2016年11月05日

本当に安全?猫に与えては危険な食べものがこんなにある!

猫が欲しがるからといってついつい与えてしまっているものが、猫にとっては有毒なこともあります。うっかり食べたら命を落とすものも。 人間には大丈夫だけど、猫にとって危険な食べものをまとめました。


《危険度高》命に関わることもある食べもの

ネギ類、ユリ科植物

タマネギ、長ネギ、ニラ、ニンニク、エシャロット、ラッキョウなど

猫の血液中の赤血球を破壊する成分が含まれており、胃腸障害、血尿、衰弱、心拍の増加などの症状が出ます。

ネギ類を食べると急性の貧血を起こし、死亡することもあります。
加熱したり、ネギ類のエキスを使用したスープでも危険です。

レーズン、ブドウ

アメリカの調査機関の臨床結果で犬・猫に有毒であると立証されています。

犬では摂取後数時間以内に嘔吐、下痢などの症状が出て、腎機能障害になることがあるそうです。
因果関係はまだはっきり解明されておらず、猫での症状は不明ですが、与えないに越したことは無いですよね。

《過剰摂取で危険》命に関わることも

カカオ類

チョコレート、 ココアなど

不整脈、心拍の増加、口の渇き、過剰な活動、痙攣、発作、嘔吐などの症状が出ます。

ココア飲料やチョコレートケーキなどは、目を離すと猫が舐めてしまうこともありますので、注意しましょう。

カカオの香り成分の1つであるデオブロミンが猫にとっては危険な毒素になります。
ビターチョコレートのように、カカオ含有量の高いほど危険です。

ミルクココアをひと舐めしちゃった!という程度では命の危険はありませんので、慌てずに状態の変化が無いかを観察しましょう。

スルメ

スルメは、胃の中で水分を含み、10倍以上に膨れる事もあるそうです。
うまく噛み切れず、大きい塊で飲み込んだスルメが胃の中で膨らむと、腸を通れず、また吐く事も出来無いという大変危険な状態になります。

袋に入っていても、猫は匂いを嗅ぎつけます。絶対に放置をしないことが大切です。

アボカド

アボカドの果実、種子、樹皮などに含まれるペルジンを過剰に摂取すると、胃腸炎を起こし、死亡の恐れもあります。

丸ごと一個食べたら、とかなので、猫が丸ごと一個アボカド食べる機会は無いと思いますが、知識として知っておきましょう。

《危険度中》すぐに命の危険はなくても注意が必要

アワビ、 サザエなどの貝類

アレルギー症状のひとつである光線過敏症を発症します。
腫れやかゆみが出て、耳などが壊死することもあります。

猫が好きな匂いなだけに要注意ですね。

生の豚肉

人間でも、豚肉は加熱しないと危険なので食べないですよね。

寄生虫のトキソプラズマに感染すると、体重減少や下痢などの症状が出ることも。
猫の場合は、体内でトキソプラズマが成虫になるまで育ってしまいます。

アルコール

酒類や、調理に使うみりんなど

肝臓が小さい猫には、ほんの少量でも大きな負担になります。
嘔吐、下痢、痙攣、意識障害の症状が出ることがあります。

カフェイン

お茶、紅茶、コーヒー、コーラなどに含まれるカフェインは猫にとって有毒です。

テオグロシンという成分が中枢神経を興奮させてしまい、心臓や神経系統に作用します。
下痢、嘔吐、多尿の他、呼吸数や心拍数の増加、痙攣などを起こすことがあります。

ミルクティーや、ミルクコーヒーは、ミルクの匂いにつられて猫が飲んでしまうことがあるので注意しましょう。

牛乳

猫は牛乳の乳糖を分解するラクターゼという酵素を持っていないため、下痢をすることがあります。
牛乳を与えても下痢をしない猫もいますが、ミルクを与えたい場合は、猫用のミルクを与える方がいいでしょう。

