2017年11月06日

猫の関節炎の原因、症状、治療とは?飼い主ができる4つの予防策

成猫の半数以上が関節炎を患っています。老猫になるとその9割が関節炎だといいますから、これは大変身近な問題ですね。関節炎になってしまった猫は痛みのために元気がなくなったり、逆に攻撃的になったりしてしまいます。今回は猫の関節炎について考え、予防してあげられるようにしましょう。


猫の関節炎の原因は?

猫の関節炎の主な原因は2つあります。

加齢

加齢によって筋力が低下すると関節に加わる負荷が大きくなってしまうので、関節の軟骨がすり減ったり変形したりして炎症が起きます。

肥満

太り過ぎると関節に負担がかかってしまうのは、人間も猫も同じです。特に室内飼いの猫は運動不足になりがちで、食べて寝て、食べて寝ての繰り返しの生活になってしまうと、どうしても太ってしまいます。日本の飼い猫の場合、二匹に一匹は肥満です。加齢は止められませんが、肥満は解消できるはずです。

猫の関節炎の症状は?

猫は我慢強いのでかなり痛みがあっても平静を装っていて、飼い主が猫の関節炎に気づかないことがよくあります。

高いところに上がらない

猫は本来、高いところが大好きですが、関節炎になると下に飛び降りた時に激痛が走るので高いところに行かなくなります。

走らない

痛い関節をかばっているので、走らなくなります。

立ったり座ったりするときためらう

立つにも座るにも痛みが伴うのでためらいがちになり、ゆっくり立ち上がったり、もたもたしてから座ったりします。

足を引きずる

関節が痛いので正常に歩けなくなることがあります。痛みのひどい部分に負荷をかけないように、足を引きずって歩いているのです。

体に触られるのを嫌がる

痛みが走るので、触られたり抱っこされたりするのを嫌がります。体をなでられるのが好きだった猫が触られたくなくなったら、関節炎を疑ってください。

元気がなくなる

常に痛みがあるために元気がなくなります。名前を呼んでも顔は向けますが、飼い主のところまで来なくなる子が多いようです。

攻撃的になる

痛みのせいで攻撃的になったり警戒心が強くなることがあります。叱らずに大目に見てあげましょう。

ごはんを食べなくなる

痛みによる過度のストレスでごはんを食べなくなることがあります。水も飲まなくなったり衰弱してしまうこともあるので、かかりつけの病院に相談してください。点滴や強制給餌などで栄養補給が必要になります。

猫の関節炎の治療ってどんなことするの?

猫の関節炎は治療によって完治させることが難しく、対処療法で負担を減らす治療になります。

鎮痛消炎剤

非ステロイド系抗炎症剤や鎮痛剤が投与されます。猫のために良かれと思って痛み止めの薬を与え過ぎり、前回飲ませ忘れたから二回分飲ませるなど、飼い主の判断で量を増やしてはいけません。胃腸や腎臓に負担がかかります。必ず獣医さんに指示された量を守って与えてください。

サプリメント

軟骨を構成する成分を作るグルコサミンや、軟骨の水分を保持してクッション性を高めるコンドロイチンのサプリメントを獣医師からすすめられることがあります。お薬とは違うのですぐに関節炎が良くなることはありませんが、副作用がないので安心です。

外科手術

症状が重い場合には関節の負担を減らす外科手術を行なうこともありますが、非常に難しい手術なので一般的ではありません。

猫の関節炎は予防できるの?

関節にかかる負担をなるべく減らすようにして関節炎を予防します。

太らせない

太ってしまった猫のダイエットは簡単ではありませんが、太らせないようにすることは比較的簡単です。獣医さんに相談して、太らないキャットフードを若いうちから食べさせるようにしましょう。若い猫は食欲があるので、ごはんやおやつを欲しがるだけ与えると、どんどん食べてみるみる太ります。猫におねだりされると甘やかしたくなりますが、食事の量を守って太らせないようにする方が猫のためになります。

運動させる

猫は犬と違ってお散歩しないので、飼い主さんが家の中で遊んであげて運動させるようにしましょう。しかし猫が遊びたがらない場合は、すでに関節炎になっていて痛いからかもしれません。無理矢理運動させると悪化しますから、見極めが肝心です。

フローリングより絨毯

フローリングの床は滑りやすく、猫の脚の関節に負担をかけます。できれば絨毯を敷いて負担を軽減してあげましょう。

飛び降りる場所にクッションを置く

猫が高いところからよく飛び降りる場所には、クッションを置いてあげると関節にかかる負担を減らせます。

まとめ

いかがだったでしょうか?多くの猫が関節炎になっていることを考えると、猫を太らせないことがいかに大切かがわかりますね。加齢によって関節炎になったとしても、体が重過ぎなければ症状が重くなることを避けられます。絨毯やクッションもうまく利用して、関節に負担のかからない室内にしてあげることもできます。常に痛みを感じていると猫の生活の質が低下してしまうので、飼い主としてできるだけの予防をして、症状が出た場合には早めに動物病院を受診して痛みを緩和してあげるようにしてください。