■牛乳
猫は牛乳の乳糖を分解するラクターゼという酵素を持っていないため、下痢をすることがあります。
牛乳を与えても下痢をしない猫もいますが、ミルクを与えたい場合は、猫用のミルクを与える方がいいでしょう。
ただ好きだから与えるときには、水で2倍に薄めるなどして、脂肪分を取りすぎて肥満にならないように気をつけましょう。
子猫の場合は、小さな体で下痢をすると脱水してすぐに命に関わる場合があるので、与えてはいけません。
《与え方に注意》与え過ぎ、与え方で危険な食べもの
■頭足類、貝類、甲殻類、淡水魚
イカやタコなどの頭足類、アサリ、ハマグリ、シジミなどの貝類、エビ、カニなどの甲殻類、コイ・マス・ニシンなどの淡水魚は、多量に摂取するとビタミンB1欠乏症を発症する恐れがあります。
発症すると、食欲低下、嘔吐の症状が出て、ふらつきなどの神経症状に進むこともあります。
イカやタコは猫に必須のアミノ酸であるタウリンが豊富で、加熱したものは安全ですが、与える場合は少量にしましょう。
また、少量であれば大丈夫なので、ちょっと食べてしまっても慌てずに異状が無いか観察しましょう。
■生卵の白身
加熱すれば問題ありませんが、生だと下痢、皮膚炎、結膜炎などの症状が出ることがあります。
■青魚
サバ、アジ、イワシなどの青魚 は体に良い食材の一つですが、不飽和脂肪酸で体内の脂肪が酸化し、ビタミンEが欠乏して「黄色脂肪症(イエローファット)」になることがあります。
急性で出る症状ではなく、慢性的に食べすぎることで発症しますので、適量を与えるのは大丈夫ですし、イワシの煮干しなどは、カルシウムやビタミン類の補給にも適しています。
ただし、煮干しはマグネシウムが多いので食べ続けると尿路結石の原因となる可能性もあります。
■塩分の多いもの
ハム、ソーセージ、魚の干物など、猫に与えると喜びますが、そういった人間用に加工食品には塩分がたっぷり含まれています。
猫に塩分はNGとよくいいますが、ナトリウムは猫にとって細胞の機能に必要不可欠な、必須のアミノ酸のひとつです。
高血圧になる、といわれることが多いですが、ナトリウムによる高血圧のリスクは認められないそうです。
過去には塩分摂取量の増加に伴う高血圧のリスクが指摘されていたが、現在では高血圧が認められないという報告が大多数である(Buranakarl 2004 Xu H2009 Cowgill 2007)。これは犬や猫ではナトリウムを容易に尿中に排泄することができるためと考えられる。
しかしながら、本来猫は塩で味付けをして肉を食べているわけではないので、必要なナトリウムは肉に本来含まれる分量で十分であり、過剰に与えるこことは健康を害する危険があります。
RC(全米研究評議会)のガイドラインによると、食事中のナトリウム量1.5g/400kcalで安全性が確認されている。
猫も味が付いている方が美味しいと感じるともいわれおり、猫用のおやつや嗜好性の高いフードには塩分が多めに含めれている可能性があります。
人間の食べものを与えないのはもちろん、猫が好むからといっておやつや嗜好性の高い安価なフードばかりを与えるのは、人間がジャンクフードやスナックばかり食べているのと同様な為、バランスのよい食餌を与えられるように心掛けたいですね。
■レバー
レバーに含まれる脂溶性ビタミンが体内に蓄積すると、食欲不振や嘔吐の症状が出たり、骨髄の変形に進むこともあります。
週に1回少量与える程度であれば問題無いそうです。
■海苔、鰹節
煮干しほどではなくても、結石の原因となるマグネシウムが豊富なため、好きであっても与えすぎない方が安心でしょう。
カツオ節は、たまのご褒美程度にしておくのがいいかもしれないですね。
また、人間用に加工されているものは、塩分を含むので与えないようにしましょう。
■硬水のミネラルウォーター
結石の原因はマグネシウムだけではありませんが、硬水はマグネシウム豊富なため、ミネラルウォーターを与える場合は軟水である方がよいでしょう。