2016年11月10日

ペットとの出会い方を保護犬、保護猫と暮らす有名人13人から学ぶ

伴侶動物とはいろいろな出会い方があります。海外ではシェルターから伴侶動物を譲り受ける著名人が多くいますが、日本ではどうでしょうか。様々な経緯で保護動物と暮らす日本の著名人のエピソードをまとめました。


愛子さま×犬と猫 皇室は動物愛護精神に溢れていた

皇太子ご一家は愛犬由利(ゆり)さんと2頭の猫を飼育していて、全て保護動物だそうです。

愛子さまは小学校の卒業文集の作文で、飼っている犬と猫への愛情と、動物の殺処分問題についての考察を書いているほどの動物好きのようです。

その他にも高円宮家の愛犬芽生(めい)さんも保護犬なんです。
動物保護団体ちばわんが、殺処分の前日に千葉県動物愛護センターから引き取り里親を募集したところ、久子さまの長女承子(つぐこ)さまより里親希望の申し出があったとのこと。
引き取った時は推定3〜4歳の成犬だったそうです。

皇室で動物を飼育する際は、里親になることがスタンダードのようですね。

浅田美代子×犬 愛護活動に熱心な俳優

アヴィさん、チャメさん、ダイアさん、COOさん、与作さんというの5頭の飼い犬は全て保護犬です。

アヴィさんとチャメさんは、愛護センターから、ダイアさんはブリーダーで繁殖に向かないといわれて引き取った犬、COOさんは劣悪多頭飼育からの保護犬とのこと。
5頭目の与作さんは、もともとボランティアでの預かり犬だったのが、そのまま浅田家の犬になってしまいました。

ご自身の年齢と犬の寿命を考慮し、成犬を引き取る配慮もされています。

浅田さんは、ご自身で愛護センターや海外のシェルター、ティアハイムの見学などもされており、国内での動物愛護の啓蒙活動やチャリティーも熱心にしていることで有名ですね。

上川隆也×犬 譲渡会で出会った保護犬とともに映画出演も

もともと犬好きだった俳優の上川さんは、結婚を期に犬を飼うことになり、奥さんの影響で保護犬を迎えることにしたそうです。

動物愛護団体の主催する譲渡会で一目惚れした推定3ヶ月齢の黒い子犬を引き取ることになり、ノアールさんという名前をつけました。

ノアールさんはとても物覚えがよく訓練の入りやすい子で、ご飯の用意を始めるとなんの指示をしなくても自分でお皿を持ってくるそうです。

その後、2015年に公開された「犬に名前をつける日」では5歳になったノアールさんと共演しています。

「犬に名前をつける日」は、愛護団体の「ちばわん」と「犬猫みなしご救援隊」の活動を追ったドキュメンタリーにドラマパートを加えたドキュメンタリードラマです。

坂本美雨×猫 保護猫愛に溢れるネコ吸いミュージシャン

坂本美雨さんは猫好きで有名で、愛猫サバ美さんは多分猫好きじゃなくても知っている人が多いのではないでしょうか。
「ネコの吸い方」という本も出ています。

また、保護団体「ランコントレ・ミグノン」のボランティアに参加するなど、愛護活動にも熱心なことでも知られています。

子どもの頃を過ごしたNYでたくさんの猫と暮らしていた坂本さんは、日本で暮らすようになってからしばらくは猫と暮らしていませんでした。
ですが、たまたま里親募集サイトで、以前一緒に暮らしていた猫に似ている猫を見つけ、里親さんになる決心をしたそうです。

サバ美さんも愛護団体の「ちばわん」出身。そこですでに「サバ美」と呼ばれていて、そのまま名前になったそうです。

サバ美さんが坂本さんに引き取られた時は推定で3歳くらい。元々外で暮らしていた猫なのですが、木に縛り付けられるなどの虐待を受けていたそうです。
それにもかかわらず人に寄ってくる懐っこい猫で、外で暮らすには警戒心がないのは命取りになることがある為、保護されて里親募集に出され、坂本さんに出会うことができました。

