犬の歯石は放っておくと歯周病になりやすい!
犬は人間とくらべ、唾液がアルカリ性であることから虫歯になりにくいです。しかし、歯石が付着しやすいので、毎日歯磨きをしてきれいに取り除かないと歯周病の原因に!特に5歳を過ぎた犬の歯周病の発症率は高くなり、年齢が上がるごとに患者数が多いのです。
飼い主がきれいに磨いているつもりでも、歯の裏側や奥歯はどうしても汚れが残りやすいですよね。この汚れはやがて歯石になり、放置しておくと歯肉炎を引き起こすだけでなく最終的には歯周病になってしまいます。
歯周病になると口の中の細菌が体内へ侵入し、肝臓や心臓など内臓に感染して病気を起こすリスクが高くなり、最悪命を落とすきっかけになることもあるのです。
そのため、歯石は定期的に除去して愛犬の健康を守っていきましょう。
歯周病のチェックポイント
・歯茎が腫れている
・口臭が気になる
・歯がぐらぐらしている
・歯が抜けているところがある
・歯が黄ばんでいる・茶色くなっている
・乳歯が残っている(歯石がつきやすい)
このような項目が当てはまると、歯周病になりやすい、もしくは発症している可能性が高くなります。愛犬の歯の状態を見て、異常がないかチェックしましょう。
また、歯が黄ばんでいるのは歯石が原因ですので、歯周病に発展しないためにも早めに歯石を取り除いてあげましょう。
自宅で歯石を除去する方法は?
■スケーラーを使う
まず、愛犬の歯石を除去する方法として一般的なのが、スケーラーという専用の歯石を削り落とす道具を使うという方法。普段から歯磨きをあまり嫌がらずにさせてくれる犬であれば、掃除をさせてくれるかもしれません。
しかし、自宅でやる場合は麻酔を使わないので、飼い主が慣れていないと歯茎にぶつかって痛みを与えてしまうことも。そのため、一度痛いという思いをした犬は、なかなか歯石を取らせてくれないことも多いです。
■スプレーを使う(ReDenta(リデンタ) 犬猫用・歯石ケアスプレー 50ml)
自宅でできる方法として、最近人気なのが歯石除去スプレーを使うという方法。これは犬の歯にスプレーを吹きかけ、いつもどおり歯を磨いてあげるだけで歯石がとれるアイテムです。
ただし、一回スプレーしただけで歯石がきれいにとれるのではなく、毎日繰り返し使うことで徐々に歯石がとれていくのが特徴。即効性はありませんが、愛犬の負担が少ないというのが魅力です。
他にもジェルタイプで歯磨き粉のように歯ブラシに付けて使うタイプ、水に混ぜて飲ませるタイプも。愛犬の様子に合わせて、使い分けるのがおすすめです。
病院でできる歯石を除去する方法は?
歯石の範囲が広く、何ミリもの厚みがあるほどの状態になったら、自宅だけでケアをするのは難しいです。そのため、病院でも歯石を除去してもらうことが可能です。
■無麻酔歯石除去
獣医さんからやってもらえる治療法として、スケーラーや鉗子を使って歯石を削り取る方法があります。犬を診察台にしっかりと固定し、治療に慣れている獣医さんが行うので、大人しい犬であればスムーズに歯石を除去することが可能です。
しかし、麻酔を使わないので歯の裏側の歯石は除去できず、歯周病が進行して炎症を起こしている場合も治療ができません。こちらは治療費が安いというのがメリットで、平均8,000~15,000円ほどで歯石をきれいにしてもらえます。
■全身麻酔歯石除去
犬に全身麻酔を施し、完全に眠っている状態で超音波スケーラーを使って、歯石を除去する方法です。こちらは歯の裏側や歯周病が進んでいる歯でも治療が行えるのが特徴。
犬はぐっすり眠っているので暴れる心配もないですし、痛みも感じないので安全的確に治療をすることが可能です。ただし、全身麻酔を施すのでリスクが高いのがデメリットと言えるでしょう。
もともと病気がちの犬や、高齢の犬になると麻酔を使うこと自体が体に負担がかかるので、愛犬の具合がよくない場合はおすすめできない方法です。
ちなみに無麻酔のものと違い、麻酔費用がプラスされるので治療費は20,000~50,000円と高額になることがほとんどのようです。
歯石を予防するには毎日の歯磨き
獣医さんにお任せすれば、安全に歯石を除去できますが愛犬にとっては大きなストレスになってしまいますし、治療費もかさみます。そこで、できるだけ歯石が溜まらないようにするには、歯磨きの継続が大切です。
歯磨きを習慣化するには、まず子犬のうちから飼い主に口を触られるのを嫌がらないようしつけることから始めましょう。どうしても歯磨きが苦手や犬には、歯周病予防になるスプレーを食後に吹きかけてあげるだけでも、発症を抑える効果があります。
他にも、噛むことで歯の汚れがとれる歯磨きガムを与えるのもいいですね。最近では布を噛むことで歯磨きと同じ効果が得られるロープのおもちゃも人気です。
犬の歯石がたまらないようにするまとめ
いかがでしたでしょうか?歯を健康に保つのは病気のリスクを軽減することにもつながります。大切な愛犬のためにも、歯石が溜まらないよう毎日の歯磨きを心がけ、お口の中を清潔に保ってあげたいですね。