2016年10月18日

愛猫のダイエットに!パズルフィーダーの3つの効果と手作りの方法

運動不足になりがちな室内飼育の猫に絶大な効果があるというパズルフィーダーとは。その効果はダイエットに留まりません。手作りの方法もご紹介します。


パズルフィーダーとは

パズルフィーダーとは、ご飯を食べるためには猫が遊んだり知恵を絞る必要がでる、仕掛けのある給餌機のことを指し、フードパズルとも呼ばれます。

猫の狩猟本能を刺激する仕掛けになっており、猫が狩猟を疑似体験しながらご飯を食べることができます。

猫の室内飼育が主流となっている近年、行動範囲が制限されることによる運動不足の解消や、ストレスからくる問題行動の軽減に効果があるとして注目されています。

パズルフィーダーの3つの効果

1.肥満の解消

室内飼い猫の約40%は肥満だといわれています。
肥満とは、適正体重の120%を超えた状態をいいます。

肥満は様々な病気の原因となりますので、ちょっと太り気味かな?と思ったら、それ以上太らないように気をつけてあげたいですよね。

パズルフィーダーには、転がすおもちゃタイプのものがあり、猫が中のご飯を食べるには、どうしてもそのおもちゃを転がすために運動をしなければならなくなります。

また、どうしても食べるのに時間がかかるために、一気に食べるよりも満腹中枢が刺激され、適正な量で猫が満足できるという付加価値もありそうです。

パズルフィーダーで給餌を行うことは肥満解消に効果があることが、アメリカの大学が行った調査で明らかになっています。

Journal of Feline Medicine and Surgeryへの発表によると、カリフォルニア大学バークレー校とジョージア大学付属動物病院が30匹の猫の飼い主に対しパズルフィーダーでの給餌を行ってもらい、追跡調査を行ったところ、太り気味の猫のほとんどに1年以内にダイエットに効果が見られたそうです。
最大で20%の減量に成功したという記録があります。

2.ストレスや問題行動の軽減

猫は様々な理由でストレスを感じることがあります。

ストレスによる免疫力の低下は様々な病気の引き金となります。
また、不適切な場所での排泄、飼い主に対する攻撃や依存、過剰なグルーミングによる脱毛などの問題行動の原因にもなります。

室内飼育は猫にとってより安全で、外で生活する上での寒さ、暑さ、外敵、食の心配などのストレスからは解放されますが、退屈で運動不足になりがちです。

猫と生活する上では、人間は、できる限り猫がストレスなく過ごせる努力をする必要があります。

猫の狩猟本能を刺激し、十分な運動をさせることはストレスの軽減にとても効果的です。

パズルフィーダーは、わざわざご飯を食べにくくしている為、どのようにしたらご飯を手に入れることが出来るかを考えることで猫の脳を刺激し、食べられた時に満足感が得られ、ストレスの解消につながります。

アメリカの大学の調査では、ダイエットと同じく問題行動の軽減にも効果が出ています。

3歳の猫では、欲求不満が原因と考えられる飼い主への攻撃行動が6ヶ月以内に無くなり、また、人間への恐怖心を持っていた2歳の猫も、パズルフィーダーを使用することで恐怖心が軽減されたそうです。

3.早食い防止

猫はよく吐くといわれますが、そのよくある原因の一つは早食いによる吐き戻しです。

吐き戻しが多いと消化器への負担にもなりますので、一気に食べて吐き戻してしまう猫の場合には、一気食いを防止するために少量ずつに分けて給餌するなどの対策が必要です。

パズルフィーダーで与えると、一気に食べることが出来ないため、早食いによる吐き戻しの防止として使用している猫飼いさんもいます。

猫は本来一度に大量に食べる生き物ではないため、パズルフィーダーを使用して少しずつちょこちょこ食べるのは、猫の本来の食生活に近いものであるともいえます。

いろいろな種類のパズルフィーダー

TRIXIE Fun Board

5種類の置き方ができるファンボードというパズルフィーダーです。
取りにくそうなフードを上手く取っていて、結構楽しそうですね。

ジェックス catit SENSES2.0 ホジホジフィーダー

猫のホジホジ本能を刺激する、その名もホジホジフィーダー。
緑色の筒の中にフードを入れる仕掛けで、最も単純なタイプです。

ジェックス catit SENSES2.0 フードツリー

迷路の中のドライフードを遊びながら取り出すことで時間をかけて食べられる仕組みです。
食べられそうで食べられないのは、人間だったらちょっとイライラしてしまいそうですが、猫だと楽しいんですね。

