のヒゲも猫と同じく次のような大切な役割を担っているのです。

目を守っている

ぜひ愛犬のヒゲをちょんと触ってみてください。すると、触られたヒゲ側の目をつむろうとします。これはヒゲに何かが触れると犬は目を閉じる反射機能を持っているため。
長いヒゲで周囲の物を確認することで、目に何かがぶつかって傷つかないよう守る役割があるのです。

視界に入らないものを確認している

犬は鼻が前に長く伸びているので、どうしても口から下側の景色が見えません。そこで長いヒゲは、顎のあたりに何があるのかをいち早く察知する役割も持っています。ヒゲがあることで暗い部屋でも壁や家具などの障害物に気づくことができ、ぶつからずに移動できるのです。

また、食事の際に食べ物の存在を確認できるのも長いヒゲのおかげ。ヒゲを使って食べ物の位置を知ることで、口元が見えなくともスムーズに食べ物を口に運べているのです。

愛犬のヒゲを切ってはいけないの?

さまざまな機能を持っているヒゲですが、トリミングに行くと当たり前のようにヒゲカットのメニューがありますよね。実際のところ、犬のヒゲは猫よりも感覚器としての機能が弱いため、飼われている犬であればカットしてもそこまで影響はないのです。

トリミングでは飼い犬の生活に影響することはほぼないため、あえて愛犬の口元をすっきり可愛く見せるために、ヒゲごとカットするのが当たり前になっています。

ヒゲが生えていなくとも、顔周辺に物が近づいてきたら自然と目を閉じますし、食べ物は鼻先で確かめながら食事をすることが可能なのです。

高齢犬や目や耳がよくない愛犬はカットを控えよう

注意したいのが目や耳が不自由な愛犬の場合。
目が見えなかったり耳が聞こえなかったりする愛犬は、ヒゲの触覚を頼りに行動することが多くなっています。いわば不自由な目と耳の代わりにヒゲを使っているため、この場合はカットせず自然な状態で伸ばしてあげましょう。

特に高齢になって視力や聴力が下がってきたケースや、白内障が進んで周りが見えなくなった愛犬であれば、ヒゲのカットは控えておきトリミングの際も伸ばしたままにして欲しいと伝えてください。

愛犬のヒゲを上手にセルフカットする方法

愛犬の健康状態に問題がなければ、飼い主がヒゲをセルフカットしてあげることができます。それでは具体的なヒゲのカットのやり方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

①小さめのハサミを用意する

まず、カット用のハサミは通常の紙切りバサミよりも小ぶりの眉毛切りバサミがおすすめです。ヒゲのような細かい部分のカットは小さめのハサミを使うと小回りが利いて、きれいにカットできます。

ただしヒゲは意外と頑丈なので、ソーイングセットに入っているような小さすぎるハサミだとうまく切断できないことも。飼い主が使いやすい小ぶりのサイズのハサミを使用しましょう。

②愛犬を抱き込むような姿勢をとる

次に愛犬が暴れないように、後ろから抱き込むようにして固定しましょう。抑え込むと暴れてしまう場合は、一旦時間を置いてリラックスしている時をねらって挑戦してみてください。

また、どうしてもカットを嫌がる場合は無理に抑え付けず、トリマーなどプロにお願いして安全にカットしてもらってください。

③鼻先を軽くつかんで根元からカット

愛犬を抱き込んだ状態のまま、鼻先を軽く抑えつつヒゲをカットしていきましょう。このとき、周囲の毛をかき分けながら根元にハサミを置くときれいにカットできます。

ヒゲは複数本生えていますが、一度にまとめて切らず一本ずつ切っているのがコツ。ヒゲは固く頑丈なので、一本ずつ時間をかけてていねいにカットしていってください。

④眉毛の毛もカットする

口元のヒゲのカットが済んだら、そのまま眉毛もカットしてあげましょう。愛犬の目の上をよく確認すると、ヒゲと同じような太い毛が数本生えています。目にハサミがぶつからないよう注意しながら、口元のヒゲと同じく一本ずつカットしていってください。

このとき、根元の部分からしっかりカットしてあげると見た目もきれいに、長持ちしますよ。また、抱き込んだ姿勢のときに利き手側のヒゲからカットするとやりやすいです。

ちなみにヒゲを毛抜きで抜くのはNG。ヒゲは太く頑丈なので抜こうとすると愛犬が痛がってしまいます。必ずハサミを使ってきれいにカットしてあげてください。

愛犬のひげのケアまとめ

普段あまり注目することがない愛犬のヒゲですが、実は人にはない便利な機能が備わっていたのです。しかし、飼い犬であればヒゲがなくとも生活に支障はほとんどないため、飼い主の好みに合わせて短くカットしても問題ありません。カットの際は愛犬にケガをさせないよう細心の注意を払い、ていねいに切ってあげてください。