こんにちは。小動物看護士(ドッグシッター/小動物介護士)の須永智尋です。猫の性格は自由気まま、気紛れで飼い主を振り回す。そんなイメージですよね。そのイメージ通り、猫は色々な場所を行き来し、お気に入りの場所を複数作ります。いつもいる場所、隠れ家、別荘など、複数の寝床が必要になります。そんな猫の寝床事情を紹介します。
猫はいろんな気分がコロコロ入れ替わる
猫は気分屋と言われるように、数秒でコロリと気分が変わります。猫には大きく分けて4つの気分があると言われていて、それらが早いスパンでコロコロと入れ替わっています。この気分を知っておくと、猫の行動を理解し易いかもしれませんよ。
■親猫気分
獲物を捕ってきて飼い主に与えようとしたり、飼い主を毛づくろいして綺麗にしようとしたり、母猫のような仕草を見せる時の気分です。
■子猫気分
思わず「かわいい!」と言いたくなるような子どもっぽい仕草をする時の気分です。柔らかな毛布などをモミモミしている時がまさにそうですね。遊んで欲しい、甘えたい、構って欲しい。そんな時に見せる愛らしい仕草は子猫気分によるものです。
■野生気分
外へ出る習慣がある猫によく見られる気分です。猫はこの気分に浸っているときは飼い主が声をかけても無視します。一匹狼ならぬ、野生で逞しく生きる野良猫の気分で、室内飼い猫でも狩りをしようとしている時はこの気分に浸っています。
■ペット気分
室内飼い猫の特権と言える、警戒心ゼロで飼い主にご飯をねだったり、ソファの上で腹を出して眠っている時の気分です。
以上の4つの気分がどれくらい顕著に表れるか。これによって猫の性格が決まりますし、どの猫もこうした4つの気分がコロコロと変わって行動に影響しています。
猫の寝床は複数準備しよう
愛猫の行動をよく観察してみてください。どこにどれくらいの時間、居るでしょうか。お気に入りの場所がたくさんあると思います。特に寝床として利用する場所は猫の行動範囲内の至る所にあるのではないでしょうか?
飼い主に甘えたい子猫気分の時は飼い主の布団に入ってくるでしょうし、野生気分の時は飼い主の目が届かないところや高い家具の上などでじっと身を潜めているかもしれません。猫が寝床として利用する場所は色々変わります。
この猫の行動に合わせて寝床は複数準備してあげましょう。飼い主の意見が猫にとってそぐわないものの場合は、どんなに「いい! 素敵!」と思える寝床を準備してあげても使ってもらえません。
猫の意見・気分最優先で準備するようにしましょう。
飼い主のベッドも寝床のひとつ
猫にとって飼い主は親であり、子であり、恋人であり、仲間です。気分によって飼い主のことをいろんな対象としてみています。
このため、飼い主の匂いが付いたものは猫にとってとても大切なお気に入りのものなのです。特に布団は子猫気分やペット気分の時に存分に甘えることができたり、安心できるものでお気に入りの場所のひとつのはずです。
この飼い主の布団を寝床として与えることはいいことです。しかし、ここひとつだけでは全然足りません。必ず他にも準備し、自由に行き来できるようにしてあげましょう。
おすすめの寝床
猫が好きな物と言えば、ダンボール箱、洗濯カゴ、旅行カバン、紙袋などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
可愛い猫用ベッドよりも、ダンボールだったり紙袋といった味気ないと思えるような物に好んで入り込んだりしませんか? 正直な所、ダンボール箱に毛布一枚入れてやれば充分なのです。
また、土鍋など「湾曲していて体がフィットする形のもの」も好きですね。いわゆる「ねこなべ」で人気がでて猫に土鍋などを与えた経験がある愛猫家も多いかもしれません。
「ねこつぐら」というものをご存知でしょうか。「つぐら」とはワラで作った器です。保湿性や通気性がよく、中が狭くて薄暗いので気に入る猫は多いようです。
もともと、野生の猫は木の洞など、穴のような所に入り込んで眠っていました。この習性が残っているため「スッポリ入り込んで隠れられる所」が好きです。猫の習性、愛猫の好みに合わせて寝床を選んであげましょう。
また、ウール製品など、柔らかくて思わずモミモミしたくなるような素材も猫は好きです。噛みちぎってボロボロにしたり、飲み込んでしまうケースがあるので注意が必要ですが、猫の気分を満たすことができるよう、寝床と合わせて毛布も選んであげたいですね。
寝床で排泄してしまう?!
時々、猫が寝床で排泄してしまう、というトラブルがあります。これにはいくつか理由が考えられます。