病気の場合
まず心配になるのが、病気が原因で食べなくなるケースです。
■食欲不振とは?
猫がごはんを食べないということはたまにあるので、一食食べなかっただけで「食欲不振だ!」と心配する必要はありません。猫が食欲不振かどうかは、食べていない時間でわかります。生まれて間もない赤ちゃん猫なら8時間、2ヶ月以上の子猫なら12時間、1歳以上の成猫なら24時間、ごはんをまったく食べなかった場合に食欲不振と判断できます。
■猫風邪かも?
猫風邪は上部気道感染症といって、人間の風邪のような症状を引き起こします。食欲が落ちること以外には、よだれ、口内炎、口臭、咳、発熱、目やに、鼻水、くしゃみ、などの症状が出ます。
■毛球症かも?
毛球症は、消化器官内に毛玉ができて通過障害が起こる病気です。グルーミングで飲みこんだ毛を吐き出したり便として排出できない場合に起こり、重度の場合は開腹手術も必要になります。食欲が落ちること以外の症状は、吐き気、便秘、お腹を触られるのを嫌がる、などです。
■糖尿病かも?
糖尿病は、エネルギー源であるブドウ糖を細胞内に取り込めなくなって全身に様々な影響が出る病気です。糖尿病が進行すると命にかかわります。食欲が落ちること以外の症状は、水をたくさん飲む、尿の量が増える、下痢、体重減少、嘔吐、脱水、などがあります。
神経質な猫のハンスト
猫は神経質な動物なので何か気に入らない点があると、ハンストして抗議することがあります。
■キャットフードが気に入らない
生後6ヶ月までに様々な食べ物を経験しなかった場合には、好き嫌いが出やすくなってしまいます。今までと違うキャットフードを出されても、イヤだと思えばかなりお腹が空いても口をつけません。健康のために食餌療法が必要な場合など、どうしてもごはんを変えなければならないのであれば、元のフードに新しいものを少しずつ混ぜて根気よく慣らしていく必要があります。
■容器が気に入らない
気難しい子は容器が気に入らないと食べようとしません。大抵の猫は銀色にキラキラ輝くステンレス製の皿は嫌がりますし、ヒゲが触れるほど深い容器も気に入らないものです。平べったい陶器かプラスチックの器が好まれます。
■他の猫のニオイがついている
他の猫の唾液が容器やフードについていると食べなくなる猫もいます。多頭飼いの場合は注意しましょう。容器をよく洗って、他の子の触れていないフードを新しく出してあげると食べることがあります。
■食事の時間が変わった
いつも一定の時間にごはんをあげていると、それ以外の時間にあげても食べなくなる場合があります。この点、人間よりデリケートですね。生活習慣を変えることを好まない猫に合わせて、なるべく食べるクセのついている時間にごはんをあげるようにしましょう。
ストレスで食欲減退
ストレスで食欲がなくなるというのは、人間でもよくあることですね。
■環境の変化
引っ越したり、同居の猫が増えたりして、落ち着ける場所を失ってしまった場合に猫は大きなストレスを感じます。人見知りの子はお客さんが来ただけでもストレスを感じて食べられなくなることがあります。食べるところを誰にも見られない静かな場所を確保してあげましょう。
■動物病院に行った
感染症予防のワクチン接種後には、一時的に食欲が落ちることがあります。去勢手術や避妊手術後には麻酔や薬の影響がありますし、手術のストレスで食べなくなることもあります。室内飼いの猫にとって、動物病院に行くことだけでも大きなストレスです。普通は一時的に食欲が落ちるだけですが、自然に回復しない場合には獣医さんに相談しましょう。
季節の変化による食欲減退
季節の変化によって食欲がなくなることもあります。