柴咲コウ×猫 保護猫カフェでの運命の出会い

Instagram

柴咲コウさんはファンクラブが「猫幸組(ネコウグミ)」という名前なほどの愛猫家で、保護猫カフェから引き取った、のえるさんというオッドアイの白猫と暮らしています。

もう1頭、のえるさんよりも後から迎えたるなさんという保護猫もいましたが、若くして亡くなってしまったそうです。

のえるさんとは、柴咲さんが2011年に熊本にツアーで出向いた際に立ち寄った「かごにゃん」という保護猫カフェで出会いました。
その時にはクリームさんと呼ばれていたのえるさんは、柴咲さんが訪問した2日間は、彼女の側を片時も離れなかったそうです(5時間も)。

その後クリームさんは体調を崩し、譲渡対象から一時的に外れ、HPから写真も下げられてしまっていたのですが、回復して譲渡対象に戻した途端に、柴咲さんから里親の申し出があったとのこと。

柴咲さんは、HPに写真が再掲載されたことも知らず、譲渡対象に戻ってから偶然にも一番最初に申し出たとのことで、かごにゃんのスタッフさんが、運命では、とブログに書いています。

しかも、クリームさんの推定の誕生日と柴咲さんの誕生日が一緒だったというのですから、縁を感じずにはいられませんね。

熊本の猫カフェ キャットシェルターかごにゃん - かごにゃん

http://www.kagonyan.com

熊本の猫カフェ キャットシェルターかごにゃんのホームページです。 かごにゃんでは猫カフェとしても楽しめますが、メインは猫の保護及び譲渡を行っています。

柴田理恵×犬 三本足の捨て犬と暮らす愛犬家

柴田理恵さんが一緒に暮らすのは晴太郎さんという名前の元捨て犬です。
2005年にロケで訪れた名古屋で人気のない不法投棄のゴミ置き場の段ボールの中に入った犬のうちの1頭が、愛犬の晴太郎さん。

2頭いたうちのオスの子犬は左後ろ足が体に癒着していたため、名古屋の動物病院で剥離手術を受け、里親さんを探したのですが、すぐに里親が見つかったメスと違い、オスの子犬の貰い手はなかなか現れませんでした。

元々犬好きで、何度も名古屋まで様子を見に行った柴田さんは里親の現れない晴太郎さんを譲り受ける決心をしました。

仕事柄不規則な生活になりがちで、引き取るには相当な決断が必要だった様子ですが、そんな心配を吹き飛ばすほどに晴太郎さんは柴田さん夫妻に幸せをもたらしてくれたそうです。

引き取った後に、手術で剥離した後ろ足は断脚をせざるを得なくなり、晴太郎くんは3本脚の犬となりました。

柴田さんと晴太郎さんのエピソードは「晴太郎―3本足の天使」として単行本になっています。

島田理生×猫 程よい距離感での猫との生活をする作家

小説家と猫というのはお似合いの組み合わせですよね。

作家の島田理生さんは、ご実家でも猫を飼っていましたが、一人暮らしを始めてから、猫という気ままな存在と共存するのが素敵なんではないかと、猫を迎えることにしたそうです。

そして里親募集サイトを経由し、タビさんというキジトラの猫が家族になりました。

ところが、迎えたのがオス猫だったせいか、思ったよりもベタベタと甘えてくる猫だったそうで邪魔をされながら小説を書いているとのこと。

猫をやみくもに愛すのでは無く、命を預かる責任を果たしながらも、猫をひとつの独立した存在として関係を築いている方です。

杉本彩×猫と犬 日本の動物愛護の代名詞のような人

杉本彩さんといえば、タレントであると同時に愛猫家、動物愛護活動家として有名ですね。
20歳くらいの頃に保護した子猫の里親さん探しをしたことをきっかけに、個人での保護活動を開始しました。
2014年には「一般財団法人動物環境・福祉協会Eva」を設立し、理事長を勤めています。
その後公益社団法人になりました。

