売られている犬には「セリ市」もある
犬や猫がセリ市によって、まるで魚のように売られている現実を知っているでしょうか？ペットショップが犬猫を入手するルートは、「ブリーダーから購入」「パピーミル」などありますが、その中のひとつが「セリ市」です。
■子犬を段ボールに入れて売る
全てではないものの、ペットショップの多くが販売する犬ネコを「セリ市」から購入しています。セリ市とはいわゆるオークションのこと。インターネットで取り引きされることもありますが、実際の市場には子犬や子猫が詰められた段ボールが積み重なっています。
■生後間もなく親犬から引きはがされる
月齢が低いほど高い値が付けられるため、子犬の多くが生まれて間もなく母親から無理に引き離されています。子犬は母親のもとで社会性などを身に付けますが、その期間を奪われてしまった犬は成長しても吠え癖や噛み癖を持ちやすいと言われています。
■環境省も指摘する感染症問題
セリ市などは犬にとっても非常に特殊な環境下となります。そのため感染症にかかりやすく、多くの病気には潜伏期間があるため飼い主が決まってから病気を発症するケースも珍しくありません。
ペットショップで売られる犬たちの現状
もちろん、ペットショップで働く多くの方が扱う犬や猫を大切に思っていることでしょう。しかしそもそも、ああいった小さなショーケースに入れられじろじろと見られ、夜間には誰もいなくなる…どれだけ清潔にしていてもそれが犬ネコにとって「適切で幸せな環境」と言えるでしょうか？
■ペットショップは虐待という考えの国もある
動物愛護の面で、日本はまだまだ先進国とは言えません。ドイツ・アメリカ・イギリス・スイスの国では動物愛護の対応が非常に進んでおり、法律のあるなしに関わらず業者さんたち自らが「ショーケースでの販売をやめる」という動きが一般的です。そういった場所に犬を閉じ込めることは虐待と考えるからです。またスイスでは飼い主になるための試験もあります。
日本で売られる多くの子犬たちは、まだまだ母親に甘えたり草花のにおいも楽しみたい時期を奪われているのかもしれません。
■売れるのは生後半年まで
ペットショップでは生後約半年を過ぎてしまうと、「商品」としての価値は下がります。そのため、大幅に値段を下げたりしているのを皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか？そういった犬に「商品価値」をつけてしまうのは他でもない消費者の私たちです。
■売れ残った犬は殺処分されることが多い
では、売れ残った犬たちの行方は？もちろん、良識あるペットショップであれば死に物狂いでも里親や飼い主を探すでしょう。自分や知人が引き取ることもあるようです。しかしそれでも見つからない場合には、本当に最悪の結末ですが保健所へと持ち込まれて殺処分されることも多いのです。
また悪質なペットショップの場合にはメス犬をパピーミルとして引き渡し、その犬は生涯繁殖犬として子犬を生む道具のように扱われます。
解決策のカギは消費者がにぎっている
では、どうしたらこのような現状を変えていけるのか？それはわたし達消費者に大きく関わってくることです。犬を飼うすべての人がぜひ目を背けずに考えることが、日本も「動物愛護先進国」になる一番の近道かもしれません。
■子犬じゃなきゃダメな理由って？里親という選択肢
犬の飼うときに「子犬」にこだわる理由はなんでしょうか？可愛いから？イチからのしつけをしたいから？でもその子犬たちは、本当はもっともっと母親のそばに居たいんです。そういった犬の気持ちも考えてみましょう。どうしても子犬が良い、という場合でも里親でも十分に子犬を見つけることは可能です。また成犬は性格が分かりやすく相性を見極めやすいというメリットもありますよ。
■良識あるブリーダーから購入する
迎える犬の犬種や年齢にこだわるなら、ペットショップでの購入よりもブリーダーから直接購入するようにしましょう。この際、「犬舎の見学をさせてくれない」ブリーダーは悪質な可能性が高いです。犬舎が清潔に保たれて犬たちになるべくストレスのかからない環境作りをしている、まじめで良識あるブリーダーさんを探しましょう！そういったブリーダーさんはこの先それぞれの犬種を残していくためにも必要な存在ですよね。
■ペットショップを見極める
全てのペットショップが悪質なわけではありません。しかし他の動物愛護先進国のようにペットショップを作るのに特別なライセンスが必要ない日本は、届け出ひとつでオープンできるので悪質な店があることは事実です。
買う側がその見極めをして利用することで、悪質な店は自然と無くなっていくと願いたいです。売れ残った犬たちを「もらってください」と声かけ運動をしていたり、動物たちの管理が行き届いている店は良心的と言えます。思い切って「売れ残った犬たちはどうしているんですか？」と聞くのもひとつです。曖昧な答えであれば信用しないようにしましょう。
悪質業者を「儲からなく」させること
言葉は悪いですが、これが一番の方法ではないでしょうか？良心的なブリーダーやペットショップを選んでいけば結果的にパピーミルは廃業し、保健所への持ち込み件数も減っていきます。もちろん、「良心的か分からないショップから買っちゃった…」という飼い主さんは、知らなかっただけなので罪悪感を持つ必要はありません！
その子を生涯大切に愛情を注いであげる事、これが一番大切なんです。
