2017年11月06日

猫の糖尿病の原因、症状、治療とは?飼い主にできる2つの予防策

猫も糖尿病になるときいて驚く方がいますが、犬も猫も人間と同じで加齢とともに糖尿病発症の確率は増加します。糖尿病になるのは200匹に1匹という資料もありますが、愛猫の糖尿病に気づかない飼い主が多いのでしょう。今回は猫の糖尿病について考え、もしもの時にはしっかり治療してあげられるようにしましょう。


猫の糖尿病の原因は?

猫の糖尿病の原因はまだ特定されてはいませんが、いくつかの要因が重なって発症すると考えられています。

加齢

9歳以上の猫は糖尿病になりやすくなりますが、これは加齢によって基礎代謝が落ちることと関係しているようです。

肥満

体重の増加に従って糖尿病の発症率も上がります。3kgの猫の糖尿病発症率と比較して、4kgでは3倍、5kgでは5倍、8kgでは20倍となっています。日本の飼い猫の場合、二匹に一匹は肥満です。この点は飼い主が気をつけなければいけません。

品種

品種による糖尿病の発症率調査が行われ、バーミーズ、ノルウェージャンフォレストキャット、トンキニーズの発症率が他より高いというデータがありますが、発症に関する遺伝子は特定されていません。これから研究が進んで明らかになる分野でしょう。

膵臓(すいぞう)疾患

膵臓に発生した炎症や腫瘍によって糖尿病になることがあります。膵臓はインスリンを分泌して血糖値を一定濃度にコントロールする働きがありますから、糖尿病と深いかかわりのある臓器なのです。

投薬

ある種の薬はインシュリンの働きを弱めて糖尿病を引き起こすことがあるので、長期間薬を服用する場合はかかりつけの獣医さんに相談しましょう。

猫の糖尿病の症状は?

猫の糖尿病は病気らしくない症状から始まるので、飼い主さんは異変に気づかないことが多く、糖尿病を悪化させてしまうことがよくあります。

水をたくさん飲む

猫は本来あまり水を飲まない動物ですが、糖尿病になると喉が渇くので水を大量に飲み、尿の量も増えます。

たくさん食べる

食欲が増してたくさん食べるようなりますが、体重は増えません。よく食べるので、飼い主さんは「うちの子は元気!」と思ってしまいがちです。

歩き方が変になる

神経系に異常が生じるので、おかしな歩き方をするようになります。かかとを床につけて歩いたり、後ろ足が立たなくなったりしたら要注意です。

急激に痩せる

糖尿病がかなり進行すると、急激に痩せたり吐いたりするようになります。

猫の糖尿病の治療ってどんなことするの?

猫の糖尿病の治療法は、主に2つです。

インシュリン注射

インシュリンを投与して糖を体内に取り込めるようにする治療を行ないます。毎日動物病院に連れて行って獣医さんに注射してもらってもいいのですが、それだと猫の負担になってストレスの元です。大抵は病院で指示された量のインシュリンを家で飼い主さんが注射します。うちの子の場合はかなり高齢だったこともあり、だんだん血糖値が安定しなくなり低血糖で死にかけてしまいました。それからは毎日朝晩、病院で血糖値を計ってからインシュリンを打つという生活になりました。

食事療法

糖尿病に食事療法は欠かせませんから、糖の吸収をコントロールするフードに切り替えましょう。糖尿病と診断されると、動物病院で糖尿病用のフードを勧められると思います。基本的には獣医さんが勧めてくれたフードを食べさせればいいのですが、なかなか食べないのが普通です。猫は食に対して気難しいので、どんな病気になっても食餌療法には苦労します。「ぜんぜん食べてくれません」「お気に入りの缶詰と混ぜても見向きもしてくれません」などと嘆く飼い主さんはとても多いのですが、それでは甘いのです。治療のためですから強制的に食べさせてください。ペースト状にしてシリンジに入れて、指定された量を強制給餌しましょう。

猫の糖尿病は予防できるの?

猫の糖尿病の予防法は、主に2つです。

太らせない

太ってしまった猫のダイエットは難しいのですが、太らせないようにすることは飼い主さんの努力次第で可能です。かかりつけの獣医さんに相談して、太らないキャットフードを若いうちから食べさせましょう。食事の量はしっかり管理し、おやつをあげた時には食事量を減らして摂取カロリーを守るようにしてください。

定期的に健康診断を受ける

前述の通り、猫の糖尿病は症状が病気らしくないので非常にわかりにくいのです。定期的に健康診断を受けることによって、数値で異変に気づいてあげることが大切です。糖尿病初期で見つかった場合には、インシュリン投与が必要なところまでいかずに食い止めることもできます。

まとめ

いかがだったでしょうか?猫の糖尿病は初期に気づいてあげることが大切なので、飼い主の意識が高くないと病気を悪化させて早死にさせてしまうことになりかねません。まずは太らせないことから始め、定期的な健康診断を受けましょう。「糖尿病の傾向があります」という程度の初期の段階で食事療法を始めるなら、猫ちゃんの命を伸ばしてあげられるでしょう。