自宅はミニシェルターとして東日本大震災の際には現地にも赴き、被災猫を多数引き受け、里親さん探しもされました。

ご自身で飼育している猫たちはたくさんいて、もちろん全て保護猫。
5年たっても触れないような警戒心の強い猫も保護し、愛情を持って接しています。

旦那さんが犬好きで、今は猫だけでなく3頭の保護犬とも暮らしています。
3頭の犬はパピヨンの小梅さん、フレンチブルドッグのきなこさん、チワワのでんじろうさんで、全て繁殖業者の経営破綻で行き場を失い、保護団体に引き取られた犬たちだそうです。

公益財団法人動物環境・福祉協会Eva

http://www.eva.or.jp

杉本彩率いる公益財団法人動物環境・福祉協会Evaは、日本の動物福祉の向上を目指し人と動物が共に暮らせる社会の実現をめざします。

滝川クリステル×犬 動物愛護に熱心な被災犬と暮らす元キャスター

Instagram

滝川クリステルさんの愛犬アリスさんは、東日本大震災の被災犬のラブラドールレトリバー。

動物の殺処分問題に関心を寄せ、里親さんが見つかりにくい大型犬の里親になる準備をしていた矢先に震災が起き、そこで保護された犬の里親になる申し出をしました。

保護当時のアリスさんは、一ヶ月の放浪を経てガリガリに痩せ、目がつりあがった状態だったそうです。

はじめは一時預かりとしてご自宅で保護されていました。
その後、元々の飼い主さんが現れたそうですが、避難先で動物を引きとることができない状態で、滝川さんが正式に里親となることになりました。

ご自身が主体となって大型犬を飼育するのは初めてだったそうですが、今ではアリスさんにはすっかりご主人として認めてもらっている様です。

滝川さんは動物の保護に大変関心があり、チャリティー、啓蒙活動など、主体的に活動されています。
2014年には自ら代表理事を務める一般財団法人クリステル・ヴィ・ アンサンブルを設立。
犬猫の殺処分ゼロ、放棄ゼロ、虐待行為ゼロと、生物多様性保全を目的として活動しています。

また、フォスター(保護犬猫の一時預かり)のボランティアもされています。

一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブル

http://www.christelfoundation.org

動物の保護・アニマルウェルフェアを目的に滝川クリステルが設立。私たちは、人間を含めお互いの命が共存・共生し、調和する社会の実現を目指しています。声なき声に耳を傾け、あらゆる命の可能性を見つめながら、互いに支えあえる社会の実現を、より深く追求していきます。

とよた真帆×猫 ロケ先や高速道路で猫に呼ばれてしまう俳優

小さい頃から猫に囲まれて暮らしいたとよたさんは、何故かロケ先などで困っている猫に出会ってしまうそうです。

助けを呼ぶ声がすると、飼い猫や親兄弟が一緒でなないことを確認し、ひとりで困っている子を保護し、多い時で7頭の猫と暮らしています。

そのうちの一頭、ぺトさんは、なんと高速道路で保護されました。
高速道路で前方を走っていた車が、突然ハンドルを切り、車同士の接触事故を起こしたのですが、それが猫を避けるためだったのです。

とよたさんが見に行ったところ、虐待を受けた様な形跡もあり、すぐに病院に連れていって、とよたさんの家族に加わりました。

とよたさんは、日本におけるペット業界の問題点や、動物を取り巻く環境の改善のため、まずは2020年までに東京から不幸な犬や猫を「ゼロ」にすることを目的とした「TOKYO ZEROキャンペーン」の呼びかけ人の一人でもあります。

