2017年11月06日

絶対に与えないで!犬に食べさせてはいけない食べ物を知っておきましょう

犬に与えてはいけない食品があることを知っていますか?間違って与えてしまうと、最悪、命を落としてしまうこともあります。後からそうだったのか・・・なんてことにならないように、しっかり覚えておく必要があります。


こんにちは、獣医師の明石照秋です。

犬には絶対に食べさせてはいけない食べ物がいくつか存在します。その中には何も特別なものではなく、私たち人間が普段から食べているものも多く含まれています。間違ってこれらを与えてしまうと、最悪、命を落としてしまうこともあります。そのため、愛犬がちょうだい!とせがんできても、絶対に与えてはいけません。

今回は、犬が食べると体調が悪くなる食べ物をまとめました。これらの知識は、飼い主として必ず知っておかなければなりません。知らずに食べさせてしまった、なんてことがないように、しっかり覚えておきましょう。

ネギ類(玉ねぎ、長ネギなど)

ネギ類が犬にとって駄目なのは有名ですね。また、ニラも食べると危険とされています。

ネギ類が駄目な理由は、これらに含まれる「アリルプロピルジスルファイド」という成分が、血液中の赤血球を破壊するためです。
赤血球が破壊されると、全身に酸素が行き渡らなくなり、貧血状態に陥ります。ひどい場合は、そのまま命を落としてしまうこともあります。

具体的な症状としては、嘔吐や下痢、目などの粘膜部分が真っ白になるなどが挙げられます。また、一番大きな特徴は、真っ赤な血尿が出ることです。これは破壊された赤血球が尿中に出てくるために起こります。

どれぐらいの量を食べると危険なのかは、犬種や個体によって差があります。一般的には、少量であったならそこまで問題にはならないとされていますが、個体によっては少量でも重篤な症状が出ることもあります。

もし、誤って食べさせてしまった場合、すぐに動物病院に連れていきましょう。少しだから大丈夫、と自己判断するのが最も危険です。きちんと獣医さんの診断を受けましょう。

チョコレートなどのカカオ類

カカオに含まれる「テオブロミン」と呼ばれる成分が、犬にとって有害になります。
カカオが含まれる食品を多量に食べると、多尿や下痢などの症状が見られます。そのまま適切な治療を受けさせずに放置すると、嘔吐や痙攣などの症状が出現し、最終的には呼吸困難や不整脈を起こし、死亡します。

少量では大きな症状が出ることはありませんが、誤食させないように注意しましょう。ビターチョコを1枚弱ほど食べてしまった場合などは危険なことがあるので、すぐに動物病院に連れていきましょう。

牛乳

これは意外に感じる人が多いかもしれませんね。よく漫画や昔のドラマなどで、牛乳を子猫や子犬に与えているシーンがあるので、問題ないと思っていた人が多いのではないでしょうか。ただ、全ての犬が駄目というわけではありません。犬によって個体差が大きいです。

牛乳に含まれている成分を分解するには、「ラクターゼ」と呼ばれる酵素が必要です。そして、牛乳が飲めるかどうかは、このラクターゼを持っているかどうかが関わってくるのです。
人でも大人になって牛乳が飲めなくなった、という話を聞いたことがありませんか?これは、大人になるにつれて、ラクターゼが腸内から消失してしまったために、牛乳の成分を分解できなくなり、お腹を壊すようになってしまったのですね。
犬でも、ラクターゼを持っていない個体が牛乳を飲むと、お腹を壊して下痢をしてしまいます。牛乳が好きな子は多いですが、まずは少量あげてみて、下痢をするようだったら牛乳を与えるのは控えましょう。

ナッツ類

一口にナッツと言っても、ナッツにはたくさん種類がありますね。そして、どのナッツが犬にとって有害かどうかは、まだ完全には解明されていないのです。
そのため、ナッツ類全般は犬に与えないようにしましょう。また、安全と言われているナッツでも、人用に味付けされたものは、犬にとって有害である可能性が高いです。犬は人ほど塩分を必要とせず、塩分を体内で処理する仕組みが人に比べて劣っています。人用のナッツは、犬が食べるには塩分が強すぎるのですね。欲しがってきても与えないようにしましょう。

他にもたくさんの危険な食品が

これら以外にも食べさせると危険な食品がたくさんあります。以下に列挙していますので、与えないように注意してください。

・キシリトール(ガムなどに含まれている)
・ぶどう、レーズン
・イカ、タコ、貝類など(十分に加熱していれば問題ない)
・コーヒー、紅茶、緑茶
・生の豚肉(トキソプラズマに感染する恐れ)

などです。以下のページにさらに詳しく載っているので、ぜひ参考にしてください。
http://standardpoodle1.sakura.ne.jp/alfa/poodleFamily/xfood.html

知らなかったでは済まされない

誤食して亡くなってしまう子は、毎年一定数います。いずれも飼い主さんに知識があり、注意していれば防げたことです。さすがに100個近い食品を全て覚えるのは無理があるでしょう。一番確実なのは、人の食べ物を与えないようにすることです。
亡くなってしまってからでは遅いのです。後から後悔しないよう、必要な知識としてしっかり覚えておきましょう。