犬がおもちゃ・飼い主の持ち物をくわえて離さない理由とは?
犬は、はるか昔から捕らえた獲物を確実に住処に運び、子供達に食べさせる事で子孫を繁栄して来ました。犬が口にくわえた物を離さないのは、そうした動物の本能である事がまず考えられます。
例え食べ物でなくても、自分のおもちゃや飼い主の持ち物であっても、一度その口にくわえたらそう簡単には手放せさないのはそうした名残があるからでしょう。
ただ、飼い主の大事な持ち物などを離してくれないのは困りものです。そういう時に、無理やり奪い取ろうとすると犬は不快な気持ちになりストレスがたまってしまいます。
愛犬がおもちゃをくわえて離さない時
▼理由
飼い主と遊びたい・遊び足りない
▼対処法
20分〜30分という時間を決めて遊んであげる
おもちゃを取り上げられたら、犬の大好きな飼い主と遊ぶ時間が終わってしまうと考えている場合は、おもちゃをくわえたまま離さなくなったり、取ろうとするとうなり声をあげる事があります。
こうした場合は、まず全力で犬と遊んであげるのが良いです。ただ、ダラダラと長時間付き合ってあげるのではなく、20分〜30分と時間を決めておきます。それを繰り返していると、『遊ぶ時間』と『遊ばない時間』があるという事を犬が学習してくれます。
どうしてもくわえたものを離してくれない場合は、おやつを与えても構いません。遊び終わったおもちゃは愛犬の目の届かない場所に隠しておきましょう。
また、これも遊びの一環なのですが、犬が引っ張りっこを求めている事も考えられます。
犬との引っ張り合いに付き合ってあげるのは悪い事ではないですが、最終的には必ず飼い主が勝つ事を意識してください。
犬に根負けして引っ張り合いに負けてばかりいると、飼い主の事をボスだと認めづらくなっていきます。こうなってくると、他のしつけに関しても飼い主の言う事を聞かずにわがままになる原因となりやすいです。
単なる遊びの勝敗でも犬にとってはとても重要な事なのです。遊びの時間も含めて飼い主が必ずリードしてあげる事が効果的なしつけ方だといえます。
愛犬が飼い主の大事な物をくわえて離さない場合
▼理由
飼い主と遊びたい・かまって欲しい・飼い主より自分の方が上だと思っている
▼対処法
くわえている物を離させるしつけをする
私の経験だと、どこかに出かけようとした時に靴下だったりバッグだったりをくわえて離さないという事がありました。きっと、私が出かけるとお留守番になってしまうのでそれを阻止したかったのでしょう。
思わず抱きしめてあげたくなっちゃうんですけど、急いでいる時にこれをやられると本当に困ります。特にバッグなんかは引っ張り合いになるとボロボロになってしまうので無理やり奪う事も出来ません。
そうした時の対処法としては、まずくわえている物を諦めてもらう事を優先させましょう。
おもちゃやおやつなどで犬が興味を持ってくれる代わりの物を用意しましょう。物々交換みたいですが、これが一番被害が少ないです。
こうした事態を避ける為の良いしつけの方法としては、普段から犬がくわえている物を離すような訓練をしておく事です。
■愛犬に「ちょうだい」を教える方法
まずは飼い主がおやつを持っておきます。飼い主さんが手の平を愛犬の前に出して「ちょうだい」と声をかけながらおやつを見せます。すると、犬が今くわえている物を離しておやつに興味を示します。
くわえているおもちゃなどを飼い主の手の平の上に離すようにするのが理想ですね。上手くいったらおやつを与えて思いっきり愛犬を褒めてあげます。
これを繰り返す事によって、犬は「ちょうだい」=今くわえている物を離す事!という認識を持ちます。次第に、おやつ抜きでも「ちょうだい」と声をかけるだけでくわえている物を離してくれるようになります。
ただ、上記にも書いたようにくわえた物を簡単には離さないのが犬の本能ですから、「ちょうだい」をしつけるのはかなり時間がかかるかもしれません。また、飼い主と愛犬との主従関係もかなり関係してきますので、根気よくトライして頂ければと思います。
まとめ:犬がくわえた物を離さないのは悪い事ではない
1. 犬は昔の名残からそういう生き物であるという事を理解してあげます。くわえている物を力ずくで奪ったりするのは良くありません。
2. 犬がおもちゃをくわえて遊ぶ事はストレス解消に効果的です。おもちゃを使って一人遊びを覚えてくれると、お留守番の時にとても助かるという面もあります。
3. 犬がおもちゃをくわえてすり寄って来たりするのであれば、遊んで欲しがっている場合が多いです。犬とのコミュニケーションや信頼関係の構築のためにも、遊ぶ時間はきっちりと遊び、遊ばない時はおもちゃを隠しておくなどのメリハリをつけておく事が大事です。
おもちゃを出しっ放しにしておくと、そのおもちゃに興味を示さなくなってしまいますので、遊ばせたくない時は出来るだけ隠しておくのが良いでしょう。
4. 犬は興味を持った物は何でもくわえてしまう可能性がありますので、飼い主の大事な物をくわえて離さなくなってしまうと困ってしまいますから、普段のしつけから「ちょうだい」を訓練しておくのが良いでしょう。