2017年01月12日

【もうビビリ犬とは言わせない!】愛犬の怖がりを安心に変える3つのステップ

こんにちは。愛玩動物飼養管理士のヤナセです。 愛犬が極度の怖がりだった場合、怯えてワンワンと吠え続けるなど問題となる行動へと発展することがあります。愛犬にとっても怖がりながら生活するのはストレスの元!何とかしてあげたいですね。ビビリ犬に悩んでいる…という飼い主さんへ、愛犬の怖がりを和らげる3つのステップをご紹介します!


うちの愛犬、ビビリ犬?

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うちの仔…とっても怖がりで、すぐオシッコを漏らしちゃうの。家にお客さんが来ると、後ずさりしながら、ずっとワンワン!と吠えて困っちゃう。
電話が鳴ると、落ち着かなくなるの。どうしたらいいのかしら?

そんなお悩み、ありませんか?

極度の怖がりな犬…俗にいう「ビビリ犬」には特徴があります。

●叱ったり、褒めたりすると、オシッコを漏らす。
●見慣れない人や犬を見ると、後ろに下がりながら吠え続けたり、シッポを股の内側に巻き込む。
●身体に触れようとしたり、抱き上げようとすると、全身を硬直させる。
●散歩に出ても、踏ん張って歩きたがらない。
●常に耳が後ろに傾いている。
●音に反応して、ウロウロと落ち着かなくなる。
●少しでも驚くと、悲鳴を上げる。

…など、愛犬に当てはまる様子はありませんか?
もし、いくつか当てはまるようなら、もしかしたら愛犬は「ビビリ犬」かもしれません。

警戒心の強い犬と、ビビリ犬の違い

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「攻撃態勢」と「防御態勢」

犬は、テリトリーを守る意識と防衛本能を持っています。
自分のテリトリーを犯すものに対して、怖いという気持ち、守ろうとする気持ち、疑いの気持ちなどから警戒心を持ち「攻撃態勢」または「防御態勢」を取ります。

「攻撃態勢」の代表的な様子は
●身体を前に傾ける
●耳を前に傾ける
●鼻にシワを寄せて前歯を向き出しにする
●背中の毛が逆立つ
●シッポを立たせる など。

「防御態勢」の代表的な様子は
●姿勢を低くして身構える
●耳を後ろに傾ける
●鼻にシワを寄せる
●背中の毛が逆立つ
●シッポを内側に巻き込む など。

ビビリ犬は攻撃態勢と防御態勢を繰り返す

「攻撃」と「防御」では、いくつかの違いがありますが、実は心理的には同じもの。
どちらも「怖い」という気持ちが潜んでいます。

警戒心が強い犬の場合は、オンとオフの切り替えがしっかりしており、警戒しなくても大丈夫だと認識すると、すぐに落ち着いて過ごします。

ビビリ犬の場合は、恐怖心をあらわにして「攻撃態勢」や「防御態勢」を繰り返し、大丈夫だと認識する暇もなく、落ち着きません。

怖がりは臆病な性質から来る

ビビリ犬になってしまうのは環境だけの問題ではありません。
元々の生まれながらに臆病な性質を持っています。
「性格だから仕方ない」と飼い主が諦めてしまいがちですが、恐怖心を持ちながらの生活は犬にとって多大なストレスにしかなりません。
ストレスの積み重ねから病を引き起こしたり、問題行動を起こすようになる場合もあるので、愛犬と長い時間を幸せに暮らしていくためにも、恐怖心を和らげていくことが大切です。

怖がりな性格を和らげる3つの方法

臆病な性質を根本から修正することは、とても困難なことです。
しかし、臆病な仔でも、極度の恐怖心を和らげていくことは、ある程度の訓練により克服または和らげていくことが出来ます。
恐怖心を無くしていくために、一番大事なことは「安心」を覚えてもらうこと。
愛犬に「安心」を感じてもらうために、基本的な3つのステップをご紹介します。

ステップ1・ホールドスチールとマズルコントロールで安心を教える

愛犬が伏せた状態にします。飼い主は、その上から覆いかぶさるように愛犬を抱きかかえて固定します。(ホールドスチール)
暴れたり、すり抜けようとしても、しっかり押さえ込んで「しー」と静かにする合図の声掛けをします。
大人しくなったら「イイコ」など褒めの合図の声掛けをかけます。
そのまま、愛犬のマズルを持ち、左右上下にゆっくりと動かします(マズルコントロール)
途中で暴れたり、すり抜けようとしたら、ホールドスチールで押さえ「しー」と静かにする合図の声掛けをして、愛犬が落ち着くまで待ちます。
※マズルコントロールを極端に怖がるようなら、無理をしてはいけません。その場合はホールドスチールまでのトレーニングにしましょう。

ステップ2・叱らずに、顔を固定して落ち着くタイミングを教える

愛犬がホールドスチールとマズルコントロールに慣れてきたら、日常の中で攻撃や防御の態勢を取ろうとしたとき、愛犬の顔を手で挟み固定しながら、愛犬の頬から耳にかけて撫で、「しー」と静かにする合図の声掛けをします。
顔を左右に振って抜け出そうとしても、合図をかけながら撫で続けます。
愛犬が落ち着いたら「イイコ」など褒めの合図の声掛けをします。

ステップ3・愛犬の居場所を決定する

ケージ、もしくは座布団など、愛犬が安心する居場所を設置します。
ステップ1・2のあとは、居場所となるところへ愛犬を誘導するようにしましょう。
ご褒美のオヤツをあげたり、オモチャを与えて、その場でくつろげる環境を作ります。
愛犬が居場所に慣れてきたら、日常の中で攻撃や防御の態勢を取ろうとしたとき「しー」と静かにする合図の声掛けをしながら安心の居場所に誘導します。
愛犬が落ち着いたら「イイコ」など褒めの合図の声掛けをします

まとめ

ステップ1・2・3は毎日の繰り返しが必要です。ポイントは、合図の言葉は均一にすること。愛犬も落ち着いた時の安心を体感できるようになれば、飼い主の合図で落ち着くタイミングをつかんで、恐怖からのパニックを防ぐことが出来ます。
安心のある愛犬生活をスタートしましょう!