犬を手放すと決めたら、もう一度考えること

犬を手放すと決めたら、もう一度考えること

犬を飼ったら、その生涯を愛情を持って接すること。これが基本ですがそれでも毎日、さまざまな理由で手放される犬たち。引っ越しや多忙など身勝手な理由はもってのほかですが、重篤なアレルギーなどどうしようもない理由にパニックになっているとしたら、どうぞ落ち着いて、もう一度考えてみて下さいね。


犬は無償の愛情で、飼い主を忘れない

犬は半年後、10年後のことはもとより明日のことさえ考えていません。犬はいつでも「今」を見つめています。暖かい家でのあたたかい愛情を疑うことなく受け取り、その愛情が突然終わりを迎えることなど予想する術を持たないのです。

そして、かけられた愛情を忘れることもありません。さまざまな理由で手放された犬たちも、その最初の飼い主のことはずっと覚えています。辛くても悲しんでも、それでも飼い主を恨むことは無いでしょう。それだけに、愛犬を手放さなければいけない状況の方は、非常に苦しいですよね。

そういった状況になったときに飼い主さんはパニックになって「保健所」という文字が頭をよぎるかもしれません。しかしそれだけはしてはいけない選択です。まずは落ち着いて、解決策はないのか?どうするのが愛犬にとってもベストな方法かを考えていきましょう。

もう一度、手放す理由を考えてみよう

なぜ、愛犬を手放すという選択に至ったのでしょうか?その理由によっては十分に解決できることもあります。もしその理由を見つめなおしたときに「身勝手かもしれない」と思ったら、もう一度愛犬と最初からコミュニケーションを取り飼い主としての責任を持ちましょう。

引っ越しや多忙?飼い始めたころを思い出して

多くの愛犬家にとっては信じられないようなことですが、「引っ越し」や「多忙」が理由で愛犬を手放す人は多いのです。しかし、もしそういった人がこの記事を読んでいるのならわかってほしいこと、それは仕方ないことではなく「身勝手な理由」なんです。

引っ越しも多忙も、十分に予想できたはず。もう一度、愛犬を飼い始めたころの気持ちを思い出してみてください。「絶対に死ぬまで面倒を見る」と誓いませんでしたか?愛犬はその気持ちや愛情を純粋すぎるほど疑わずに受けとっています。心から、あなたの事を信頼しています。

しかしそんな飼い主に突然捨てられてしまったら。愛犬の心の傷は一生消えません。引っ越しなら、どうにかしてペット可の物件を見つけて下さい。少しくらいお留守番が長くても、捨てられるよりはずっとマシです。出張が入り始めたならペットホテルなどを活用しましょう。

吠え癖、噛み癖、プロの手を借りましょう!

愛犬がなつかないなども非常に身勝手な理由のひとつですが、小さなお子様がいれば愛犬の噛み癖は大きな問題かもしれません。犬との信頼関係を築き、犬の精神状態を安定させることが第一ですが、それでも難しい場合にはドッグトレーナーなど「プロ」の力を借りましょう。

そういったことが理由で手放された犬は、さらに人間不信となり悪化する可能性もあります。そうなると、新しい里親を見つけることも難しいのです。

どうしようも無く手放すと決めたら

同居の家族に重いアレルギー症状が発症したなどどうしようもない理由(なかなかそれ以外でどうしようもない理由は通常ありませんが)で愛犬を手放さざるをえないとき。どういった解決策があるでしょうか?

軽いアレルギー症状なら、犬の同居は可能

くしゃみや鼻水程度の症状であれば、愛犬を手放す決断をするのはまだ早いです。部屋数の多い家に引っ越す、犬との接触を減らすなど愛犬も一緒に暮らせる方法を見つけていきましょう。

基本的なことですが、日々の徹底した掃除や空気清浄機の活用、また愛犬にはちょっとかわいそうですが玄関先で飼う、昼間はなるべく外へ出しておくなどの方法もあります。手放す前に、もう一度家族で相談をしましょう。

自分で里親を探す

例えばアレルギーの症状が非常に重く、犬が同じ空間にいるだけで呼吸困難を起こすような場合にはさすがに共存していくのは難しいでしょう。しかし、そんな場合にも飼い主として最後の責任は果たすべきです。

すぐに保護団体へ預けるのではなく、まずは自分で里親となってくれる人を探しましょう。その場合には、もちろんその人の家庭環境や人柄をしっかりと見定めて、愛犬が二度と悲しい思いをすることの無いように最大限の努力をしてあげたいですね。

ボランティア団体の力を借りる

全国にある犬や猫を保護している団体を探し、理由を説明し協力してもらいましょう。早急な対応が必要な場合には引き取ってもらうほかありませんが、まずは譲渡会などへ自ら参加する姿勢を持ちましょう。また引き取ってもらったからさようなら、では無く、その後の里親探しには必ず協力をしましょう。

保健所への引き渡し・捨てるは絶対に選択肢に入れない

上記のような、犬といることで命に係わるような理由で手放す場合にも、「保健所への持ち込み」「捨てる」この2つだけは絶対に選択肢に入れてはいけません。どんな理由があったとしても、この選択をした罪だけは生涯かけても償えないものです。

保健所での殺処分、それは安楽死ではない

保健所に連れてこられた犬や猫は、安楽死のように苦しまずに死んでいくと思いますか?実は真逆の殺処分方法であることがほとんどです。狭く冷たい部屋のなか、苦しみもがき死んでいきます。この状況は誰が悪いのでしょうか?行政でも、ましてや保健所職員でもありません。

捨てる飼い主がすべて悪く、保健所に連れ込んだ人は、自ら手を下してはいなくても愛犬を殺したことと同じです。

もう一度、考え直してみること

愛犬を手放すと決めた飼い主さん、しつけの方法は見直しましたか?掃除など家の環境は整っていますか?薬で改善できる問題ではありませんか?犬の介護施設、幼稚園、しつけ教室、そういった施設は探しましたか?
もう一度、本当に手放すしかないのかを考えてみてくださいね。

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