ただ好きだから与えるときには、水で2倍に薄めるなどして、脂肪分を取りすぎて肥満にならないように気をつけましょう。

子猫の場合は、小さな体で下痢をすると脱水してすぐに命に関わる場合があるので、与えてはいけません。

《与え方に注意》与え過ぎ、与え方で危険な食べもの

頭足類、貝類、甲殻類、淡水魚

イカやタコなどの頭足類、アサリ、ハマグリ、シジミなどの貝類、エビ、カニなどの甲殻類、コイ・マス・ニシンなどの淡水魚は、多量に摂取するとビタミンB1欠乏症を発症する恐れがあります。

発症すると、食欲低下、嘔吐の症状が出て、ふらつきなどの神経症状に進むこともあります。

イカやタコは猫に必須のアミノ酸であるタウリンが豊富で、加熱したものは安全ですが、与える場合は少量にしましょう。

また、少量であれば大丈夫なので、ちょっと食べてしまっても慌てずに異状が無いか観察しましょう。

生卵の白身

加熱すれば問題ありませんが、生だと下痢、皮膚炎、結膜炎などの症状が出ることがあります。

青魚

サバ、アジ、イワシなどの青魚 は体に良い食材の一つですが、不飽和脂肪酸で体内の脂肪が酸化し、ビタミンEが欠乏して「黄色脂肪症(イエローファット)」になることがあります。

急性で出る症状ではなく、慢性的に食べすぎることで発症しますので、適量を与えるのは大丈夫ですし、イワシの煮干しなどは、カルシウムやビタミン類の補給にも適しています。

ただし、煮干しはマグネシウムが多いので食べ続けると尿路結石の原因となる可能性もあります。

塩分の多いもの

ハム、ソーセージ、魚の干物など、猫に与えると喜びますが、そういった人間用に加工食品には塩分がたっぷり含まれています。

猫に塩分はNGとよくいいますが、ナトリウムは猫にとって細胞の機能に必要不可欠な、必須のアミノ酸のひとつです。

高血圧になる、といわれることが多いですが、ナトリウムによる高血圧のリスクは認められないそうです。

過去には塩分摂取量の増加に伴う高血圧のリスクが指摘されていたが、現在では高血圧が認められないという報告が大多数である(Buranakarl 2004 Xu H2009 Cowgill 2007)。これは犬や猫ではナトリウムを容易に尿中に排泄することができるためと考えられる。

しかしながら、本来猫は塩で味付けをして肉を食べているわけではないので、必要なナトリウムは肉に本来含まれる分量で十分であり、過剰に与えるこことは健康を害する危険があります。

RC(全米研究評議会)のガイドラインによると、食事中のナトリウム量1.5g/400kcalで安全性が確認されている。

猫も味が付いている方が美味しいと感じるともいわれおり、猫用のおやつや嗜好性の高いフードには塩分が多めに含めれている可能性があります。

人間の食べものを与えないのはもちろん、猫が好むからといっておやつや嗜好性の高い安価なフードばかりを与えるのは、人間がジャンクフードやスナックばかり食べているのと同様な為、バランスのよい食餌を与えられるように心掛けたいですね。

レバー

レバーに含まれる脂溶性ビタミンが体内に蓄積すると、食欲不振や嘔吐の症状が出たり、骨髄の変形に進むこともあります。

週に1回少量与える程度であれば問題無いそうです。

海苔、鰹節

煮干しほどではなくても、結石の原因となるマグネシウムが豊富なため、好きであっても与えすぎない方が安心でしょう。

カツオ節は、たまのご褒美程度にしておくのがいいかもしれないですね。
また、人間用に加工されているものは、塩分を含むので与えないようにしましょう。

硬水のミネラルウォーター

結石の原因はマグネシウムだけではありませんが、硬水はマグネシウム豊富なため、ミネラルウォーターを与える場合は軟水である方がよいでしょう。

まとめ

基本的には、人間用に作られたものは与えず、猫には猫の栄養バランスを考えて作られたものを与えるのが安心でしょう。

もしも他のものを与えるときも、中毒の危険が無いものを少量与えるくらいにしておくのがよさそうですね。

どんなに体によさそうなものでも過剰に摂取して偏った食生活になら無いようにすることが大切なのは、猫も人も一緒ですね。