ペットセーフ ファンキティー エッグササイザー

こちらは転がすことでフードが少しずつこぼれ落ちるタイプ。
どのように転がせばフードが落ちるか考えることも刺激になりますし、転がすことで運動にもなります。

TRIXIE Fantasy Board for Cats

ちょっと楽しそうです。
四角い大きめの入れ物にはピンポン球を入れてフードを隠しています。

Trixie Mad Scientist for Cats

上部の筒の中のフードを食べるには、筒をうまいタイミングで回転させ、さらに落ちたフードを手で取り出す必要があります。

TRIXIE Brain Mover

更に難易度が高いタイプもあります。
4つの仕掛けがありますが、一筋縄ではいきません。

パズルフィーダーを手作りしよう

パズルフィーダー、ちょっと試してみたくなりませんか?
買ってみるのもいいけど、身近な材料を使って、簡単に作ることもできます。

手作りする際には、使用する材料はしっかり洗って清潔な状態にして下さいね。

ペットボトルを使用したパズルフィーダー

よく洗ったペットボトルの側面に、カッターでドライフードが通るくらいの小さめの穴をいくつか開けるだけです。
ドライフードを中に入れて、猫が上手く取り出せるかどうか試してみましょう。

猫が切り口で怪我をしないよう、穴を大きくし過ぎない様に気をつけてくださいね。

卵型のパズルフィーダー

中にオモチャが入った卵型のチョコレートのお菓子で、チョコエッグってありますよね。
あのプラスチックの卵を使えば、いろんな方向に転がる、楽しいパズルフィーダーができます。

清潔にしたプラスチックの卵の、上の方と下の方、2か所にカッターで穴を開ければ出来上がりです。

掘り出しタイプのパズルフィーダー

猫がフードを取り出すタイプは、箱に穴を開けて、容器を差し込んで作りましょう。
容器は、難易度を変えたいくつかの深さを作ってみてください。

写真ではカットしたペットボトルを使用していますが、容器であればそれ以外でももちろん大丈夫です。

紙コップを使ったり、いくつかのサイズの湯呑みや小鉢を入れられる土台を作ってもいいですよね。

容器ごと取り出してしまうことが無いように、セロハンテープなどで土台に固定しましょう。

ペットボトルを使用する場合は、切り口で猫が怪我をしないように、切り口をセロハンテープで巻くなどのガードをしたほうが安全ですね。

タッパーを使用して作るパズルフィーダー

タッパーの蓋にいくつかの穴を開ければ、それだけでもパズルフィーダーになります。
オモチャとドライフードを一緒に入れてあげると楽しく遊びながら食べられますね。

作るのは簡単ですが、猫が中のフードを取り出す難易度は結構高そうです。

この作者は、その後、タッパーの四隅のうちの一箇所にも追加の穴を開けています。

そうすることによって、猫が中のものを取り出しやすくなりました。

あまり難しすぎると、ストレス解消どころか、却ってストレスになってしまう恐れもありますね。

パズルフィーダーで愛猫をもっと幸せに

猫が興味を持つおもちゃは、「壊れやすいもの」であるという実験結果があります。
おもちゃで遊ぶのは、猫にとっては狩猟の疑似体験ということですよね。

パズルフィーダーも、おもちゃで遊びながら食料が得られるという点で狩猟の疑似体験ともいえると思います。

ものによっては、部屋が散らかったり仕組みが複雑で、人間は掃除や洗い物が大変になってしまいますが、愛する猫が満足で、なおかつ健康なら人も幸せに違いありません。

ストレス解消や運動不足の対策に、お留守番の時間にパズルフィーダーにおやつやフードを置いておいてあげてもよさそうですよね。