2016年10月30日

一度は体験したい!冬の大地の移動手段だった犬ぞりの魅力と歴史

こんにちは!NPOイヌネコライフネットワークえひめに参加しているZOE-AMJPです。 古くから極寒のアラスカ、シベリア、カナダなどで移動手段として利用されてきた犬ぞり。日本ではなかなか見かけることは出来ませんが、世界の寒い国では今でも利用されています。その魅力と歴史に迫ります。


犬ぞりの歴史

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極寒のシベリアやアラスカ、カナダなどではスノーモービルが実用化されるまでは物資の運搬や人の移動に犬ぞりが使われてきました。
もともと長距離の移動を得意とし、人間に忠実である犬は、このそりを引くという仕事にたいへん適していたのですね。
現在でも、アラスカやカナダの寒冷地では、観光や娯楽のための犬ぞりがある一方、冒険家による横断などにも犬ぞりが使われています。

犬ぞりに使われてきた犬種

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イメージとしては、シベリアンハスキーやアラスカンマラミュートといった、寒さに強い地方で生まれた犬を想像しますが、最近では純血種が減っていることもあり、混血種が多いようです。
また、そういった犬の総称として、エスキモー犬と呼ばれることがあります。
日本では、タロとジロでおなじみの樺太犬が有名ですね。残念ながら、樺太犬は絶滅してしまいました。
また、荷を引くのではなく、レースに使用される犬は、走ることを重点を置かれるためそよそ極寒の地に似つかわしくない短毛種なども使われています。

犬ぞりの活躍

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長い犬ぞりの歴史において、世界的に後世に語り継がれることとなったエピソードがあります。
一つ目は、アメリカにおいてジフテリアの流行を阻止した犬ぞりのリーダー犬、「バルト」。
十分な血清を備えていなかったために、10,000人以上の死者が出る可能性があったのですが、悪天候で空輸が出来ず、全長1,085キロという道のりを犬ぞりリレーで運ぶことになりました。
その際、最後の区間のリーダーを務めたのが「バルト」です。
ブリザードが吹き荒れ、マッシャー(犬ぞりつかい)は指示すらできず、ほとんどをバルトに任せたということで、一躍ヒーロー犬として世に知れ渡りました。
現在は剥製が博物館に展示されています。

日本での犬ぞり

日本では現在日常の移動手段として犬ぞりを使用している地域はないと思われますが、北海道や岩手などでは犬ぞり体験や犬ぞりレースなどが行われています。

日本と犬ぞりを語る上で、誰しも映画「南極物語」を思い浮かべるのではないでしょうか。
それ以外にも、日本人と犬ぞりについて調べてみました。

映画「南極物語」と犬ぞり

初めて見たのは小学生の頃でした。この映画を見て、この映画に出てくるような犬と暮らしたいと思うようになり、現在2頭のアラスカンマラミュートと暮らしています。
実話をもとに製作されたのですが、やはり、犬を酷使したあげくに置き去りにしたという点で、今でも多くの批判となっています。
1958年の第弐次越冬隊が、悪天候によって撤退する過程で、15頭のそり犬が置き去りにされることになりました。その後、1年後に再開された第三次越冬隊によって、兄弟犬のタロとジロが生きていたということがわかったのです。
この、犬を置いてきたときに多くの犬は鎖につながれたまま亡くなっていました。その点を、せめて鎖を外していればという声もあるのですが、一方で、首輪を外した犬が少なかったことが、南極の生態系を守った一因であるとの見方もあります。
現在、南極では生態系を守るために、犬ぞりの持ち込みは禁止となっている点からも、一理あると言えますね。

映画では、一般家庭から借りた犬、という設定でしたが、実際は第一次越冬隊が経費26万円で49頭を購入していたそうです。
映画に出ている犬たちも、ほとんどは雑種のようで、リーダー犬のを務めた「リキ」のみ、アラスカンマラミュートではないかと言われています。

オーロラに駆けるサムライ 和田重次郎と犬ぞり

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愛媛県出身の世界的マッシャー、和田重次郎氏の銅像が、アラスカ州に建立されました。
重次郎氏は、17歳でアメリカにわたり、その後さまざまな試練の中で3年間船の乗組員として働きます。その越冬中、英語や犬ぞり、自給自足の方法を学び、数百マイルを測量して開拓、アラスカでは偉大なマッシャーとして認められました。
その後、北極圏を犬ぞりで駆けまわり、身も心もアラスカに捧げる生涯を送りました。
彼の偉大な冒険魂、たくましい精神は地元のエスキモーにも認められ、死後80年の時を経て銅像が建立されました。
日本人でこんなに有名なマッシャーがいたのですね。

世界の犬ぞりレース!

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世界中には、ざっと調べただけでも20以上の有名な犬ぞりレースが開かれています。
そのいくつかをご紹介します!

American Dog Derby

アメリカでもっとも古い歴史を持つ短距離の犬ぞりレースです。
短距離とはいえ、通常では50キロを走破するそう。
こんな昔から、楽しまれていたのですね。

Tok Dog Mushers Association Race of Champions

アラスカにおいて歴史あるレースです。
やはりこちらに出場する犬たちも、寒さに強いとは言えない犬たちですね^^
短距離ですから、やはり速さが重要なのでしょうか。

All-Alaska Sweepstakes

こちらはお遊びではなく、世界で初めてルールに基づいて開催された長距離のレース。
600キロを超える距離を走破します。
さすがに、犬たちもハスキー系統の風貌をしている犬が目立ちますね。

Yukon Quest

最後は超有名長距離レース、ユーコンクエストです!
CSなどでも放送されていますので見たことがある人も多いかもしれませんね。
こちらはアラスカのフェアバンクスからユーコン準州のホワイトホースを往復する1,000キロのレースです。
動画もさすが、有名ですからどれも長いんです。
見る価値ありますので、ぜひ検索してみてください。

まとめ

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いかがでしたか?
昔から人間の役に立ってきた犬たち、たくさんの精悍な犬たちが整然と駆け抜けていく姿は圧巻です。
もちろん、あくまでもレースとしての犬ぞりですから、犬たちを苦しめるようなことはいけません。
レースの出場される方々は、年間を通してトレーニングに励み、犬たちのケアを十分に行っています。
わたしもいつか、犬ぞりレースを観戦できたらと思ってます。