愛犬があくびをする理由
■理由1.警戒心によるもの
人のあくびと言えば、疲れた時や眠い時、退屈な時に出ることが多いですよね。しかし、犬があくびをするのはリラックスするというよりも、精神的に不安を感じている時に行うことが多いのです。
基本的に犬は誰かからじっと目を見つけられると、相手が攻撃をしかけてくるのではないかと警戒をします。そんな警戒心による不安を解くために、あくびによって気持ちを落ち着けているのがあくびをする基本的な理由。
それと同時に「私はあなたに敵意がありませんよ」ということを伝える意味も持っています。つまり、人があくびをするのはリラックスした状態なのに対し、愛犬のあくびは緊張感を覚えている時に起こることが多いのです。
■理由2.疲れや眠気によるもの
愛犬も人と同じく、疲れや眠気を感じるとあくびが出ることもあります。そもそもあくびは疲れなどによって脳の機能が衰えた状態に起きます。
この脳を活性化させるために大きな口を開けてあくびをすることで、酸素を取り込み頭の血行を良くする効果も。また、あくびの際に口を大きく開けるのは顔周辺の筋肉を刺激して目を覚まさせる作用もあります。
愛犬があくびをした後に、横になったり目を閉じたりする動作があったら、疲れてしまっている可能性があるので、寝床でゆっくりと休ませてあげましょう。
■理由3.飼い主のあくびが移った
家族の誰かがあくびをすると、つられて自分もあくびをしてしまうことがありますよね。これはあくびを見た人がその人に対し、感情移入をして自分も疲れや眠気を誘発するのが理由。
実は最近愛犬も大好きな飼い主があくびをすると、感情移入をしてあくびをすることが明らかになりました。愛犬は飼い主の気持ちや状態を観察し、感情を読み取っているので飼い主が疲れたり眠そうにしていたりすると、その気持ちに合わせてあくびが出るのです。
■理由4.飼い主が言っていることを理解できない
また、しつけやトレーニングのときにあくびをするのは、飼い主が言っていることを理解できていない可能性があります。決して、飼い主とのトレーニングやしつけがつまらない、嫌だということではなく、飼い主が言っていることを理解できず、どうすればいいのかわからないときも、あくびが出てしまうのです。
このあくびは愛犬が飼い主に対して、「どうしたらいいの?」と問いかけているようなもの。飼い主からすると、やる気がない、つまらないのかと叱りたくなりますが、ここで叱っても愛犬は飼い主が叱る理由がわからず、ストレスや不安を感じてしまいます。
愛犬がトレーニングやしつけの最中にあくびを頻発するときは、一旦休憩を入れたり、やり方を変えたりして、愛犬のペースに合わせた方法で進めていきましょう。
愛犬のあくびは病気が隠れていることも
可愛らしい愛犬のあくびですが、単に精神的なものだけでなく病気が原因でもあくびをすることがあるのをご存知ですか?
中には放っておくと愛犬に命の危険が及ぶ病気に発展することもあるので、あくびだと甘く見ず普段と様子に違いがあったら動物病院で診察を受けさせましょう。
それでは、愛犬があくびをする際に考えられる病気をご紹介します。
■低血糖
脳のエネルギー源のブドウ糖が極端に減少すると、脳の働きが低下してしまいます。そこで、体は脳へエネルギーを運ぶために血行を良く使用と働きかけ、酸素をたくさん体内に取り入れようとするのです。
これが愛犬のあくびとなって症状が表れることがあり、放っておくと意識障害の危険性があります。特に高齢犬や肥満犬は糖尿病のリスクが高いので、飼い主が気づかないうちに病気が進行している可能性も。
また、他の重大な病気でも低血糖の症状が出ることがあるため、だるそうにしている、眠っている時間が伸びた、水を頻繁に飲むといった症状があったら、早めに動物病院を受診しましょう。
■歯や口の違和感や痛み
愛犬があくびをするのは、歯や口に何らかの異常が出ている可能性があります。特に口の中に何らかの異物がくっついている、歯に挟まっている状態だと、愛犬が口を大きく開けてあくびをすることがあります。
特に愛犬の口は歯石や歯垢が付着しやすいので、歯の間に大きな歯石がつまっている可能性も。このような口や歯の違和感を放っておくと、虫歯や歯周病のリスクが高くなるので、毎日の歯磨きは欠かせません。
まずは清潔なガーゼタオルで歯をふくなど、口の中を触らせるようにしつけをしましょう。徐々に慣れてきたら犬用歯ブラシを使って、食事の後の歯磨きを習慣化していってください。
まとめ
愛犬のあくびは緊張や不安の表れであることが多く、特にストレスを感じた際に頻繁にあくびをします。また、あくびは自分の緊張をほぐすだけでなく、相手に敵意がないことを示す動作でもあるのです。
愛犬があくびをしていると、つまらないのか、眠いのかと思ってしまいがちですが、実は強いストレスを感じていたり、病気が原因だったりする可能性もあるので、いつもと様子が違ったら動物病院で検査を受けましょう。