2017年11月06日

犬の食欲に「遺伝子」が関係? ラブラドールが太る理由

十分な量の食事を与えているはずなのに食べ物をねだり、そして太る愛犬……。悪いのはついつい余計な食べ物を与えちゃう飼い主さん?それともねだるワンちゃん?いえいえ、もしかすると「遺伝子」が原因かもしれません!


先進国では犬の肥満も増加中!?

生活が豊かになる一方で、先進国で問題となっているのが増加する「肥満」。犬は飼い主に似るのか、最近では犬にまで肥満傾向が見られているのだそうです!

先進国での犬の肥満率はおよそ34~59%だといわれています。肥満は犬においてもさまざまな健康問題を引き起こし、寿命を縮めます。犬たちに見られる肥満の近頃の原因は私たち同様、運動する機会が減った上にカロリーの高い食事を摂取するようになったこと。たくさん運動させて鉄の心を持ってして食事を制限してあげれば解決することです。ところが、“ある犬種”に限ってはそう簡単にはいかないようなのです……。

肥満になりやすい犬No.1はラブラドール!

その犬種とは…
実は賢く穏和な性格から人気の高い「ラブラドールレトリバー」なんです!

補助犬とペットのラブラドールレトリバー310匹を調査したところ、この犬種の23%近くには「飢え」をコントロールする遺伝子の一部が欠けていることが判明しました。さらには、DNAにこの変化が見られていたラブラドールは、そうでなかったラブラドールに比べて体重が平均2キロ重く、食べ物を漁るといった問題行動を起こす確率が最低でも10%以上高いことが分かったのです。

つまり、ラブラドールレトリバーの約5分の1はある遺伝子が欠けているせいで食欲が抑えられず、食べ物を探してしまう(もしくは飼い主さんに食べ物をねだってしまう)ため太りやすいということです。

ラブラドールが補助犬に選ばれる理由

ちなみに、この遺伝子が欠けている犬が多かったのは補助犬の適正があるとして選ばれたラブラドールのほうでした。そもそもラブラドールレトリバーが補助犬に選ばれるのは、食べ物を使った訓練に対してモチベーションを維持しやすいから。あまり食欲のない犬なら訓練半ばで報酬のえさを簡単に放棄してしまいますが、食欲が底なし(?)ならばそんなことは起こらないですよね。

愛犬が苦しそうに食べ物をねだる姿を見るのはやはり心苦しい……。かといって、ねだられるたび食べ物を与えていてはいずれ肥満や病気になってしまいます。愛犬の健康を第一に考える飼い主さんは固い意志を!特に犬一倍食欲旺盛なラブラドールを飼っている方は、愛犬のうるうるとした瞳に惑わされないようご注意です!

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