2016年9月には、保護活動を行うNPOから新たに子猫を迎え入れています。

TOKYO ZEROキャンペーン-すべてのペットが幸せになれる東京へ

http://tokyozero.jp

日本では、平日毎日約700匹の犬や猫が全国の自治体で殺処分されています。一方、犬だけでも毎日、約1600匹が販売されています。

中川翔子×猫 猫のために部屋を借りているタレント

Instagram

猫好きで知られる中川翔子さんは、捨て猫などを保護し、10頭ほどの猫と暮らしています。
主にお世話はお母さんがしていて、しょこたんは溺愛担当とのこと。

その中でもマミタスというキジトラの猫を一番溺愛していますが、それは、マミタスが初めての女の子で、しょこたんが落ち込んでいる時などに、とても心の支えになってくれたそうです。

全て保護猫ですが、そのうちのつくしさんという三毛猫は、台風の日に母猫が人間に子猫を託していったというエピソードがあります。

横殴りの雨の中、母猫が子猫を2匹咥えて警察署に連れてきて、自分はどこかに去っていったそうです。
しょこたんの家でつくしさんを迎え入れ、もう1頭も里親さんが見つかったとのこと。

しょこたんは、お母さんと一緒に保護活動もしています。
里親さんが見つかるまでの間、保護猫が過ごすことのできる専用の部屋を借りていて、そこでもたくさんの猫を保護しているんです。
親子揃って愛猫家なんですね。

町田康×猫と犬 猫が増えすぎて引っ越した作家、ミュージシャン

これまでに猫との暮らしを綴った3冊のエッセイを出版され、猫好きとしても有名な町田康さんは、元々は特別猫が好きというわけではなかったそうです。

どちらかといえば犬好きだった町田さんが猫と暮らすことになったきっかけは、奥さんが連れてきた2頭の猫でした。
その後、捨て猫を保護したり、保護団体から一時預かりを頼まれたりして猫が増えて行きます。

猫を溺愛するわけでは無く独立した存在として認めながら、猫に振り回される生活を送り、猫が増えすぎて都心から伊豆の広い家へ引っ越しもしています。

また、一時預かりをしていたが里親が見つからなかった犬を引き取ることになり、猫だけで無く3頭の犬とも暮らしています。

動物に囲まれたいと思っている訳では無くても、動物が集まってきてしまうんですね。
ご本人が生活の一部として自然に動物と暮らしているため、特別なことをしている訳では無い様に見えますが、やっていることは相当大変なことだと思います。

室井滋×猫 虐待から救った猫たちと暮らす俳優

室井さんは、チビさんという名の猫と暮らしていましたが、その後、更に5頭の猫を迎えることになります。

最初に出会ったチビさんは親とはぐれたらしい子猫で、ご自宅の外で助けを呼ぶ様に鳴いていたそうです。

里親さんを探すために撮影所に連れて行きましたが、結局可愛くなってしまって自分で引き取ることになりました。
チビさんはお風呂が好きで、一緒に入って泳ぐという珍種だそうです。

チビさんと暮らし始めてから、他の猫にも関心を持つ様になった室井さんは、近所で足の無い猫が何頭もいるのを見つけ、虐待をする人間がいることを疑い、犯人探しをしましたが見つからず、猫たちを保護することになりました。

全部で13頭のうち、10頭は里親さんを見つけて3頭はご自身で迎えたそうです。
また、近所で経済的な理由で飼育放棄された姉妹の猫も保護し、多い時で6頭の猫たちと暮らしていた愛猫家です。

保護動物と暮らす有名人は他にもたくさんいる

保護動物と暮らしているといっても、動物への接し方や考え方もみんな違いますね。
偶然だったり、運命的だったり、自らの強い意志からだったり、出会い方もそれぞれです。

他にも保護された動物たちと暮らす有名人はたくさんいます。
特に猫は、保護施設や保健所からというわけではなくても、外で生まれた猫を迎えていることが多いので、ペットショップから迎えるのは一般的にも少数派です。

全ての人が特別に「動物保護」という意識を持たなくても、動物と暮らすならば行き場を失った子を迎えるという感覚が一般的になれば、人と動物が今よりもよい関係で共存できるのでは無いかと思います。