都知事も宣言!2020年殺処分ゼロに向け飼育放棄の理由を考えよう

都知事も宣言!2020年殺処分ゼロに向け飼育放棄の理由を考えよう

毎年何万もの犬や猫が飼育放棄によって最悪の場合には殺処分となることは皆さんご存知かと思います。「うちは絶対にそんなことしない!何があっても守る!」もちろんその気持ちは大切です。しかし飼育放棄に多い理由は、すべての飼い主に可能性のあることでした。


2020東京五輪には殺処分ゼロを目指す東京都

東京都は一年間で700頭以上もの犬・猫を殺処分している現状ですが、2016年9月小池百合子東京都知事は「2020年までにゼロにする」という大きな目標を掲げています。まずこの目標は東京都だけではなく全国で取り組むべきことでありますし、同時にペットを飼う人全員で取りくむべき問題。

今回ご紹介する「犬の飼育放棄」の理由、そのほとんどが犬を飼うすべての人に可能性のあることです。もちろんこの記事を書いている私も含めて。今回はあえてペットショップやブリーダーの問題には触れませんが、「うちは生涯大事にするから関係ない」と思わずに、万が一何かあった場合にどのような方法で愛犬を守れるか、ぜひ真面目に考えてみましょう!

飼い主側の理由での飼育放棄

保健所などに持ち込む際に飼い主が記入している「飼育放棄の理由」きっとその飼い主たちは、「すごく可哀想だけど、私たちだって悩んだうえでの決断」と自分に都合のいい解釈をするのでしょう。でもあらゆる可能性を考えて対策を取っていれば、違う結末があったかもしれません。

子どもが出来た・子どもにアレルギーがある

愛犬を飼い始めたときには独身でも、その後結婚し子どもを持つことも十分に可能性の高いこと。ではその子供がもし犬アレルギーになってしまったら?この場合の対策としては、部屋数の多い家に引っ越して犬と子どもを隔離する・庭で飼う(子供のいる時間帯だけでも)などなるべく子どもと愛犬を接触させない環境を作ること。

しかし症状が重い場合には命に係わることもあり、親としては子どもの命第一優先で考えたいのも本音でしょう。しかし、愛犬も我が子同然に可愛いものですよね。そういった場合に備えて、お子さんの予定がある方はご実家などに「万が一の場合には預かってほしい」と相談しておきましょう。

飼い主が高齢・死去

飼い主さん自身が高齢になり世話が出来なくなったり亡くなってしまい引き取り手が無い、というケースも多い飼育放棄の理由です。愛犬を迎えるとき、あなたは何歳でしょうか?愛犬の寿命とご自身の年齢、このバランスを考えてから犬を飼うようにすることが大前提です。

もしご自身がご高齢なら、「自分の身に何かあったら」を想定し、周りの人に愛犬の世話を頼める環境を整えておきましょう。またご両親など周りの高齢者が犬を飼っている場合には、ぜひ一声かけてあげてくださいね。

引っ越しの事情・一人暮らしで面倒見れない

これまでご紹介した2つの理由とは違い、もっとも身勝手と言える飼育放棄の理由です。引っ越し先に関しては大変かもしれませんが、ペット可の物件を見つけるほかありません。犬を飼っているなら当然の責任です。一人暮らしで面倒が見れないのなら、なぜ飼ったのでしょうか?手放す前に、ペットホテルや犬の保育園の活用など、手放さなくていい方法を見つけてください。

犬に理由をつけた飼育放棄

我が子同然であっても、やはり犬は動物です。思い通りにしつけが上手くいかないこともあるでしょう。だからって、それを理由に飼育放棄してしまう人には犬を飼う資格もありませんよね。一生懸命にしつけをした上でどうしようもないのであれば、プロの力を借りてみるのもひとつですよ。どんなに手に負えない子でも、望んでいるのは飼い主さんからの愛情です。

吠える・噛む・暴れる

特に成犬で引き取った場合に多い飼育放棄の理由です。成犬で引き取るということは、その愛犬にはさまざまな理由から深い心の傷を負っていることもあるでしょう。まずは時間をかけて環境に慣らし、信頼関係を築くこと。それは想像以上に時間のかかることかもしれません。その覚悟を持ちましょう。

そして、ドッグトレーナーやしつけ教室に通うということは考えましたか?個体差の大きい犬の性格、それぞれにしつけのコツがあるはずです。一度プロに頼んでしつけのし直しをしてもらいましょう。

犬の病気・高齢化

犬は生き物です。病気もします、年も取ります。そしていつかは死にます。迎え入れた当初はなんの問題がなくても、暮らしていくうちにさまざまな病気にかかることもあるでしょう。それでも家族として最後まで面倒を見るのが飼い主さんの責任。

高齢になれば痴呆症になることもあります。その現実や死を受け入れたくないがために手放すのではなく、「看取ってやることが愛犬には最高の幸せ」ということを忘れずに。

子犬が産まれた・増えすぎた

飼い主無責任な管理不足、この理由の他ありませんよね。避妊や去勢手術、手に負える頭数を考えて飼うことが大前提ですが、もし増えてしまったのなら動物病院や新聞などに掲載し引き取り手を探しましょう。小さな命でも必死に生きています。

みんなが幸せに暮らすため、家族で話し合おう!

少し厳しい口調となってしまう部分もありましたが、中には突然やってきた「飼育放棄するしかない状況」にパニックになってしまい最善策を見つける余裕が無い人もいるのかもしれません。

今後可能性のあるさまざまな状況にそなえて、家族で話し合いをしてみましょう!「もし愛犬に24時間の介護が必要になったら?」「転勤で犬OKの物件が無かったらどうする?」など、落ち着いて考えておけば必ず愛犬も飼い主さんも幸せに暮らせる解決策が見つかるはずです!

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