犬のおやつの適量は? 肥満にならないおやつの種類と上手な使い方

犬のおやつの適量は? 肥満にならないおやつの種類と上手な使い方

愛犬におやつをあげることは極当たり前のことですよね。おやつの種類もジャーキーだったり、ビスケットだったり、歯磨き効果のあるもの、サプリメントのようなものなど、様々です。ただ、おやつは上手に使わないと肥満の危険も! そんなおやつの種類と上手な使い方を紹介します。


こんにちは。小動物看護士(ドッグシッター/小動物介護士)の須永智尋です。ドッグフードはもちろん、おやつも多種多様でいつでも簡単に手に入りますよね。家族の一員である愛犬に美味しいおやつをあげるのは当然です。ですが、おやつの種類や与える量を間違えると肥満症になってしまいます。おすすめのおやつの種類や上手な与え方を紹介します。

犬のおやつの種類はどんなものがある?

犬用のフードは「総合栄養食」「スナック」「その他の目的食」に分けられます。「総合栄養食」は「水とこれだけあれば栄養面で心配がない」というフードです。「スナック」はおやつで、「その他の目的食」はいわゆるサプリメントですね。

同じスナックでも、材料を見てみるとたくさんの種類があります。

・干した肉類
・干した魚類
・動物の骨や腱、蹄
・ビスケット類
・ガム類

干した肉や魚は材料が少なく、なにからできたものか解り易いのが特徴です。馬や鹿など珍しい動物の肉だったり、内臓を干したものだったり様々です。

動物の骨や腱、蹄もほとんど加工されていなくて、アレルギーがある犬でも選びやすいおやつですよね。

一方、ビスケット類は小麦や糖類、肉エキスや野菜など多くの材料を使って加工しています。固さ、味、大きさ、形などが自由に変えられ、子犬・成犬・老犬など、犬の状態に合わせたものが製造できます。ただ、材料に糖類や脂肪分が多く含まれているケースがあり、肥満が心配なおやつです。

ガム類は「長時間囓り続けられる」「デンタルケア効果を期待できる」といったものが多くあります。キシリトール配合だったり、長く噛むことで歯垢除去効果を期待できる、とアピールされていますね。

他にも、サプリメントのような効果が期待できる高い付加価値がついたおやつなど、実に様々です。種類が豊富なので愛犬に合うおやつ、飼い主も納得できるおやつが見付かるでしょう。

犬のおやつの適量はどれくらい?

人でも通常の食事をしっかり食べているのに間食を多く摂ればカロリーオーバーになって太ってしまいますよね。犬も同じです。

愛犬が通常の食事として食べているドッグフードのパッケージを見たことがありますか? ドッグフードのパッケージには「成犬、体重1kgあたりXXXgを与えてください」というように1日に食べさせる量が書かれています。

愛犬に食べさせる量をチェックし、同時にそれで摂取できるカロリーを計算してみてください。このカロリーは犬が1日に摂取する目安のカロリー量です。愛犬の運動量にもよりますが、このカロリーをオーバーすると肥満の可能性があります。

つまり「おやつを食べるなら、おやつで摂ったカロリー分、フードを減らさないといけない」ということです。おやつで摂るカロリーは、どんなに多くても1日に摂るカロリーの20%以下にしましょう。

成犬の場合、体重5kgなら1日の必要カロリーは441kcal、10kgなら742kcal、15kgなら1,006calが目安です。こうした摂取カロリーを考えて、おやつの量を調整しましょう。

飼い主のためのペットフード・ガイドライン

こちらは環境省が公表しているペットフードに関する資料です。フードの与え方、1日の摂取カロリー量、肥満の判断の仕方などが解りやすく紹介されているので読んでみてください。

上手なおやつの与え方

本来、犬におやつは不要です。総合栄養食と水があれば、栄養面では問題ありません。おやつを与えることで摂取する栄養バランスが崩れたり、カロリーオーバーになるといったマイナス面があります。しかし、量に注意し、次のような方法でおやつを与えれば大きなプラス効果が得られますよ。

・トレーニングやしつけのご褒美として利用する
・留守番や病院など、犬がマイナスに感じることがあった後に与える
・環境が変わって犬がストレスを感じるような状況になった時に与える

犬は「いいこと」が起こると、次もその「いいこと」を求めて行動するようになります。「ハウス」と言われた時にクレートに入って「いいこと」が起これば、「ハウス」という言葉を聞くとクレートに入るようになります。この「いいこと」に「おやつ」を活用すると楽ですよ。

他にも、留守番をさせた後におやつを与えると「飼い主は必ず帰ってくるし、帰ってきたらいいことがある」と覚え、留守番が嬉しいことになります。

飼い主に赤ちゃんができて皆の関心がそちらに向くと犬が嫉妬する。そんな話がありますよね。でも、この赤ちゃんを迎えた時においしいおやつがもらえたらどうでしょう? 赤ちゃんは「いいことを起こしてくれた嬉しい存在」になります。

こんな風に「ご褒美」「犬にとってマイナスになりそうなことをプラスに変えるもの」としておやつを活用するといいですよ。

おすすめの犬のおやつ

トレーニングや訓練のご褒美として与えるおやつは「粒が小さく、低カロリー、犬の嗅覚を刺激するもの」がおすすめです。

粒が小さければ、複数回与えてもカロリーの心配がありません。そして嗅覚を刺激するものなら「いいものがもらえる!」と犬の視線が飼い主に釘付けになるでしょう。集中力・やる気がアップすること間違いなしです。

そして、カロリー計算し易い、アレルギーの心配がないものを選ぶと良いでしょう。素材をそのまま使った、ほとんど加工していないものがお勧めです。生々しくて敬遠しがちな飼い主も多いかもしれませんが、動物の内臓を干したものを好む犬は多いですよ。

なお、歯磨き効果などを期待してガムを与える飼い主も多いと思います。動物の骨、腱、蹄などを与えることもあるでしょう。これらは「固すぎて歯が痛む」「カケラが喉や食道、胃に刺さる」「喉に詰まったり、腸閉塞の原因になる」といったデメリットがあります。

利用するのは構いませんが、与えている間は注意して観察し、適当な時間で取り上げるようにしましょう。与えっぱなしにするのは好ましくありません。

上手におやつを使って楽しいドッグライフを!

たくさんのおやつがあって、どれが愛犬に合っているのか迷いがちです。おいしさ、与え易さはもちろんですが、付加価値もチェックしてみましょう。健康維持に役立つもの、栄養補助機能を期待できるものなど、愛犬のライフステージに合ったものがあるはずです。

おやつは与えすぎると肥満症の原因になりますが、与える量に気を配り、上手に与えればしつけが楽になったり、充実した生活を送れるようになります。

愛犬に合ったおやつを選び、上手に活用して楽しい時間を過ごすようにしてくださいね。

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