2017年11月06日
猫はごはんを食べなくなるときがあります。食欲不振?病気?と心配になってしまうものですが、人間だって食欲が落ちることがあるように猫にだってあるのです。今回はどんな理由で猫の食欲が落ちるのかを考えてみましょう。
まず心配になるのが、病気が原因で食べなくなるケースです。
猫がごはんを食べないということはたまにあるので、一食食べなかっただけで「食欲不振だ!」と心配する必要はありません。猫が食欲不振かどうかは、食べていない時間でわかります。生まれて間もない赤ちゃん猫なら8時間、2ヶ月以上の子猫なら12時間、1歳以上の成猫なら24時間、ごはんをまったく食べなかった場合に食欲不振と判断できます。
猫風邪は上部気道感染症といって、人間の風邪のような症状を引き起こします。食欲が落ちること以外には、よだれ、口内炎、口臭、咳、発熱、目やに、鼻水、くしゃみ、などの症状が出ます。
毛球症は、消化器官内に毛玉ができて通過障害が起こる病気です。グルーミングで飲みこんだ毛を吐き出したり便として排出できない場合に起こり、重度の場合は開腹手術も必要になります。食欲が落ちること以外の症状は、吐き気、便秘、お腹を触られるのを嫌がる、などです。
糖尿病は、エネルギー源であるブドウ糖を細胞内に取り込めなくなって全身に様々な影響が出る病気です。糖尿病が進行すると命にかかわります。食欲が落ちること以外の症状は、水をたくさん飲む、尿の量が増える、下痢、体重減少、嘔吐、脱水、などがあります。
猫は神経質な動物なので何か気に入らない点があると、ハンストして抗議することがあります。
生後6ヶ月までに様々な食べ物を経験しなかった場合には、好き嫌いが出やすくなってしまいます。今までと違うキャットフードを出されても、イヤだと思えばかなりお腹が空いても口をつけません。健康のために食餌療法が必要な場合など、どうしてもごはんを変えなければならないのであれば、元のフードに新しいものを少しずつ混ぜて根気よく慣らしていく必要があります。
気難しい子は容器が気に入らないと食べようとしません。大抵の猫は銀色にキラキラ輝くステンレス製の皿は嫌がりますし、ヒゲが触れるほど深い容器も気に入らないものです。平べったい陶器かプラスチックの器が好まれます。
他の猫の唾液が容器やフードについていると食べなくなる猫もいます。多頭飼いの場合は注意しましょう。容器をよく洗って、他の子の触れていないフードを新しく出してあげると食べることがあります。
いつも一定の時間にごはんをあげていると、それ以外の時間にあげても食べなくなる場合があります。この点、人間よりデリケートですね。生活習慣を変えることを好まない猫に合わせて、なるべく食べるクセのついている時間にごはんをあげるようにしましょう。
ストレスで食欲がなくなるというのは、人間でもよくあることですね。
引っ越したり、同居の猫が増えたりして、落ち着ける場所を失ってしまった場合に猫は大きなストレスを感じます。人見知りの子はお客さんが来ただけでもストレスを感じて食べられなくなることがあります。食べるところを誰にも見られない静かな場所を確保してあげましょう。
感染症予防のワクチン接種後には、一時的に食欲が落ちることがあります。去勢手術や避妊手術後には麻酔や薬の影響がありますし、手術のストレスで食べなくなることもあります。室内飼いの猫にとって、動物病院に行くことだけでも大きなストレスです。普通は一時的に食欲が落ちるだけですが、自然に回復しない場合には獣医さんに相談しましょう。
季節の変化によって食欲がなくなることもあります。
暑い夏には、体温調整に集中しているために食欲が落ちている可能性があります。室内温度や湿度に気をつけてあげてください。
繁殖期には性欲が高まり過ぎて、食事どころではなくなります。子猫を産ませて飼うのでない限りは去勢手術や避妊手術を施して、満たされない性欲を取り除いてあげましょう。
いかがだったでしょうか?いつもよく食べる猫でも食欲が落ちてしまうのにはさまざまな理由がありますね。猫がごはんを食べなくなると心配ですが、まずは飼い主が落ち着いて、病気らしい他の症状が出ていないか確認してください。次に、ハンストするような不満やストレスの原因となるものがあるようなら改善してあげましょう。それでも猫が何も食べようとしないで食欲不振と判断できる時間が経過したなら、速やかに動物病院を受診してください。点滴などで栄養補給が必要かもしれません。多頭飼いの場合でも一匹一匹がいつも通りごはんを食べているか、食欲が落ちていないか、日頃からチェックしてあげる習慣をつけましょう。