ペットが亡くなったらどうする?ペットの葬儀・お墓事情

ペットが亡くなったらどうする?ペットの葬儀・お墓事情

大切なペットが亡くなったら、あなたはどうしますか? 昔なら庭に埋葬する、というのが一般的だったでしょう。しかし「ペット=家族」という考え方が浸透し「ペットの葬儀」「ペット霊園」も一般的になってきています。そんなペットの葬儀や埋葬、お墓事情を紹介します。


こんにちは。小動物看護士(ドッグシッター/小動物介護士)の須永智尋です。ペットは家族。人と同じ。そんな考え方が広く浸透し、今では人と同じようなペットの葬儀や霊園が極当たり前にように執り行われています。どんどん人と同じレベルになっていくペットサービス。今時のペットの葬儀・お墓事情を紹介します。

死んだペットはどういう扱いになる?

「ひどい!」という方が多いかもしれませんが、日本の法律ではペットは物扱いです。生きていても、死んでいてもペットは「物」であり、死骸は「ゴミ」と同じ扱いになってしまいます。

このため、死骸は庭に埋めても、極端な話「ゴミ」として廃棄してもOKなんです。自治体によっては、野犬や野良猫を一般廃棄物扱いしていて、ゴミ焼却に使う焼却炉で焼却している例もあります。

大切なペットをそんな風に扱うなんて考えられない! ゴミなんてありえない! そんな風に考える人が多くなり、ペットの葬儀や霊園といったサービスが急速に増えてきています。

土葬にする? それとも火葬?

死んだペットを庭に埋める、いわゆる「土葬」をする人もいますね。犬猫に限らず、ハムスターやインコなど、小動物の場合は家でお別れをし、家の庭に埋葬して花を飾ったりする人も多いでしょう。

これとは別に、人と同じように「火葬」する人も増えています。家族の一員として人と同じようにお骨にして送ってあげたいと考える人も多いですね。

人と同じように棺にペットを入れて、ペットの火葬を行ってくれる業者にお願いしてお骨にしてもらいます。

専用炉を持つ業者の所へ自分でペットを運ぶ方法、引き取りに来てもらう方法、移動火葬車に自宅まで来てもらう方法など、様々な方法があります。また、火葬サービスをしている自治体に依頼する方法もありますよ。

お骨はどうする? 埋葬の方法

火葬した時、人と同じようにお骨を拾い上げることができます。骨壺に入れて飼い主が自宅に保管したり、ペット霊園に埋葬したり、場合によっては人のお骨と同じ場所にペットのお骨を埋葬することが認められるケースがあります。

なお、人のお骨と同じ場所へペットのお骨を埋葬する場合は「副葬品」という扱いになります。いわゆる「埋葬」とは区別されますよ。

また霊園を構えるのではなく「納骨堂」に納めたり、「散骨」というケースもあります。さらに「バーチャル霊園」といって、パソコン上に仮想の霊園を作って都合のいいときにいつでも手を合わせられるようにするサービスもあります。

ペットを飼う家庭の増加、ペットを飼う世帯の多様化、飼い主の考え方の変化、霊園の数、ペットの数など多くの要因が重なり「埋葬」と一口に言っても多種多様なサービスがあります。

ペットの葬儀はどうする?

飼い主の考え方次第、どれくらいお金を掛けるか、によって「葬儀」の内容も大きく変わってきます。

・家族だけで見送る自宅葬
・犬トモ、猫トモなど友人を招いてお別れ会をする
・自宅に祭壇を作って家族だけで葬儀を執り行う
・業者に依頼し、人でいう告別式の開場を作ってもらう
・僧侶を呼び、読経を依頼する
・業者に依頼して、通夜、告別式、お別れ会など人と同じように葬儀を執り行う

ほとんど、どんなサービスでも可能になっています。また、ペットの種類も犬や猫にとどまらず、ハムスター、ウサギ、ヘビ、カメ、トリなど、ほとんど全てのペットの葬儀を依頼できるようになっています。

ただ、ウシやブタ、ヤギ、ヒツジといった「家畜」に分類される動物は「ペット」として火葬したり埋葬することはできません。家畜は家畜伝染病予防法という法律で、肉や皮、毛、骨などの取り扱いルールが厳格に規定されています。

ミニブタやヤギなどをペットとして飼っている場合は希望通りの葬儀を執り行うことができない可能性がありますから注意してくださいね。

ペットの葬儀に招かれたらどうする?

飼い主の考え方次第ですが、もし、友人のペットの葬儀に招かれたらどうしたらいいでしょう。その葬儀の規模や形式にもよりますが、一般的には喪服を着たり、香典を準備する必要はありません。

お悔やみの言葉を飼い主に掛けてあげれば充分ですが、花束や思い出の写真などを持参するのがいいでしょう。好きだったおやつ、ペットグッズなどは葬儀後の取り扱いに困るケースがあります。そのようなものは持参しない方がいいですよ。

ペット同伴で参列していいかどうか。これは葬儀を執り行う側に確認しておきましょう。飼い主の家で行う場合はOKでしょうが、公共の場だったり、業者が準備した開場などではペットの入場NGというケースもあります。

お悔やみの言葉をかけながら、確認しておきましょうね。

こんなトラブル要注意!

ペットの埋葬や葬儀が多様化する中、金銭が絡む詐欺、ご近所問題、霊園や業者が周辺住民とトラブルになるケースなど、多くの問題が取りざたされるようになっています。

金銭トラブル

火葬をお願いしたら、後から「骨壺代」「燃料代」「手続き料」などを追加費用として請求された。葬儀の「祭壇費」「花代」「開場利用料」などを追加請求された。見積書にない費用が上乗せされていた。しつこく追加料金を請求され続けた、といったケースが多くあります。

ご近所問題

移動火葬車をお願いしたら、火葬している最中に「悪臭がする」「煙たい」「うるさい」などの苦情が近所から寄せられた。中止を迫られた。こうしたトラブルもあります。ちゃんとした移動火葬車なら悪臭も煙も出ないものです。粗悪な設備の業者に依頼すると起こりうるトラブルです。

霊園や火葬場と地域住民のトラブル

これは地域住民の感情・心理的な問題が関係していたり、霊園や火葬設備といったハード面の問題が関係しているケースが多く、裁判になることもあります。判決が降りても解決に至らないケースもあり、非常に難しい問題です。

こうしたトラブルに巻き込まれないよう、依頼する側が業者を見極める必要があります。業者の説明を熟考する、経験者の話を聞く、口コミを参考にする、業者や霊園の見学など慎重に依頼先を選んでトラブル回避に勤めましょう。

情報を上手に集めて終活しよう

今はペットの葬儀も埋葬も、飼い主が望む方法のほとんどが叶う時代です。じっくり検討し、どれくらいの予算で、どんな葬儀や埋葬を希望するのか。どこに依頼し、どんな人達と最後の別れをするのか。時間を掛けて考えるようにしましょう。大切な家族の一員のため、最後までトラブルなく送ってあげられるようにしたいですね。

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