愛犬のフケやかさぶたが気になる!どんな原因が考えられるの?

愛犬のフケやかさぶたが気になる!どんな原因が考えられるの?

秋冬は湿度が下がり、乾燥が気になるシーズンです。この時期は人も肌が乾燥して、かゆみや肌荒れが起こりやすいですよね。犬も皮膚トラブルになりやすく、フケが大量に出たり皮膚にかさぶたができたりすることも。今回は、愛犬のフケやかさぶたの原因をご紹介します。


愛犬にかさぶたができる原因

愛犬にかさぶたができるのは、主に次のような皮膚病が原因です。

膿皮症(のうひしょう)

かさぶたができる皮膚病で最も多いのが膿皮症です。この膿皮症は大きく分けて3つの種類があり、ほとんどがかゆみをともない症状が落ち着くと皮膚にかさぶたができます。

特に犬に多いのが「表層性最近性毛包炎」で、毛穴の奥にある毛包内に細菌が侵入し、繁殖することで炎症を起こします。毛包内が化膿して、にきびのような発疹やかゆみの症状が表れます。

また、「化膿外傷性皮膚炎」は、愛犬が肌をかきむしったことでできる皮膚炎。愛犬の爪で肌が擦られることで、角質層の組織が破壊されてしまい、そこに細菌が繁殖して皮膚炎へと発展します。

特に湿度が高い時期に起こりやすく、ブラッシング不足やシャンプー後に毛を乾かすのが不十分など、毛の中に湿気がこもるのが主な原因。

他にも、化膿を起こして膿が溜まった黄色いかさぶたができるのは「膿痂疹」の可能性があります。こちらは寄生虫やウイルスが原因で、子犬のお腹にできる病気です。かゆみをあまり感じなく、自然治癒することが多いですが、見た目が痛々しく驚いてしまう飼い主もいるようです。

脂漏症(しろうしょう)

脂漏症はその名の通り、肌に油分が多くなることで起こる皮膚炎。皮脂はマラセチア菌という真菌の好物で、肌がべとついているとどんどん繁殖して炎症を起こしてしまうのです。

主な症状は肌が脂っこくベトベトとしている、体臭がカビっぽい、赤い発疹が出るなどがあり、食事の栄養バランスの偏りによる栄養不良、ホルモンバランスの乱れによって引き起こされます。

愛犬にフケが出る原因はどんなものがある?

ツメダニ症


ツメダニという虫に寄生されると、激しいかゆみと同時に白い大量のフケやかさぶたが発生します。かゆみによって愛犬が皮膚を強く引っかいてしまうので、赤くただれて炎症を起こすことが多いです。

寄生されていると、白いフケのような無数のツメダニが動いているのがわかり、どんどん繁殖が進んでいきます。このツメダニはすでに感染している他の犬との接触や、ノミ、ハエが媒介になって、皮膚で繁殖することも。

このツメダニは人へ寄生し、愛犬と同じく強いかゆみや白いフケが発生します。治療法はツメダニを殺虫するために、薬を全身に散布するのが一般的です。

疥癬(ヒゼンダニ症)

ヒセンダニ症はその名の通り、ヒセンダニという寄生虫が愛犬の体で繁殖したことで起こる皮膚病。こちらも強烈なかゆみやかさぶたをともない、ヒセンダニが愛犬の皮膚に穴を開けて卵を産み付けます。

こちらも人に寄生するリスクがあるダニですので、愛犬に症状が見られたらしっかりと駆除をして、二次被害を避けましょう。

愛犬にかさぶたができた時のチェックポイント

まず愛犬にかさぶたができていたら、全身を全て確認して、どこにどの程度かさぶたができているかを把握しましょう。皮膚炎はその病気によって、かさぶたができやすい箇所に違いがあります。

また、かさぶただけでなく膿や出血の有無を確認するなど、他の異常がないかも調べておきましょう。特にダニなどの寄生虫の場合は、かさぶたの他に大量のフケが発生することが多く、皮膚をじっくり確認するとダニが動く様が見えることもあります。

また、時間が経ったかさぶたは黒く変色したり固くなったりして簡単に取れなくなっているので、シャンプーのみでは改善が難しいです。

かさぶたやフケなどの皮膚トラブルを防ぐには?

それでは、愛犬のかさぶたやフケといった皮膚トラブルを防ぐには、普段からどんなことに気をつけていればいいのでしょうか?

飼い主が自宅でできる皮膚トラブル予防法をご紹介します。

定期的なシャンプー

愛犬が皮膚炎を発症するのは、肌が不衛生になっていることが多いです。特にシャンプー嫌いな愛犬だと、長期間体を洗っていない飼い主もいるでしょう。

しかし、定期的にシャンプーをしないと皮膚に汚れや皮脂が溜まり、菌が繁殖しやすくなります。それを防ぐために、最低でも月に1回のシャンプーを心がけましょう。特に長毛種は2週間に1回シャンプーをして、毛のほつれを解き、皮膚をしっかりと乾燥させるのも大切です。

また、フケやかさぶたといった皮膚トラブルが多い愛犬は、トリミングの際に薬用シャンプーやマイクロバブルをお願いするという方法もおすすめです。

寄生虫予防をする

愛犬に寄生するノミやダニを防ぐには、事前に薬液やシャンプーを使って予防しておくのがポイント。ノミやダニは一年を通して繁殖するので、定期的に体につける予防薬を利用して、愛犬に寄生中が寄り付かないようにしましょう。

また、愛犬に寄生したノミやダニの種類によっては、人に寄生するものもあるので、こまめに寝具や布に掃除機をかけるなど、寄生虫を駆除することも大切です。

まとめ

愛犬はほとんどが毛に覆われており、皮膚の状態がどうなっているのかわかりにくいこともあります。しかし、飼い主が気づかないうちに寄生虫に寄生されていたり、皮膚炎を起こしていたりすることがあるので、こまめに愛犬の皮膚の状態を観察してあげましょう。

また、フケやかさぶたといった症状が気になったら、動物病院を受診して適切な治療を受けるのも、再発防止につながります。

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